ケース面接対策

【AIDMAとは】MBB内定者がフレームワークの使い方をわかりやすく解説|具体例で学ぶ⑨

「顧客が商品を買うまでのプロセスって、どう考えればいいんだろう?」
「マーケティング施策を考えるとき、どの段階の顧客にアプローチすべきか分からない」

戦略コンサルティングファームの選考、特にケース面接において、顧客の購買行動を深く理解することは、効果的な戦略を立案するための必須条件です。その際に、顧客の心理的なプロセスを構造的に捉えるための古典的かつ強力なフレームワークがAIDMA(アイドマ)の法則です。

この記事では、実際にMBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)の内定を獲得した筆者が、AIDMAの基本的な考え方から、ケース面接での実践的な使い方、そして現代における限界と進化版モデルまでを、具体的なケース問題を交えながら徹底的に解説します。

この記事を読めば、AIDMAを単なるマーケティング用語としてではなく、顧客の心を動かす打ち手を導き出すための「思考のシナリオ」として使いこなせるようになります。



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1. AIDMAの基本的な考え方と使い方をわかりやすく解説

まず、AIDMAがどのようなフレームワークなのか、その基本的な考え方を理解しましょう。

AIDMA(アイドマ)とは?

AIDMAとは、顧客が商品を認知してから購買に至るまでの心理的なプロセスを、5つの段階の頭文字で表したモデルです。1920年代にアメリカの著作家であるローランド・ホールによって提唱された、消費者行動分析における古典的なフレームワークです。

【視覚で理解するAIDMAの購買ファネル】

段階英語意味顧客の心理状態・行動
AAttention注意・認知「あ、こんな商品があるんだ」と存在に気づく段階。
IInterest興味・関心「面白そうだな」「どんな商品なんだろう?」と興味を持つ段階。
DDesire欲求「これが欲しい!」「これがあれば悩みが解決するかも」と欲しくなる段階。
MMemory記憶「あの商品、今度見かけたら覚えておこう」と記憶に留める段階。
AAction行動(購買)実際に店舗に行く、購入するなど、行動を起こす段階。

このモデルは、顧客が各段階を経て徐々に購買意欲を高めていく様子が、漏斗(ファネル)のように絞られていくことを示しており、マーケティングファネルとも呼ばれます。企業は、各段階で顧客が離脱しないように、適切なマーケティング施策を打つ必要があります。

似ているフレームワークとの違い(AISASなど)

AIDMAは非常に有名ですが、時代背景に合わせていくつかの進化版モデルが存在します。ケース面接では、これらの違いを理解し、お題に応じて使い分けることが重要です。

  • AISAS(アイサス):
    インターネットが普及した現代の消費者行動モデルとして、2005年に電通が提唱しました。
    • Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)
    • AIDMAとの違い:
      • 「欲しい」と思ってから「記憶」するのではなく、能動的に「検索(Search)」して情報を集める。
      • 購入して終わりではなく、SNSなどで「共有(Share)」し、それがまた新たな顧客の「注意(Attention)」を引くという循環型のモデル。
  • AMTUL(アムツール):
    顧客との長期的な関係性(リピート購入)を重視するモデルです。
    • Aware(認知)→ Memory(記憶)→ Trial(試用)→ Usage(本格利用)→ Loyalty(固定客化)
    • AIDMAとの違い:
      • 購買後(Action)の「継続利用(Usage)」「ファン化(Loyalty)」までをスコープに入れている点が特徴。サブスクリプションモデルやリピートが重要なビジネスの分析に適しています。

ケース面接での使い分け:
お題がインターネット普及前のビジネスモデルや、高関与商材(じっくり記憶・検討する)であればAIDMAが有効な場合があります。一方で、現代のBtoCビジネスの多くは、AISASで考える方がより実態に即していることが多いでしょう。また、リピート率や解約率が課題となるお題では、AMTULの視点が役立ちます。

