「ケース面接で『売上を因数分解して』と言われたけど、どうすればいい?」
「数学の因数分解とは違うの?」
「分解の切り口が思いつかないし、的外れな分解をしてしまう…」
戦略コンサルティングファームの選考、特にケース面接やフェルミ推定において、「因数分解」は、あらゆる思考の出発点となる最も重要な基本スキルです。このスキルなくして、複雑な問題を構造的に捉え、本質的な課題を発見することはできません。
しかし、多くの就活生・転職者がこの「因数分解」でつまずき、「思考が浅い」「論点がズレている」といった評価を受けてしまっています。
この記事では、実際にMBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)の内定を獲得した筆者が、ビジネスにおける因数分解の基本的な考え方から、ケース面接での実践的な使い方、そして陥りがちな失敗例までを、具体的なケース問題を交えながら徹底的に解説します。
この記事を読めば、因数分解を単なる作業ではなく、問題解決のための強力な「思考のメス」として自在に使いこなせるようになります。
1. ケース面接における「因数分解」の基本的な考え方
まず、ビジネスやケース面接で使われる「因数分解」とは何か、その基本的な考え方を理解しましょう。
ビジネスにおける因数分解とは?
ケース面接における因数分解とは、ある事象(特に数値目標など)を、その構成要素の掛け算や足し算で分解し、構造を明らかにすることを指します。
数学の因数分解(例: x² - 1 = (x - 1)(x + 1)
)と考え方は似ていますが、ビジネスではよりシンプルに、「全体=要素A × 要素B」や「全体=要素A + 要素B」の形で、問題の構造を捉えるために使います。
【視覚で理解する因数分解】
例えば、最も有名な因数分解が「売上」です。
- 売上 = 客数 × 客単価
このように分解することで、「売上が減少している」という漠然とした問題を、「客数が減っているのか?」「客単価が下がっているのか?」「あるいはその両方か?」という、より具体的で検証可能な論点に分けることができます。この「漠然とした問題を、具体的な論点に切り分ける」ことこそが、因数分解の最大の目的です。
なぜ因数分解が重要なのか?
因数分解は、コンサルタントの思考の根幹をなす「構造化思考」の第一歩です。
- 問題の所在を特定できる:
複雑な問題も、要素に分解することで、どこにボトルネックがあるのか(=最も改善インパクトが大きいのはどこか)を特定しやすくなります。 - 網羅的な思考が可能になる (MECE):
モレなくダブりのない(MECE)分解を意識することで、思考の漏れを防ぎ、考えられる原因や打ち手を網羅的に洗い出すことができます。 - 仮説が立てやすくなる:
「客数が減っている」という論点が特定できれば、「なぜ客数が減っているのか?」という問いを立て、新規顧客の減少や既存顧客の離反といった、より具体的な原因についての仮説を構築できます。 - 議論が具体的になる:
「売上を上げましょう」という抽象的な議論から、「新規顧客の獲得率を10%改善するための施策を考えましょう」といった、具体的でアクションに繋がる議論へと進化させることができます。
「因数分解」と「フレームワーク」の違い
3C分析や4Pといった「フレームワーク」も、思考を整理するツールという点では似ています。
- 因数分解: 主に定量的な要素を分解し、問題の構造を数式で捉えるアプローチ。(例:売上=客数×客単価)
- フレームワーク: 主に定性的な要素を整理し、分析の観点や思考の切り口を提供するアプローチ。(例:市場・自社・競合の観点で分析する)
実践的には、まず因数分解で問題のボトルネックを定量的に特定し、その原因を深掘りするためにフレームワークを活用する、といったように組み合わせて使うことが多くなります。
2. ケース面接で「因数分解」が活きるお題の見極め方とポイント
因数分解は、特に定量的な指標を含むお題を扱う際に絶大な効果を発揮します。ケース面接で因数分解を思考の出発点とすべき、典型的なお題パターンを理解しましょう。
