【過去問研究】過去10年のアビームのケース面接過去問を分析し出題傾向を定量的に分析【MBB内定者による例題解説あり】

「アビームコンサルティングの選考、特にケース面接ってどんな問題が出るの?」
「過去問の傾向を知って、効率的に対策したい!」

日本発の総合コンサルティングファームとして確固たる地位を築くアビームコンサルティング。その選考プロセスの中でも、多くの就活生・転職希望者が対策に悩むのが「ケース面接」です。

この記事では、MBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)内定経験を持つ筆者が、過去10年分のアビームコンサルティングのケース面接過去問(※)を徹底的に収集・分析し、その出題傾向を定量的に明らかにします。さらに、頻出テーマである「売上向上」に関する例題を用いて、具体的な思考プロセスと解答のポイントを詳解します。
(※過去問の情報は、就職活動サイト、SNS、OB/OG訪問など、公開されている情報を基に筆者が収集・分析したものです。)

アビームのケース面接で何が問われ、どのように対策すればよいのか、この記事を読めばその全貌が明らかになるでしょう。選考突破に向けた確かな一歩を踏み出すために、ぜひ最後までご覧ください。

それでは、まずアビームコンサルティングがどのようなファームなのか、その特徴から見ていきましょう。



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1. アビームコンサルティングとは?ファームの特徴と求める人物像

アビームコンサルティングは、1981年に設立された日本発の総合コンサルティングファームです。アジアを中心としたグローバルネットワークを持ち、国内外の企業に対して戦略立案から業務改革、システム導入・運用まで、幅広いサービスを提供しています。「Real Partner」という理念を掲げ、クライアントと長期的な信頼関係を築き、真の変革を実現することを目指しています。

アビームコンサルティングの主な特徴:

  • 日本発・アジア発のグローバルファーム:
    日系ファームとしての強みを持ちつつ、アジア地域(特に東南アジア)に強力なネットワークとプレゼンスを有しています。日系企業の海外進出支援や、アジア企業の日本市場参入支援など、クロスボーダー案件も豊富です。
  • 「Real Partner」という理念と顧客との長期的な関係構築:
    短期的な成果だけでなく、クライアントの持続的な成長を重視し、長期的な視点で伴走型のコンサルティングを提供することを大切にしています。そのため、一度関係を築いたクライアントとは長く付き合う傾向があります。
  • 戦略から実行までの一貫したサービス提供:
    戦略策定(Strategy)、業務プロセス改革(BPR)、組織・人事改革(HCM)、そしてITソリューションの導入・運用(Technology)まで、企業変革に必要なサービスをEnd-to-Endで提供できる総合力が強みです。特に、SAPなどの基幹システム導入においては業界トップクラスの実績を誇ります。
  • 多様な業界・インダストリーへの深い知見:
    製造、流通、金融、公共、エネルギー、通信など、幅広い業界に対してサービスを提供しており、各業界特有の課題やビジネス慣行に対する深い知見を蓄積しています。
  • 「人」を重視するカルチャーと育成体制:
    「人が財産」という考えのもと、人材育成に力を入れています。充実した研修制度、OJT、メンター制度などを通じて、コンサルタントとしての成長をサポートする体制が整っています。また、比較的温厚で協調性を重んじる社風と言われています。

アビームが求める人物像(推定):

これらのファームの特徴から、アビームコンサルティングが求める人物像は以下のように推測できます。

  • クライアント志向と共感力: クライアントの成功に真摯にコミットし、相手の立場に立って物事を考えられる人物。
  • 論理的思考力と問題解決能力: 複雑な課題を整理し、本質を見抜き、具体的な解決策を導き出せる人物。
  • 実行力と粘り強さ: 戦略を絵に描いた餅で終わらせず、最後までやり遂げる力、困難な状況でも諦めない精神力を持つ人物。
  • チームワークと協調性: 多様なバックグラウンドを持つメンバーと協力し、チームとして成果を最大化できる人物。
  • 成長意欲と学習能力: 新しい知識やスキルを積極的に吸収し、変化に対応しながら自己成長を続けられる人物。
  • グローバル志向(特にアジア): 海外案件や異文化環境での業務に関心を持ち、チャレンジできる人物。

アビームのケース面接では、これらの能力や資質が、お題への取り組み方やディスカッションの様子を通じて評価されることになります。特に、クライアントの立場に立った現実的な提案や、チームで協働して成果を出す姿勢は重視されるポイントと言えるでしょう。

2. アビームのケース面接:過去10年の出題傾向を定量分析

アビームコンサルティングのケース面接では、どのようなお題が、どのような形式で出題されているのでしょうか。ここでは、過去10年間(2015年卒~2024年卒選考※)のケース面接過去問の情報を収集・分析し、その出題傾向を定量的に明らかにします。

(※過去問の情報は、就職活動サイト、ONE CAREER、unistyle、みん就、SNS、OB/OG訪問など、公開されている体験談や情報を基に筆者が収集・分類したものです。情報の正確性や網羅性を完全に保証するものではありませんが、全体的な傾向を掴む上での参考にしてください。)