2. ケース面接でAIDMA(AISAS)が活きるお題の見極め方とポイント

AIDMAやその発展形であるAISASは、特に顧客の獲得や育成(マーケティング・営業)に関する課題を扱う際に強力なツールとなります。このフレームワークが有効に機能するお題を見極め、効果的に活用するためのポイントを理解しましょう。

AIDMA(AISAS)が活きるお題の典型パターン

以下のような、顧客の流れ(カスタマーフロー)に課題がありそうなテーマでは、AIDMAやAISASを思考の軸として活用することを検討しましょう。

  1. 「新規顧客獲得」「認知度向上」に関するお題
    • お題例:
      • 「あるBtoC向け新サービスの利用者を増やすには?」
      • 「地方の観光地の知名度を上げて、観光客を誘致するには?」
    • なぜ活きるか: これらの課題は、まさにファネルの入り口である「Attention(認知)」「Interest(興味)」の段階にボトルネックがある可能性が高いです。AIDMA/AISASの各段階に沿って、顧客がどこで情報を得て、どこで興味を失っているのかを分析することで、効果的なプロモーション戦略を立案できます。
  2. 「売上向上」の中でも特に「客数」に課題がある場合
    • お題例:
      • 「あるECサイトの売上が伸び悩んでいる。客数を増やすための施策は?」
      • 「結婚相談所の会員数を増やすには?」
    • なぜ活きるか: 売上を「客数×客単価」に因数分解し、課題が「客数」にあると特定した場合、その客数をさらに購買ファネルで分解することができます。例えば、「サイト訪問者数は多いのに購入に至らない(Actionの段階に課題)」のか、「そもそもサイトへの流入が少ない(AttentionやInterestの段階に課題)」のかを構造的に分析できます。
  3. BtoCビジネス全般の原因特定・打ち手立案
    • お題例:
      • 「あるアパレルブランドの売上減少の原因は何か?」
      • 「学習塾の生徒数を増やすための施策を考えよ」
    • なぜ活きるか: 顧客が製品やサービスを購入するまでには、必ず何らかの心理的・行動的プロセスが存在します。AIDMA/AISASは、そのプロセスを網羅的に捉えるための思考のチェックリストとして機能します。「認知段階での接点は足りているか?」「興味を引くコンテンツはあるか?」「検索したときに出てくる情報は魅力的か?」といったように、各段階での課題を体系的に洗い出すことができます。

ケース面接でAIDMA(AISAS)を使う際のポイント

  • お題に合わせてモデルを使い分ける(AIDMA vs AISAS):
    前述の通り、現代の消費者行動を分析する際は、「Search(検索)」「Share(共有)」を含むAISASで考える方が、より現実的で深い示唆を得られることが多いです。ただし、「なぜAISASを使うのか」を簡潔に説明できると、思考の深さを示すことができます。(例:「現代の消費者は購入前にWebで検索し、購入後にはSNSで共有する行動が一般的なため、AISASモデルで分析します」)
  • 各段階の「離脱率」を意識する(ボトルネックの特定): ファネル分析の核心は、どの段階で最も多くの顧客が離脱しているのか(=ボトルネック)を特定することにあります。
    • 例: 「広告(Attention)は多くの人に見られているのに、Webサイトへの流入(Interest)が少ない」→広告のクリエイティブやメッセージに問題があるのでは?
    • 「Webサイトへの流入は多いのに、購入(Action)に至らない」→サイトのUI/UXや価格、商品の魅力に課題があるのでは?
      まずはボトルネックに関する仮説を立て、そこに集中して打ち手を考えることが、効率的な問題解決に繋がります。
  • 各段階の「KPI」を意識する: 各段階のパフォーマンスを測定するための具体的な指標(KPI)を意識すると、議論がよりシャープになります。
    • Attention: 広告表示回数(インプレッション数)、認知度調査の結果
    • Interest/Search: Webサイトへの流入数、検索数、CTR(クリック率)
    • Action: 購入数、CVR(コンバージョン率)
    • Share: SNSでの言及数、口コミ件数
  • 顧客視点での「感情」や「思考」を想像する:
    各段階で、顧客が「何を考え、何を感じているか」を想像することが重要です。これは、カスタマージャーニーマップの考え方と通じます。「検索(Search)したけど、専門用語ばかりでよく分からない(感情:不安)」といったインサイトが、具体的な改善策(例:分かりやすい解説コンテンツの作成)に繋がります。