因数分解が活きるお題の典型パターン
以下のようなキーワードが含まれるお題では、まず因数分解から思考を始めるのが定石です。
- 「売上/利益」の向上・減少に関するお題
- お題例:
- 「クライアント企業の売上が減少している。原因を特定し、打ち手を提案せよ」
- 「ある飲食店の利益を2倍にするには?」
- なぜ活きるか: 「売上」や「利益」は、因数分解の最も基本的な対象です。売上であれば「客数×客単価」、利益であれば「売上-コスト」という分解から始めることで、問題の構造を明確にし、どこに課題があるのかを特定する最初のステップとなります。
- お題例:
- 市場規模推定(フェルミ推定)のお題
- お題例:
- 「日本国内のコーヒー市場の規模は?」
- 「日本にある電柱の数は?」
- なぜ活きるか: フェルミ推定そのものが、未知の数値を既知の数値の組み合わせ(因数分解)で求めるプロセスです。「市場規模=対象人口×購入率×購入頻度×単価」のように、全体を構成要素に分解していくことでしか、答えにたどり着けません。
- お題例:
- 特定のKPI(重要業績評価指標)の改善に関するお題
- お題例:
- 「あるECサイトのコンバージョンレート(CVR)を改善するには?」
- 「ある工場の生産性を向上させるには?」
- なぜ活きるか: CVR(=購入者数÷サイト訪問者数)や生産性(=生産量÷投入資源)といったKPIも、数式で定義されるため因数分解の対象となります。KPIを構成する要素に分解することで、どの数値を改善すればKPI全体が向上するのか、具体的な打ち手の方向性が見えてきます。
- お題例:
ケース面接で因数分解を使う際のポイント
- 複数の分解の切り口を持つ:
一つの事象でも、分解の仕方は複数あります。例えば「売上」の分解でも、- 切り口A: 売上 = 客数 × 客単価
- 切り口B: 売上 = 新規顧客売上 + 既存顧客売上
- 切り口C: 売上 = 店舗A売上 + 店舗B売上 + …
- 切り口D: 売上 = 商品X売上 + 商品Y売上 + …
といった複数の切り口が考えられます。お題の特性やクライアントの状況に応じて、最も本質的な課題を発見できそうな切り口はどれか、を意識して選択することが重要です。「今回は顧客の離反が問題になっていそうなので、新規/既存の切り口で分解して考えたいと思います」のように、切り口を選んだ理由を述べられると、思考の深さを示すことができます。
- MECE(モレなくダブりなく)を意識する:
分解した要素の合計が、全体と一致しているか常に意識しましょう。例えば、「コスト=変動費+固定費」はMECEですが、「コスト=人件費+原材料費」は、広告宣伝費などが漏れているためMECEではありません。MECEでない分解は、論理の破綻や思考の漏れに繋がります。 - 分解して終わり、にしない:
因数分解は、あくまで問題解決のスタートラインです。分解してボトルネック(最も課題の大きい要素)を特定したら、「なぜその要素が悪化しているのか?(Why?)」を繰り返し深掘りしていく必要があります。- 例: 「売上減少の原因は、客単価の低下にある」と特定 → Why? → 「商品の購入点数が減っている」 → Why? → 「セット販売の訴求が弱まっているからではないか?」
- アクションに繋がるレベルまで分解する:
分解は、具体的な打ち手が見えるレベルまで行うことが理想です。「コスト」を「変動費」と「固定費」に分解するだけでは、具体的なアクションは見えません。さらに「変動費」を「原材料費」「外注費」などに、「固定費」を「人件費」「賃料」などに分解することで、初めて「原材料の仕入先を見直す」「業務を自動化して人件費を削減する」といった具体的な打ち手の検討が可能になります。
因数分解は、思考の「解像度」を上げるための技術です。漠然とした問題を、シャープで具体的な論点へと変えていく意識を持ちましょう。
3. 因数分解活用の罠:ケース面接でやりがちな失敗例