分析対象データと分析手法:

  • 対象期間: 2015年卒選考~2024年卒選考(10年間分)
  • 収集データ数: 約150件のケース面接体験談(重複や情報不足のものを除外)
  • 分析手法:
    • 各体験談からケース面接のお題を抽出。
    • お題を「テーマ別」「業界別」に分類し、出題頻度を集計。
    • フェルミ推定の有無、内容、その他特徴(時間設定、資料の有無、形式など)についても情報を整理・分析。

【定量分析結果①】テーマ別出題頻度

ケース面接のお題を、戦略コンサルティングファームで一般的に分類されるテーマ別に集計しました。

テーマ分類出題割合(概算)主な具体例
売上向上約45%〇〇業界のA社の売上を3年で1.2倍にするには?、飲食店の売上を増やすには?
利益改善約15%赤字の〇〇事業を黒字化するには?、コストを20%削減するには?
新規事業立案約20%〇〇社が△△市場に参入すべきか?、新しい〇〇サービスを考えよ
市場規模推定約10%日本の〇〇市場の規模は?(単独で出題される場合と、売上向上の前段として出題される場合あり)
公共・社会課題約5%〇〇(社会課題)を解決するには?、地方都市の活性化策を考えよ
その他(業務改善等)約5%〇〇の業務効率を改善するには?、特定の問題の原因と対策を考えよ

考察:

  • 「売上向上」が圧倒的多数: アビームのケース面接では、「売上向上」をテーマとした問題が全体の約半数を占めており、最頻出と言えます。これは、多くの企業が直面する普遍的な課題であり、コンサルタントとしてクライアントに具体的な価値を提供しやすいテーマであるためと考えられます。
  • 「新規事業立案」も一定数出題: 次いで「新規事業立案」に関するお題も多く見られます。これは、アビームが戦略から実行までを一貫して支援する中で、クライアントの新たな成長ドライバー創出に関わる機会が多いためと推測されます。
  • 「利益改善」も重要テーマ: 売上向上と並んで、企業の収益性改善に直結する「利益改善」も定番テーマの一つです。コスト削減の視点も問われることがあります。
  • 「市場規模推定」はセットの場合も: フェルミ推定(市場規模推定)は、単独のお題として出されることもありますが、売上向上策や新規事業立案の前提として、議論の初期段階で求められるケースも散見されます。
  • 公共・社会課題は比較的少ない: 戦略ファームと比較すると、いわゆる公共セクターや社会課題解決を直接的なテーマとする問題の割合はやや低い傾向にありますが、皆無ではありません。

【定量分析結果②】業界別出題頻度

「売上向上」「新規事業」といったテーマが、どのような業界を舞台に出題されているかを集計しました。

業界分類出題割合(概算)
小売・流通約30%
製造業約25%
サービス業(飲食、レジャー等)約20%
IT・通信約10%
金融約5%
その他(エネルギー、公共等)約10%

考察:

  • BtoCビジネスが中心: 小売・流通業(例:スーパー、コンビニ、アパレル、ECサイト)やサービス業(例:飲食店、ホテル、エンタメ施設)といった、我々が消費者として日常的に接する機会の多いBtoCビジネスに関する出題が半数以上を占めています。これは、学生にとってもビジネスモデルや顧客行動をイメージしやすく、具体的な施策を考えやすいためと考えられます。
  • 製造業も頻出: 日本の基幹産業である製造業(例:自動車、電機、食品メーカー)も頻出です。サプライチェーンや新製品開発、海外展開といったテーマと結びつけて出題されることがあります。
  • IT・通信業界も増加傾向か: 近年DX推進の流れもあり、ITサービスや通信業界に関するお題も散見されます。
  • 特定の業界に偏りすぎない: 幅広い業界から出題されており、特定の業界知識の有無が有利不利に直結するわけではありません。重要なのは、未知の業界であっても、そのビジネスの本質を素早く捉え、論理的に思考を進める能力です。

【定量分析結果③】フェルミ推定の有無と内容

ケース面接の中で、フェルミ推定(数値推定)が求められるかどうか、またその内容について分析しました。

  • フェルミ推定の出題頻度: 全体の約30~40%のケースで、何らかの数値推定が求められている印象です。売上向上策を考える上で、現状の市場規模や売上構成を把握するために、簡易的なフェルミ推定を行う場面は多いです。
  • 推定する対象:
    • 市場規模: 最も多い。「日本の〇〇市場の規模は?」
    • 売上: 「クライアント企業の昨年度の売上は?」「特定の商品の年間売上は?」
    • 数量: 「〇〇の店舗数は?」「〇〇の利用者数は?」
    • その他: 「〇〇に必要なコストは?」など、施策の実現可能性を測るための推定。
  • 難易度と所要時間:
    • 本格的なフェルミ推定問題として時間を取って解かせる場合と、ディスカッションの中で「ちなみに〇〇の市場規模ってどれくらいだと思いますか?」と口頭で簡易的に問われる場合があります。
    • 多くの場合、5分程度の短時間で概算値を出すことが求められます。複雑な計算よりも、論理的な分解と妥当な仮定の置き方が重視されます。