AIDMA/AISASは、顧客獲得のプロセスを「点の施策」ではなく「線の流れ」として捉え、その流れをスムーズにするための課題を発見するフレームワークです。

3. AIDMA(AISAS)活用の罠:ケース面接でやりがちな失敗例

AIDMAやAISASは顧客獲得プロセスを整理する上で非常に便利ですが、使い方を誤ると、思考が表面的になったり、現実離れした議論になったりする危険性があります。ここでは、ケース面接で陥りがちな失敗例とその回避策を解説します。

失敗例1:「段階の羅列」で終わる思考停止型

  • 症状:
    AIDMA/AISASの各段階を順番に読み上げるだけで、ボトルネックの特定各段階の繋がりについての分析がない。「まずAttentionで認知させ、Interestで興味を持たせ、Searchで検索してもらい…」のように、フレームワークの説明に終始してしまう。
  • なぜダメなのか:
    フレームワークを知っていることをアピールしているだけで、それを使って「何を分析したのか」「何が課題だと考えたのか」という肝心の中身がありません。面接官からは「思考が浅い」「フレームワークをただ暗記しているだけ」と見なされてしまいます。
  • 回避策:
    • ボトルネックに仮説を立てる: 「今回の課題は、〇〇という理由から、特にInterestからSearchへの移行段階にボトルネックがあると考えられます」のように、まず最も課題が大きいと思われる段階に当たりをつけ、その理由を述べましょう。
    • 各段階の「転換率」を意識する: 「認知した人のうち、何%が興味を持つか?」「興味を持った人のうち、何%が検索するか?」といった、各段階の間の転換率(CVR)を意識することで、どこがボトルネックになっているかを定量的に議論できます。

失敗例2:「Share」を軽視する一方通行型

  • 症状:
    AISASモデルを使う際に、「Search」や「Action(購買)」までで分析を終えてしまい、その後の「Share(共有)」の重要性を見過ごしてしまう。マーケティングを、企業から顧客への一方通行のコミュニケーションとして捉えている。
  • なぜダメなのか:
    現代のマーケティングにおいて、UGC(ユーザー生成コンテンツ)に代表される顧客からの情報発信(Share)は、新たな顧客の「Attention」や「Interest」を生み出す極めて重要なエンジンです。「Share」のサイクルを回す視点が欠けていると、現代の消費者行動を理解していないと判断される可能性があります。
  • 回避策:
    • 「Share」を新たな「Attention」の起点と捉える: 「顧客がShareしたくなるような仕組みは何か?」「Shareされた情報が、次の見込み客にどう届くか?」という視点で、循環するエコシステムを設計する意識を持ちましょう。
    • Shareを促す施策を具体的に考える: 「ハッシュタグキャンペーン」「口コミ投稿へのインセンティブ」「思わず写真に撮りたくなるような商品パッケージ」など、Shareを誘発するための具体的な打ち手を検討しましょう。