因数分解はコンサルティング思考の基本ですが、その使い方を誤ると「木を見て森を見ず」の状態に陥ったり、議論が本質からズレたりする危険性があります。ここでは、ケース面接で因数分解を使う際に陥りがちな失敗例とその回避策を解説します。
失敗例1:「とりあえず分解」思考停止型
- 症状:
お題が出された瞬間に、思考停止で「売上=客数×客単価」とだけ書いて満足してしまう。なぜその分解が適切なのか、他にどのような分解の切り口があるのかを検討せず、覚えた公式を当てはめるだけになっている。 - なぜダメなのか:
これは、因数分解を思考のツールではなく、思考の儀式として行っている状態です。お題によっては「客数×客単価」という分解が本質的でない場合もあります(例:サブスクリプションモデルなら「顧客数×ARPU」、広告モデルなら「PV数×CTR×CPC」など)。面接官からは「思考が浅い」「お題の本質を考えていない」と見なされてしまいます。 - 回避策:
- 常に複数の切り口を想起する: 前章で述べたように、常に複数の分解軸を頭に思い浮かべ、「このお題の論点を明らかにするには、どの切り口が最も有効か?」を意識的に選択しましょう。
- ビジネスモデルを理解する: 分解を始める前に、「クライアントはどのようにして儲けているのか?」というビジネスモデルの根幹を理解することが、適切な分解の切り口を見つけるための鍵となります。
失敗例2:「分解が目的化」する木を見て森を見ず型
- 症状:
因数分解を細かく行いすぎたり、重要でない要素の分析に時間をかけすぎたりして、全体像を見失ってしまう。「売上減少」という大きなテーマなのに、「特定店舗の特定曜日の客単価の内訳」といった、枝葉末節の議論に終始してしまう。 - なぜダメなのか:
コンサルタントには、限られた時間の中で最もインパクトの大きい課題(ボトルネック)を特定し、解決策を導き出すことが求められます。重要でない論点の深掘りは、思考の優先順位付けができていないことの表れであり、ビジネスインパクトの観点が欠けていると判断されます。 - 回避策:
- 当たりをつける(仮説を持つ): 分解した要素の中から、「おそらくここが一番の問題だろう」という当たり(仮説)をつけ、その検証を優先的に行いましょう。
- インパクトの大きさを常に意識する: 分解した各要素が、全体のKPI(売上など)にどれくらいのインパクトを与えるかを常に意識します。(例:客単価が1%改善するインパクトと、客数が1%改善するインパクトはどちらが大きいか?)
失敗例3:「分解の粒度がバラバラ」構造化破綻型
- 症状: MECE(モレなくダブりなく)を意識するあまり、分解の粒度(抽象度)が揃っていない構造を作ってしまう。
- 悪い例: 売上 = ①新規顧客売上 + ②既存顧客の単価 + ③店舗Aの客数
- なぜダメなのか:
分解の粒度が揃っていないと、各要素を横並びで比較・評価することができません。上記の例では、①は「売上」、②は「単価」、③は「客数」と、異なる階層の概念が並列になっており、論理構造が破綻しています。これは、構造化思考の基本ができていないと見なされる重大なミスです。 - 回避策:
- 階層を意識する: 分解する際は、常に同じ階層の概念で切り分けることを徹底します。
- ツリー構造で可視化する: 頭の中だけでなく、紙に書き出してツリー構造にすることで、階層の間違いやMECEの漏れに気づきやすくなります。
これらの失敗例を避けるためには、因数分解を「問題の本質を特定するための、構造的かつ優先順位を意識した思考プロセス」と正しく位置づけることが不可欠です。次の章では、これらのポイントを踏まえ、具体的なケース問題の解説に挑戦します。
4. 【ケース面接 過去問解説】ハンバーガーチェーンの売上減少原因特定と打ち手
ここからは、これまでの解説を踏まえ、因数分解を思考の軸としたケース問題の思考プロセスを、ステップバイステップで解説していきます。
1. 前提設定、問題の背景の言語化
お題:クライアントは、全国に約1,000店舗を展開する中堅ハンバーガーチェーンです。この1年間で、全社売上が前年比10%減少しました。原因を特定し、売上を回復させるための打ち手を提案してください。