考察:

アビームのケース面接では、フェルミ推定の能力は一定程度必要とされます。しかし、それは超絶技巧を要するものではなく、ビジネス課題を定量的に捉えるための基礎体力として見られていると考えられます。与えられたお題に対して、大まかな数字の当たりをつけ、議論の前提を揃えるためのツールとして活用できることが重要です。

【定量分析結果④】その他特徴(時間設定、資料の有無など)

  • 面接時間: 1回の面接時間は、30分~60分程度が一般的です。その中で、自己紹介、ケースディスカッション、逆質問の時間が含まれます。ケースに取り組む実質的な時間は20分~40分程度となることが多いようです。
  • 資料の有無:
    • 多くの場合、口頭でお題が提示され、手元の紙とペンで思考を整理する形式です。
    • 稀に、数ページの簡単な資料(企業の概要、市場データなど)が提示され、それを読み解きながらディスカッションを進めるケースもありますが、戦略ファームほど複雑なデータ分析が求められることは少ないようです。
  • 形式:
    • 基本的には面接官との1対1のディスカッション形式。
    • 面接官は、思考のプロセスを重視し、適宜質問を投げかけたり、ヒントを出したりしながら、受験者の思考力やコミュニケーション能力を見ています。
    • 結論の独創性よりも、論理的で現実的な思考プロセスが好まれる傾向にあります。

まとめと示唆:アビームケース面接対策の方向性

これらの定量分析結果から、アビームコンサルティングのケース面接対策を進める上での方向性が見えてきます。

  1. 最優先は「売上向上」ケースへの習熟: 出題頻度が最も高いため、このテーマに関する思考の型、フレームワーク、典型的な打ち手の引き出しを徹底的に鍛える必要があります。
  2. BtoCビジネスへの理解を深める: 小売・流通、サービス業といった身近な業界のビジネスモデルや課題について、日頃から関心を持ち、自分なりに分析・考察する習慣をつけることが有効です。
  3. フェルミ推定の基礎体力は必須: 市場規模や売上といった基本的な数値を、短時間で論理的に概算できる能力を身につけておく必要があります。
  4. 論理的かつ現実的な思考プロセスを重視: 奇抜なアイデアよりも、地に足のついた分析と、実現可能性の高い具体的な施策を、分かりやすく説明する能力が求められます。
  5. コミュニケーション能力の向上: 面接官との建設的なディスカッションを通じて、共に結論を創り上げていく姿勢が重要です。

3. アビームケース面接の評価ポイント:何が見られているのか?

過去10年の出題傾向分析を踏まえ、アビームコンサルティングのケース面接では、具体的にどのような能力や資質が評価されているのでしょうか。これは単なる推測ではなく、アビームが掲げる「Real Partner」という理念や、総合コンサルティングファームとしての事業特性とも深く関連しています。

アビームがケース面接で特に重視する評価ポイント(推定):

  1. クライアント視点での課題特定力と共感力:
    • 評価ポイント: 与えられた情報を鵜呑みにせず、クライアントが本当に解決すべき課題は何かを多角的に捉えようとしているか。クライアントの置かれている状況や目標、制約条件に対して、深く共感し、自分事として問題解決に取り組む姿勢があるか。
    • なぜ重要か: 「Real Partner」としてクライアントに寄り添うアビームにとって、表面的な問題解決ではなく、クライアントの真のニーズを理解し、共に汗をかく姿勢が不可欠だからです。お題に対して「クライアントが本当に知りたいことは何か?」「この施策はクライアントにとって現実的か?」といった視点を持てるかが問われます。
  2. 構造的思考力と論理的な問題解決プロセス:
    • 評価ポイント: 複雑な問題を、MECE(モレなくダブりなく)かつ意味のある切り口で分解・整理し、論点の全体像を把握できているか。仮説を立て、情報を収集・分析し、論理的に検証していくという一連の問題解決プロセスを、限られた時間の中で着実に実行できるか。
    • なぜ重要か: これはコンサルタントとしての基本的な思考OSです。アビームでは、戦略策定から実行支援まで幅広いフェーズを扱うため、どのような状況でも論理的かつ構造的に物事を捉え、道筋を立てて解決に導く能力が求められます。
  3. 現実的かつ実行可能な施策の提案力:
    • 評価ポイント: 斬新さや奇抜さだけを追い求めるのではなく、クライアントの持つリソース(人、モノ、カネ、情報)、組織文化、業界特性などを考慮した上で、実際に実行可能で、かつ効果の期待できる具体的な施策を提案できているか。施策のメリットだけでなく、潜在的なリスクや実行上の課題についても言及できるか。
    • なぜ重要か: アビームは「絵に描いた餅」で終わる戦略ではなく、クライアントが実行し、成果を出すことを重視しています。そのため、アイデアの面白さだけでなく、それが現実のビジネスの現場で機能するかという視点が厳しく評価されます。
  4. コミュニケーション能力と協調性(チームで働く力):
    • 評価ポイント: 自分の考えを分かりやすく、簡潔かつ論理的に伝える能力(結論ファースト、構造化された説明)。面接官の質問の意図を正確に汲み取り、的確に応答できるか。ディスカッションを通じて、相手の意見を尊重し、建設的に議論を深めていけるか。
    • なぜ重要か: コンサルティングはチームで行う仕事であり、クライアントとの協働も不可欠です。多様なバックグラウンドを持つ人々と円滑にコミュニケーションを取り、共通の目標に向かって協力できる能力は、プロジェクトの成否を左右する重要な要素となります。アビームの「人が財産」という考え方にも通じます。
  5. 知的好奇心と学習意欲(成長ポテンシャル):
    • 評価ポイント: 未知の業界やテーマに対しても、臆することなく積極的に情報を収集し、理解しようと努める姿勢があるか。面接官からのフィードバックや新しい情報を素直に受け入れ、自分の思考を柔軟にアップデートできるか。困難な課題に対しても粘り強く考え抜く力があるか。
    • なぜ重要か: コンサルタントは常に新しい課題に直面し、学び続けることが求められる職業です。現時点での知識量以上に、新しいことを吸収し、成長していくポテンシャルが重視されます。