失敗例3:全ての顧客が同じファネルを通ると考える画一型

  • 症状:
    ターゲット顧客のセグメント分けを行わず、全ての顧客が全く同じ購買プロセスを辿るという前提で議論を進めてしまう。
  • なぜダメなのか:
    実際には、顧客の属性(年齢、性別、価値観など)や、製品・サービスへの関与度によって、購買に至るまでのプロセスは大きく異なります。例えば、情報感度の高い若者と、保守的なシニア層では、情報収集の方法(Search)も、購入の決め手(Desire)も全く違うはずです。画一的な分析では、効果的な施策は打てません。
  • 回避策:
    • まずペルソナを設定する: AIDMA/AISASで分析を始める前に、「誰の購買プロセスを考えるのか?」というターゲット顧客像(ペルソナ)を明確にしましょう。
    • セグメントごとにファネルを考える: 必要であれば、「ヘビーユーザー」と「ライトユーザー」、「新規顧客」と「既存顧客」など、セグメントごとに異なる購買ファネルを想定し、それぞれに最適なアプローチを考えることで、議論に深みが出ます。

これらの失敗例を避けるためには、AIDMA/AISASを「特定の顧客セグメントが、どのような心理と行動を経て購買に至るかの『仮説シナリオ』であり、そのボトルネックを発見するための分析ツール」と正しく位置づけることが不可欠です。次の章では、これらのポイントを踏まえ、具体的なケース問題の解説に挑戦します。

4. 【ケース面接 過去問解説】結婚相談所の売上向上施策

ここからは、これまでの解説を踏まえ、AIDMA/AISASを思考の軸としたケース問題の思考プロセスを、ステップバイステップで解説していきます。

1. 前提設定、問題の背景の言語化

お題:クライアントは、全国に50店舗を展開する中堅の結婚相談所です。近年、マッチングアプリの台頭により競争が激化し、新規の入会者数が伸び悩んでいます。今後3年間で、売上を向上させるための施策を提案してください。

  • 面接官への確認事項(デモ):
    • クライアントの状況: 「この結婚相談所は、データマッチング型でしょうか、それとも仲人による紹介型でしょうか?(面接官:仲人による手厚いサポートを強みとする、後者です)」「価格帯は、比較的高価格帯(入会金・月会費で年間数十万円)という認識でよろしいでしょうか?(面接官:はい)」
    • スコープ: 「売上向上とのことですが、課題は『新規入会者数の伸び悩み』とありますので、今回は新規会員獲得による売上向上に焦点を当てて考えてよろしいでしょうか?(面接官:はい、それで進めてください)」
    • ターゲット顧客: 「メインターゲットは、結婚に対して真剣度が高い30代〜40代の男女という認識でよろしいでしょうか?」

これらの確認により、課題は「手厚いサポートを特徴とする高価格帯の結婚相談所が、安価で手軽なマッチングアプリとの競争の中で、いかにして新規会員を獲得するか」という、シャープな論点に設定されます。この「認知から入会までの顧客獲得プロセス」を分析する上で、AISASモデルが有効なフレームワークであると判断できます。

2. 仮説創出のための業界・商材の特徴分析

  • 婚活サービス業界の特性:
    • 市場は拡大傾向にあるが、プレイヤーが多様化し競争が激化(結婚相談所、マッチングアプリ、婚活パーティーなど)。
    • 特にマッチングアプリが急成長し、婚活の「当たり前」の選択肢となっている。
  • 結婚相談所(商材)の特性:
    • 高関与商材: 人生の重要な決断に関わるため、顧客は慎重に比較・検討する。
    • 提供価値: 単なる出会いの「機会」だけでなく、「質」の高い出会い、カウンセラーによる「サポート」、成婚という「結果」へのコミットメント。
    • 課題: 「料金が高い」「最後の手段」といったネガティブなイメージを持たれがち。
  • 顧客インサイト(仮説):
    • マッチングアプリを手軽に利用する一方で、「本当に真剣な人に出会えない」「メッセージのやり取りが疲れる」といった不満を持つ層も存在するのではないか。
    • 結婚相談所に興味はあっても、無料相談に行くまでの心理的ハードルが高いのではないか。