- 面接官への確認事項(デモ):
- クライアントの状況: 「このチェーンは、マクドナルドのような低価格帯が強みでしょうか?それともモスバーガーのような品質重視の中価格帯でしょうか?(面接官:中価格帯とします)」「顧客層はファミリー層が中心という認識でよろしいでしょうか?(面接官:はい)」
- 競合・市場環境: 「この1年間で、業界全体も同様に落ち込んでいるのでしょうか?それともクライアント固有の問題でしょうか?(面接官:業界全体は微増で、クライアント固有の問題です)」「何か特殊な外部要因(不祥事、大規模なネガティブ報道など)はありましたか?(面接官:特にありません)」
- 売上減少の内訳: 「売上減少は、特定の地域や店舗に集中していますか?それとも全国的に同様の傾向ですか?(面接官:全国的に同様の傾向です)」
これらの確認により、「中価格帯でファミリー層をターゲットとするチェーンが、業界トレンドに反して、全国的に売上を落としている」という、より解像度の高い問題設定ができます。
2. 仮説創出のための業界・商材の特徴分析
このケースを解く上で、思考の起点となるのは「なぜこのチェーンだけが売上を落としているのか?」という問いです。この問いに答えるため、まずは売上減少の構造を因数分解で明らかにします。
3. 論点の構造化:因数分解による原因の特定
売上減少の構造を明らかにするため、売上を因数分解します。
- 分解の切り口の検討:
- 切り口A(基本形): 売上 = 店舗数 × 1店舗あたり売上
- 切り口B(顧客視点): 売上 = 客数 × 客単価
- 切り口の選択と理由:
前提確認で「店舗数はこの1年で大きく変動していない」と仮定できれば(これも確認すべき点)、問題の根幹は「1店舗あたり売上」の減少にあると絞り込めます。さらにその中身を分析するため、より顧客行動に近い「客数×客単価」で分解する切り口Bが、原因を特定する上で最も有効だと判断します。
【構造化ツリー】
売上減少
├── 客数減少?
│ ├── 新規顧客の減少?
│ └── 既存顧客の離反/来店頻度低下?
└── 客単価低下?
├── 購入単価の低い商品へのシフト?
└── 一人あたりの購入点数減少?
ボトルネックの特定(面接官とのディスカッションを想定):
「売上10%減の内訳について、客数と客単価、どちらの影響が大きいというデータはありますか?」と面接官に問いかけます。
- シナリオ1:客数が10%減少、客単価は変動なし
- → 仮説: ブランドイメージの悪化、競合への顧客流出、商品の魅力低下など、「店に来なくなった」ことが根本原因。
- シナリオ2:客単価が10%低下、客数は変動なし
- → 仮説: 顧客がより安いメニューを選ぶようになった(デフレマインド、魅力的な高価格帯商品の欠如)、サイドメニューなどの「ついで買い」が減ったなど、「購買行動の変化」が根本原因。
- シナリオ3:客数5%減、客単価5%減
- → 仮説:両方の要因が複合的に絡んでいる。
ここでは、シナリオ1「客数減少が主要因」であると仮定して、議論を進めます。
客数減少のさらなる深掘り:
客数減少を「新規顧客」と「既存顧客」に分解します。
「客数10%減の内訳は、新規顧客の減少と既存顧客の離反、どちらが大きいでしょうか?」(面接官:既存顧客の来店頻度低下が主因です)
これにより、論点は「なぜ既存顧客は来店しなくなったのか?」という、非常にシャープなものに絞り込まれました。
4. 打ち手
特定した課題「既存顧客の来店頻度低下」に対する打ち手を提案します。原因をさらに深掘りするため、ここで3C分析などのフレームワークが有効になります。
- 原因の仮説(なぜ既存顧客が来なくなったか?)
- Company(自社): 商品(メニュー)に飽きられた?店舗体験(清潔さ、接客、待ち時間)が悪化した?
- Competitor(競合): より魅力的な競合(他のハンバーガーチェーン、ファミリーレストラン、コンビニ中食など)が登場し、顧客が奪われた?