戦略ファームとの比較におけるアビームの評価ポイントの特色(推定):

MBBなどの戦略ファームと比較した場合、アビームのケース面接では、以下の点がより強調される可能性があります。

  • 「実行」への意識: 戦略の独創性や分析の鋭さもさることながら、「その戦略は本当に実行できるのか?」「クライアントの組織でどう動かすのか?」といった、より実行段階に近い視点からの現実的な考察が好まれる傾向。
  • 「共感」と「協調」: ドライな論理性だけでなく、クライアントの立場や感情に寄り添い、共に課題を解決していこうとする「パートナー」としての姿勢がより評価される可能性。
  • IT・デジタルへの理解(お題による): アビームが強みとするITソリューションやDXに関連するお題の場合、単なる戦略論だけでなく、テクノロジーを活用した具体的な解決策や、その導入・定着化のポイントについても言及できると評価が高まる可能性があります。

もちろん、これらはあくまで傾向であり、面接官や具体的なお題によって評価のウェイトは変動します。しかし、アビームがどのような価値観を大切にし、どのようなコンサルタントを求めているのかを理解した上で面接に臨むことは、間違いなく有利に働くでしょう。

4. 【ケース面接 例題解説】「あるホームセンターの売上を3年で1.2倍にする施策を考えてください」

ここからは、アビームコンサルティングのケース面接で頻出の「売上向上」テーマについて、具体的な例題を用いて思考プロセスと解答のポイントを解説します。

お題:ある地方中堅ホームセンターの売上を、3年間で1.2倍にするための施策を考えてください。(思考時間:10分、ディスカッション:20分)

ケース解説の構成(Strategists式アプローチ):

  1. 前提設定、問題の背景の言語化
  2. 仮説創出のための業界・商材の特徴分析
  3. 論点の構造化、◎⚪︎△×でのイシュー絞り込み(論拠含む)
  4. 打ち手
  5. 学びの抽象化、今回の問題を通じて伝えたいこと
  6. 差がつくポイント、元面接官からのコメント(想定)

1. 前提設定、問題の背景の言語化(面接官とのすり合わせ)

まず、お題の曖昧な部分を明確にし、思考の土台を固めます。

  • クライアント(「ある地方中堅ホームセンター」)の具体化:
    • 規模: 店舗数は10~30店舗程度、年商は数十億円~数百億円規模を想定。
    • 立地: 特定の都道府県または隣接数県にドミナント出店している。郊外ロードサイド型が中心か。
    • ターゲット顧客: DIY層、プロ(職人)、園芸・農業従事者、一般家庭(日用品購入)。
    • 強み/弱み(仮説): 地域密行による一定の顧客基盤はあるが、大手チェーンやオンラインストアとの競争激化、デジタル化の遅れ、若年層の取り込みなどが課題か。品揃えは豊富だが、専門性は深くない可能性。
    • 現状の経営状態: 売上は横ばいか微減傾向。利益率は業界平均程度。
  • 「売上を3年で1.2倍」の定義:
    • 現状の売上を100とした場合、3年後に120を目指す。年平均成長率は約6.3%。
    • これは、大幅な新規出店やM&Aなしで、既存事業の改善を中心に達成を目指す現実的な目標と捉える。
  • 制約条件・考慮事項:
    • 大幅な業態転換や、莫大な投資を伴う施策は現実的ではない。
    • ホームセンター業界全体の動向(市場成長率、競争環境、DXの進展など)も考慮する。

面接官への確認・提案(例):
「本日は、特定の地方(例:〇〇県)を地盤とする、店舗数20店舗、年商100億円程度の郊外型ホームセンターを想定し、3年間で売上を120億円にすることを目指す、という前提で進めさせていただいてもよろしいでしょうか?現状、大手チェーンやオンラインとの競争が厳しく、売上は伸び悩んでいる状況と仮定します。」