3. 論点の構造化:AISASモデルによるボトルネック特定

結婚相談所のターゲット顧客(結婚に真剣な30代〜40代)が、入会に至るまでの購買ファネル(AISAS)を分析し、ボトルネックを特定します。

AISAS顧客の行動・心理ボトルネック仮説
Attention
(認知)
・婚活を考え始める
・結婚相談所の存在を知る
・そもそも選択肢として想起されていない?
・広告が画一的で自分事化できない?
Interest
(興味)
・マッチングアプリとの違いは何か?
・どんなサポートがあるのか?
・Webサイトの情報が分かりにくい?
・具体的なサービス内容の魅力が伝わっていない?
Search
(検索)
・「地域名 結婚相談所」で検索
・口コミ、評判、料金を比較
・検索で上位に表示されない?
ネガティブな口コミが目立つ?
料金体系が不透明で比較しにくい?
Action
(行動/入会)
・無料相談会を予約し、来店
・説明を受け、入会
無料相談への心理的ハードルが高い?(強引な勧誘を懸念)
・相談会での体験が期待外れ?
Share
(共有)
・成婚体験を友人に話す
・SNSや口コミサイトに投稿
・プライベートな話題のため、ポジティブな共有がされにくい構造?

ボトルネックの特定:

上記の分析から、複数のボトルネックが考えられますが、特に「Search(検索・比較)」段階と「Action(無料相談への移行)」段階に大きな課題があると仮説を立てます。

  • Search: 料金やサービスの不透明さが、マッチングアプリの手軽さと比較され、顧客の不安を煽っている。
  • Action: 「相談=勧誘される」という強い警戒心から、最後の行動を躊躇させている。

KSF(成功要因)は、「マッチングアプリとの違い(=提供価値)を明確に伝え、無料相談への心理的ハードルを極限まで下げること」であると結論付けられます。

4. 打ち手

特定したKSFに基づき、具体的な施策を提言します。

  • スタンスと施策の絞り込み:
    最大のボトルネックである「無料相談への心理的ハードル」を解消することが、新規入会者数を増やす上で最もインパクトが大きいと判断。ここにフォーカスした施策を推奨する。
  • 具体的な施策(How to win):
    • コンセプト: 「『婚活診断』からはじめる、新しい結婚相談所の入口」
    • 施策内容:
      1. オンライン完結型の「AI婚活診断サービス」を開発・無料で提供(Promotion/Product):
        • ユーザーはWebサイト上で、年齢、職業、価値観、性格など数十問の質問に答える。
        • 回答に基づき、AIが「あなたの強み」「相性の良いパートナーのタイプ」「婚活における課題」「おすすめのアクションプラン」などを詳細に記載した診断レポートを即時発行する。
      2. 診断レポートをフックに来店を促進(Place/Promotion):
        • 診断結果の最後に、「このレポートを基に、プロのカウンセラーがさらに詳しい個別フィードバックをします」と、無料カウンセリングへ誘導する。
        • この際、「強引な勧誘は一切ありません」「まずはあなたの婚活プランを一緒に考える時間です」と明記し、心理的ハードルを下げる。
      3. 価格体系の透明化(Price):
        • 診断サービスと連動し、Webサイト上で料金シミュレーターを提供。自身の状況に応じた料金プランが明確に分かるようにする。
  • リスクと次の一歩:
    • リスク: 診断システムの開発コスト。無料診断だけで満足し、来店に繋がらない可能性がある。
    • 次の一歩(CTA): まずは簡易版の診断サービスをWebサイトに実装し、診断完了率と、その後の無料相談への転換率(CVR)を測定。データに基づき、診断コンテンツの最適化と本格的なシステム開発の投資対効果を判断する。

5. 学びの抽象化、今回の問題を通じて伝えたいこと

  • 購買ファネルはボトルネック発見器: 顧客獲得プロセスを段階に分解することで、どこで顧客が離脱しているのか、その根本原因は何かを構造的に特定できる。
  • 顧客の「不安」を取り除く: 特に高関与商材や無形サービスでは、顧客は購入前に多くの不安(価格、品質、効果など)を抱えている。その不安を先回りして解消するコミュニケーション設計が重要。
  • 現代のマーケティングは「循環」: AISASモデルが示すように、顧客の「共有(Share)」が次の顧客の「認知(Attention)」を生む。ポジティブな口コミや紹介が生まれやすい仕組みを設計することが、持続的な成長の鍵となる。