- Customer(顧客): 顧客(ファミリー層)のニーズが変化した?(例:より健康志向に、より低価格志向に)
- スタンスと施策の絞り込み:
競合への流出と自社の魅力低下が複合的に起きていると仮定。短期的なカンフル剤ではなく、中長期的な顧客ロイヤリティを高めることが本質的な解決策と判断。「店舗体験の向上を通じた来店動機の再創出」を施策の軸とする。 - 具体的な施策(How to win):
- コンセプト: 「親子の『ちょっと特別な日常』を演出する、居心地の良いサードプレイス」
- 施策内容:
- キッズスペースの大幅リニューアルとデジタル化:
- 従来の画一的な遊具ではなく、知育要素のあるデジタルサイネージや、親子で楽しめるARコンテンツなどを導入。子供が「また行きたい」と思う空間を作る。
- 親世代向けのアメニティ向上:
- 無料Wi-Fi、電源席の拡充。
- 居心地の良いソファ席の増設。
- 少し高品質なコーヒーやデザートメニューの導入(客単価向上にも寄与)。
- ロイヤリティプログラム(アプリ)の刷新:
- 来店回数や子供の年齢に応じたスタンプラリーや限定クーポンを発行。
- アプリ限定でキッズスペースの予約ができるなど、利便性を向上させる。
- キッズスペースの大幅リニューアルとデジタル化:
- リスクと次の一歩:
- リスク: 店舗改装への投資コスト。オペレーションの複雑化。
- 次の一歩: まずは、郊外のモデル店舗を数店舗選定し、上記施策をパイロット導入。改装前後での来店頻度、滞在時間、客単価、顧客満足度の変化を測定し、全店展開の投資対効果を検証する。
5. 学びの抽象化、今回の問題を通じて伝えたいこと
- 因数分解は問題解決の第一歩: 漠然とした問題を具体的な論点に切り分けることで、思考の精度とスピードが飛躍的に向上する。
- 分解の「型」を持つことの重要性: 「売上=客数×客単価」のような基本的な分解の型を複数持っておくことで、どんなお題にも迅速に対応できる。
- 深掘りの重要性: 分解して終わりではなく、「なぜその数字が動いたのか?」を問い続けることで、初めて本質的な課題にたどり着ける。
6. 差がつくポイント、元面接官からのコメント
- 分解軸の選択理由: なぜ「客数×客単価」で分解するのか、その戦略的な意図を明確に説明できているか。
- 仮説のシャープさ: 分解した要素のどこに問題がありそうか、業界知識やビジネス常識に基づいた鋭い仮説(当たり)を立てられているか。
- 面接官との対話: 「もしデータがあるなら、〇〇と△△どちらの影響が大きいか確認したいです」のように、面接官を巻き込みながら、インタラクティブに原因を特定していく姿勢。
- 打ち手との一貫性: 特定した原因(例:既存客の来店頻度低下)と、提案する打ち手(例:店舗体験向上によるリピート促進)が、論理的に一貫しているか。
- 定量的な意識: 「売上を回復させる」だけでなく、「この施策で来店頻度が〇%向上し、客数が△%回復すれば、売上は□%回復する見込みです」といった、定量的なインパクトを意識した議論ができると評価が格段に上がる。
5. まとめ:因数分解を使いこなし、ケース面接を突破する
本記事では、戦略コンサルティングの思考法の根幹である「因数分解」について、その基本的な考え方から、ケース面接での実践的な活用法、陥りがちな罠、そして具体的な過去問(例題)を用いた思考プロセスまでを徹底的に解説しました。
因数分解攻略の要点まとめ
- 因数分解とは?
- ある事象を、その構成要素の掛け算や足し算で分解し、問題の構造を明らかにすること。
- 「売上 = 客数 × 客単価」が最も代表的な例。
- ケース面接での活かし方:
- 「売上・利益」「市場規模推定」「KPI改善」など、定量的な指標が関わるあらゆるお題の思考の出発点となる。
- 漠然とした問題を、検証可能な具体的な論点に切り分けるために用いる。
- 成功の鍵と失敗の罠:
- 成功の鍵: ①複数の分解の切り口を持ち、お題に応じて最適なものを選択する、②MECEを意識する、③分解して終わりではなく「なぜ?」を深掘りする、④具体的なアクションに繋がるレベルまで分解する。
- 失敗の罠: ①思考停止での当てはめ、②全体像を見失うほどの細かすぎる分解、③分解の粒度が揃っていない構造化の破綻。
重要なのは、因数分解を単なる数学の計算や作業と捉えるのではなく、複雑な現実をシンプルに捉え直し、問題解決への道筋を描くための「思考のメス」として使いこなすことです。
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