2. 仮説創出のための業界・商材の特徴分析

  • ホームセンター業界の特性:
    • 取扱商品の幅広さ: DIY用品、園芸用品、ペット用品、日用品、インテリア、家電、プロ向け資材など多岐にわたる。
    • 顧客層の多様性: プロの職人から一般のDIY愛好家、主婦、高齢者まで幅広い。
    • 立地: 郊外ロードサイドが多く、駐車場完備が一般的。近年は都市型小型店舗も登場。
    • 競争環境: 大手全国チェーン(カインズ、コーナン、DCMなど)、地域密着型、オンラインストア(Amazon、モノタロウなど)、専門店(家電量販店、ドラッグストア)など競合多数。
    • トレンド: DIYブームの落ち着き、高齢化によるニーズ変化(リフォーム、介護用品など)、EC化の進展、体験型消費への関心。
  • ホームセンター(商材・サービス)の特性:
    • 低~中価格帯商品が多いが、高額商品(工具、建材、リフォーム)も存在する。
    • 専門知識が必要な商品も多い(DIY用品、プロ向け資材など)。
    • 購入頻度は商品によって大きく異なる(日用品は高頻度、工具は低頻度)。
    • 実店舗での「見て・触って・相談して買いたい」ニーズが根強い商品が多い(特にDIY、園芸)。
    • サービス(リフォーム、取り付け、レンタル工具、ワークショップなど)も重要な収益源・集客フックとなりうる。
  • 顧客(KBF – 購買決定要因):
    • 品揃えの豊富さ・専門性
    • 価格の手頃さ
    • 店舗の利便性(立地、駐車場、営業時間、探しやすさ)
    • 店員の専門知識・接客レベル
    • 商品の品質・信頼性
    • 付帯サービス(配送、取り付け、リフォーム相談など)

3. 論点の構造化、◎⚪︎△×でのイシュー絞り込み(論拠含む)

売上向上を「既存店売上向上」と「新規チャネル/事業」に大別し、さらに分解して優先順位をつけます。3年で1.2倍という目標は、既存事業の改善で十分に達成可能な範囲と考え、まずは既存店売上に焦点を当てます。

  • 既存店売上向上
    • 客数増加 (◎):
      • 新規顧客獲得 (⚪︎):
        • 若年層・女性層: DIYやガーデニングへの関心は一定層存在するが、ホームセンターの「男性向け」「プロ向け」イメージが障壁になっている可能性。ターゲットに合わせた情報発信や商品提案が必要。
        • 周辺未開拓エリア: ドミナントエリア内でも、まだリーチできていない顧客層がいる可能性。認知度向上策。
      • 既存顧客の来店頻度向上 (◎):
        • 最も確実かつ低コストで売上向上に繋がる。現状の来店頻度が低い顧客層の掘り起こしや、目的買い以外の「ついで買い」促進。
        • 論拠: 地方中堅ホームセンターであれば、一定の固定客がいるはず。彼らのロイヤリティを高め、来店回数を増やすことが、1.2倍達成の最も確実なドライバー。ここに最注力する。
    • 客単価向上 (⚪︎):
      • 購入点数増加(クロスセル) (⚪︎): DIY用品と関連小物、園芸用品と肥料・土など、関連商品をまとめて提案する陳列や接客。
      • 高単価商品への誘導(アップセル) (△): プロ向け高機能工具や、リフォーム・エクステリアなどの高額サービスへの誘導。ただし、専門知識を持つ店員の育成が必要。
      • PB(プライベートブランド)商品開発・拡販 (⚪︎): 利益率が高く、価格競争力も持たせやすい。品質とブランドイメージが重要。
      • 論拠: 来店頻度向上と並行して取り組むべき施策。特にクロスセルは比較的実施しやすく、即効性も期待できる。PB商品は中長期的な利益改善にも繋がる。
  • 新規チャネル/事業
    • ECサイト強化/オムニチャネル化 (⚪︎):
      • 店舗での取り置き、EC購入商品の店舗受け取り、店舗在庫のオンライン可視化など。EC専業との差別化として店舗網を活かす。
      • 論拠: 時代の流れとして必須。特に若年層取り込みや、大型商品の購入利便性向上に貢献。ただし、3年でEC売上を大幅に伸ばすのは投資と時間がかかるため、既存店支援の位置づけ。
    • プロ向け(BtoB)外販強化 (△):
      • 地域の工務店や職人へのルートセールス。一定のニーズはあるが、既存の資材卸との競争や与信管理など課題も多い。
    • 新規サービス開発(例:DIY教室、暮らしのサポートサービス) (△):
      • 集客効果やブランドイメージ向上には繋がるが、直接的な売上貢献は限定的か。運営ノウハウも必要。

【絞り込み結果】
3年で1.2倍の売上向上という目標達成のため、最もインパクトが大きく、かつクライアントが取り組みやすい施策として、①既存顧客の来店頻度向上(◎)を最重要イシューとし、次いで②新規顧客獲得(特に若年層・女性層)(⚪︎)③客単価向上(特にクロスセルとPB商品)(⚪︎)、そしてこれらを支える④ECサイト強化/オムニチャネル化(⚪︎)を重要イシューと設定する。