6. 差がつくポイント、元面接官からのコメント

  • 競合設定の解像度: 競合を他の結婚相談所だけでなく、「マッチングアプリ」と明確に設定し、顧客が両者をどう使い分け、比較しているかという視点で分析できているか。
  • ボトルネック特定の鋭さ: 多くの候補者が「認知度が低い」といった一般的な課題に終始する中、顧客の具体的な心理(例:「料金が不透明で不安」「強引に勧誘されそうで怖い」)にまで踏み込み、ファネル上のシャープなボトルネックを特定できているか。
  • 打ち手の具体性と一貫性: 「広告を増やす」といった抽象的な施策ではなく、「AI婚活診断」のような、特定したボトルネック(相談へのハードル)を直接解決するための具体的かつ一貫したソリューションを提案できているか。
  • ビジネスモデルへの理解: 結婚相談所が「月会費」や「成婚料」で収益を上げるモデルであることを踏まえ、単に入会者を増やすだけでなく、その後の成婚率向上やLTV(顧客生涯価値)にまで意識が及んでいると、より評価が高まる。
  • ディスカッションでの発展性: 面接官から「その診断サービス、どうやって儲けるの?」と問われた際に、「これは直接的な収益源ではなく、あくまで無料相談へのリード獲得(見込み客の獲得)を最大化するためのマーケティング投資です。CAC(顧客獲得コスト)を〇〇円と設定し…」といった形で、マーケティングROIの視点で議論を発展させられるか。

5. まとめ:AIDMA(AISAS)を使いこなし、ケース面接を突破する

本記事では、顧客の購買心理プロセスを解き明かすためのフレームワークであるAIDMA、そしてその現代版であるAISASについて、基本的な考え方から、ケース面接での実践的な活用法、陥りがちな罠、そして具体的な過去問(例題)を用いた思考プロセスまでを徹底的に解説しました。

AIDMA/AISAS攻略の要点まとめ

  • AIDMA/AISASとは?
    • 顧客が製品やサービスを認知してから購買(そして共有)に至るまでの心理・行動プロセスを段階的に示したモデル。
    • 顧客獲得のプロセスをファネル(漏斗)として捉え、各段階での離脱を防ぐための施策を考える。
    • 現代の消費者行動を分析する上では、Search(検索)Share(共有)を含むAISASがより実践的。
  • ケース面接での活かし方:
    • 特に「新規顧客獲得」「売上(客数)向上」といったマーケティング・営業戦略に関するお題で有効。
    • 顧客獲得プロセスのボトルネック(最も離脱率が高い段階)を特定し、そこに集中して打ち手を考える。
  • 成功の鍵と失敗の罠:
    • 成功の鍵: ①お題に合わせてモデルを使い分ける、②ボトルネックに仮説を立てる、③各段階のKPIを意識する、④顧客の感情や思考まで想像する。
    • 失敗の罠: ①単なる段階の羅列で終わる、②Shareの重要性を見過ごす、③全ての顧客が同じプロセスを辿ると画一的に考えてしまうこと。

重要なのは、AIDMA/AISASを単なる情報の整理箱として使うのではなく、ターゲット顧客の「心の旅」を追体験するためのシナリオとして捉えることです。 顧客がどの段階で何を考え、何に悩み、そして何に喜ぶのかを捉えることが重要です。

ケース面接では、論理的思考力だけでなく、顧客の心を動かすビジネスセンスも評価されます。AIDMA/AISASという武器を使いこなすことで、説得力のある顧客起点の戦略を構築する能力を面接官に示すことができるでしょう。

この記事が、あなたの戦略コンサルへの挑戦の一助となることを心から願っています。

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