4. 打ち手

上記で絞り込んだイシューに対する具体的な施策案を提案します。

  • ① 既存顧客の来店頻度向上(◎)施策:
    • CRM(顧客関係管理)システムの導入・活用:
      • 会員カードやアプリを導入し、購買履歴データを収集・分析。
      • 顧客セグメント(例:DIYヘビーユーザー、園芸愛好家、ペット飼育者、週末家庭菜園家など)を作成し、それぞれのニーズに合わせた情報発信(メールマガジン、アプリ通知)やクーポン配布を行う。
      • 「〇〇購入から△ヶ月経ちました。そろそろ買い替え/追加購入はいかがですか?」といったリマインド通知。
    • ロイヤリティプログラムの強化:
      • 購入金額や来店回数に応じたポイントアップ、会員限定セール、特別イベントへの招待など、リピートしたくなるインセンティブを提供する。
      • 「〇〇マイスター制度」のような、特定のカテゴリー(例:DIY、園芸)のヘビーユーザーを認定し、特典を与える仕組み。
    • 季節イベント・ワークショップの定期開催:
      • 「春の家庭菜園教室」「夏休み親子DIY工作教室」「秋のガーデニング講座」「冬の室内リフォーム相談会」など、季節ごとに来店動機となるイベントを企画・実施。
      • これにより、目的買い以外の来店を促進し、関連商品の購入にも繋げる。
  • ② 新規顧客獲得(特に若年層・女性層)(⚪︎)施策:
    • ターゲットに合わせた商品展開と売り場作り:
      • 若年層・女性に人気のDIYキット(例:多肉植物寄せ植えキット、簡単アクセサリー作りキット)、おしゃれなデザインの園芸用品、インテリア雑貨などを拡充。
      • これらの商品をまとめた特設コーナーを設け、視覚的にアピール。カフェ風の休憩スペース併設なども検討。
    • SNS活用とインフルエンサーマーケティング:
      • InstagramやPinterest、RoomClipなどで、DIYアイデア、おしゃれなガーデニング事例、インテリアコーディネート例などを発信。
      • 地域のDIY系・ライフスタイル系インフルエンサーと連携し、商品レビューやワークショップ体験を発信してもらう。
    • 初心者向けDIY・園芸ワークショップの開催:
      • 工具の使い方、簡単な家具作り、寄せ植えの基本などを学べる体験型ワークショップを実施し、新規層の来店ハードルを下げる。
  • ③ 客単価向上(特にクロスセルとPB商品)(⚪︎)施策:
    • 関連販売の強化(クロスセル):
      • 商品陳列の工夫:塗料コーナーに刷毛やマスキングテープを、電動工具コーナーに関連アクセサリーや安全ゴーグルを配置するなど、同時購入を促すレイアウト。
      • POPやデジタルサイネージでの「合わせ買い提案」。
      • レジ横での小物(軍手、接着剤、電池など)販売強化。
    • PB(プライベートブランド)商品の開発・拡販:
      • 高頻度で購入される消耗品(土、肥料、塗料、ネジ類など)や、定番DIY用品(すのこ、カラーボックスなど)を中心に、高品質かつ低価格なPB商品を開発。
      • 利益率の改善と、顧客の囲い込み(PB目当ての来店)に繋げる。
      • 「プロも認める品質」など、訴求力のあるキャッチコピーでブランドイメージを構築。
  • ④ ECサイト強化/オムニチャネル化(⚪︎)施策:
    • オンライン注文・店舗受け取りサービスの導入・拡充: ECサイトで注文した商品を最寄りの店舗で送料無料で受け取れるようにする。特に大型商品や重量物で有効。
    • 店舗在庫のリアルタイム表示: ECサイトやアプリで各店舗の在庫状況を確認できるようにし、来店前の顧客の利便性を高める。
    • 店舗スタッフによるEC商品案内: 店舗に在庫がない商品でも、スタッフがタブレット等でECサイトの商品を案内し、その場で注文・自宅配送の手続きを行えるようにする(ショールーミング対策)。
    • DIY情報コンテンツの充実: ECサイトやアプリに、DIYのアイデア、手順解説動画、商品レビューなどを掲載し、情報収集の場としても活用してもらう。

5. 学びの抽象化、今回の問題を通じて伝えたいこと

  • 地方中堅企業の勝ち筋: 大手全国チェーンやEC専業との体力勝負を避け、地域密着による既存顧客の深掘り(LTV向上)と、ターゲットを絞った新規顧客開拓が現実的な成長戦略となる。
  • ホームセンターの提供価値の再定義: 単なる「モノ売り」から、DIYや園芸を通じた「体験」「学び」「コミュニティ」を提供する場へと進化する必要性。これにより、オンラインでは得られない付加価値を創出できる。
  • データ活用の重要性: 顧客データ(購買履歴、属性)を収集・分析し、パーソナライズされたマーケティング施策を展開することが、顧客エンゲージメント向上と売上増に不可欠。
  • オムニチャネル戦略の本質: オンラインとオフライン(店舗)を対立させるのではなく、それぞれの強みを活かし、顧客にとって最も利便性の高い購買体験を提供することが重要。

6. 差がつくポイント、元面接官からのコメント(想定)

  • 「地方中堅」の解像度: クライアントの規模感や地域特性(例:競合状況、住民の所得水準、高齢化率など)を具体的にイメージし、それに合わせた施策の優先順位や実現可能性を議論できるか。「うちの地元にもこういうホームセンターあるな」という肌感覚を活かせると良い。
  • ホームセンターならではの論点: DIY、園芸、プロ向けといったホームセンター特有の商品カテゴリーや顧客セグメントに対する理解の深さ。単なる小売業の一般論に終始していないか。
  • 施策の具体性と独自性: 「SNSをやる」だけでなく、「どのSNSで、どんな層に、何を、どうやって発信するのか」。既存のホームセンターがあまり取り組んでいない、かつ効果が期待できるようなユニークな視点(例:高齢者向けDIYサポート、地域の空き家活用DIYプロジェクト連携など)があると目を引く。
  • 定量的な意識: 各施策が売上(客数×客単価)のどの要素に、どの程度インパクトを与えるのか、概算でも良いので常に定量的な感覚を持って議論しているか。1.2倍という目標に対する各施策の貢献度合いを意識する。
  • 「アビームらしさ」の意識: クライアントに寄り添い、現実的かつ実行可能な施策を、チームで汗をかいて実現していく、というアビームの「Real Partner」としての姿勢が、提案の端々から感じられるか。IT活用や業務プロセス改善といった、アビームの得意領域に繋がるような視点もあれば尚良い。

5. アビームケース面接突破のための効果的な対策法

これまでアビームコンサルティングのファーム特徴、ケース面接の出題傾向、評価ポイント、そして具体的な例題解説を見てきました。これらを踏まえ、アビームのケース面接を突破するために、どのような対策を重点的に行うべきか、具体的な方法をご紹介します。

1. 「売上向上」ケースの徹底演習と思考の型化:

  • 最頻出テーマへの集中投資: 過去問分析でも明らかになった通り、「売上向上」はアビームのケース面接で最も出題される可能性が高いテーマです。このテーマに関しては、様々な業界(特に小売、サービス、製造)を題材に、数多くのケースをこなし、思考の引き出しを増やしておくことが最優先です。
  • 基本的な分解軸の習得: 「売上=客数×客単価」を起点に、客数を「新規顧客×既存顧客の来店頻度」、客単価を「商品単価×購入点数」などに分解し、それぞれのドライバーを深掘りする基本的な思考プロセスを体に染み込ませます。
  • 打ち手のパターン化と応用: 売上向上のための典型的な打ち手(例:新規顧客獲得のためのマーケティング施策、既存顧客LTV向上のためのCRM施策、客単価アップのためのクロスセル/アップセル戦略など)を複数ストックし、お題に応じて応用できるように訓練します。その際、なぜその打ち手が有効なのか、その背景にあるビジネスロジックを理解することが重要です。

2. BtoCビジネスへの理解と具体例のストック:

  • 身近な業界から着手: 小売・流通業(スーパー、コンビニ、アパレル、ホームセンター、ECなど)やサービス業(飲食店、ホテル、レジャー施設など)は、ビジネスモデルを理解しやすく、自分自身の消費者としての体験も活かせるため、ケース対策の初期段階で取り組むのに最適です。
  • 企業の事例研究: 成功しているBtoC企業の戦略(例:ユニクロのSPAモデル、スターバックスのサードプレイス戦略、Amazonの顧客中心主義など)や、苦戦している企業の課題について、日頃からニュースやビジネス記事を読み解き、自分なりに「なぜ成功/失敗したのか」「自分ならどうするか」を考える習慣をつけましょう。
  • 店舗訪問やサービス体験: 実際に店舗を訪れたり、サービスを利用したりする中で、「この店の強み/弱みは何か」「顧客は何を求めているか」「改善できる点はないか」といったコンサルタント的な視点で観察・分析することも、リアルなビジネス感覚を養う上で非常に有効です。

3. フェルミ推定の基礎力養成:

  • 基本的な計算構造の暗記: 市場規模推定でよく使われる「対象人口×利用率×利用頻度×単価」などの基本的な分解構造を複数パターン覚え、スムーズに立式できるようにします。
  • 主要な数値データのインプット: 日本の人口、世帯数、GDP、平均年収、スマートフォンの普及率、主要産業の市場規模といった基本的なマクロデータを頭に入れておくと、仮定を置く際の説得力が増します。
  • 短時間での概算練習: 複雑な計算は不要です。5分程度の時間制限を設け、キリの良い数字を使って、大まかな桁感を素早く捉える練習を繰り返します。重要なのは、完璧な数値ではなく、論理的な推定プロセスを示すことです。

4. 「クライアント視点」と「実行可能性」の意識:

  • 常に「誰のための施策か」を問う: 提案する施策が、クライアント(今回の場合は地方中堅ホームセンター)の置かれた状況、リソース、企業文化に合致しているか、本当に実行可能か、という視点を常に持ち続けます。
  • 理想論と現実論のバランス: 革新的なアイデアも重要ですが、それがあまりにも現実離れしていては評価されません。施策のメリットだけでなく、デメリットや実行上のハードル、必要な投資についても言及し、現実的な視点を持っていることを示します。
  • 「Real Partner」としての共感: クライアントの課題を自分事として捉え、共に解決策を模索していくという姿勢をディスカッションの中で示すことが、アビームでは特に重要視される可能性があります。

5. 模擬面接を通じた実践練習とフィードバック:

  • 思考プロセスとコミュニケーションの訓練: ケース面接対策本を読むだけでは、実践的なスキルは身につきません。実際に声に出して思考し、面接官役からの質問に答え、ディスカッションを行う経験を積むことが不可欠です。
  • 客観的なフィードバックの活用: 模擬面接を通じて、自分の思考の癖、論理の飛躍、説明の分かりにくさ、コミュニケーション上の課題などを客観的に指摘してもらい、改善に繋げます。
  • 時間配分の練習: 制限時間内に、前提確認、現状分析、仮説構築、打ち手提案、質疑応答という一連の流れをスムーズに行えるように、時間配分の感覚を養います。
  • 「アビームらしさ」の意識: 可能であれば、アビームの現役社員や内定者に模擬面接を依頼し、アビームの面接で特に見られるポイントや、好まれるコミュニケーションスタイルについてアドバイスをもらうのも有効でしょう。

Strategistsのサポート:

Strategistsでは、アビームコンサルティングを含む総合コンサルティングファームのケース面接対策として、以下のようなサポートを提供しています。

  • 体系化されたケース面接対策メソッド: 「売上向上」などの頻出テーマに対する思考の型、効果的なフレームワークの活用法、具体的な打ち手の引き出しなどを網羅的に指導します。
  • 質の高い教材と問題演習: アビームの出題傾向に合わせたオリジナルケース問題や、過去問をベースとした実践的な演習機会を提供します。
  • 個別指導によるパーソナルなフィードバック: 受講生一人ひとりの思考の強み・弱みを的確に把握し、具体的な改善点やネクストステップを提示します。
  • 模擬面接の徹底: 本番同様の緊張感の中で、思考力だけでなく、コミュニケーション能力やディスカッションスキルを総合的に高めます。

アビームのケース面接は、付け焼き刃の対策では通用しません。しかし、正しい方向性で、地道な努力を積み重ねれば、必ず突破口は見えてきます。

6. まとめ:アビーム内定を掴むために

これまで、アビームコンサルティングのファーム特徴から、ケース面接の過去問分析、評価ポイント、具体的な例題解説、そして効果的な対策法について詳述してきました。最後に、アビームの内定を掴み取るために、改めて心に留めておくべき重要なポイントをまとめます。

アビーム内定への3つの鍵:

  1. 「Real Partner」への共感と体現:
    アビームが最も大切にしている理念は「Real Partner」です。これは、単にクライアントに提言を行うだけでなく、クライアントの立場に深く共感し、真の課題解決に向けて共に汗を流し、最後まで伴走する姿勢を意味します。ケース面接においても、この「クライアント視点」と「実行可能性へのこだわり」を思考の軸に据えることが極めて重要です。机上の空論ではなく、クライアントが実際に動き出し、成果を出せるような、地に足のついた現実的な提案を心がけましょう。面接官とのディスカッションにおいても、相手の意図を汲み取り、建設的な対話を通じて共に結論を創り上げていく「協調性」を示すことが、この理念の体現に繋がります。
  2. 論理的思考力と問題解決プロセスの習熟:
    総合コンサルティングファームとして、アビームは戦略策定からシステム導入、業務改善まで幅広いサービスを提供しています。どのような案件においても、複雑な事象を構造的に捉え、本質的な課題を見抜き、論理的な道筋を立てて解決策を導き出すという、コンサルタントとしての基本的な問題解決能力が求められます。ケース面接では、特に「売上向上」のような頻出テーマにおいて、確立された思考プロセス(前提確認→現状分析→課題特定→仮説構築→打ち手提案→効果検証)をスムーズに実行できるかどうかが試されます。日々のトレーニングを通じて、このプロセスを自分のものにし、どんなお題に対しても安定したアウトプットを出せるように準備しましょう。
  3. 成長意欲とコミュニケーション能力:
    アビームは「人が財産」という考えのもと、人材育成に力を入れています。ケース面接は、現時点での完成度だけでなく、あなたの「成長ポテンシャル」を見極める場でもあります。未知の課題に対して積極的に学び、知的好奇心を持って取り組み、面接官からのフィードバックを素直に受け止め、思考を深めていく姿勢を示すことが重要です。また、どんなに優れた思考も、相手に伝わらなければ意味がありません。自分の考えを分かりやすく、簡潔かつ論理的に伝えるコミュニケーション能力、そして相手の意見を尊重し、建設的な対話ができる能力は、アビームで活躍するための必須条件です。

最後に:自信を持って、自分らしさを忘れずに

アビームコンサルティングの選考は、決して簡単なものではありません。しかし、ファームの特徴を理解し、ケース面接の傾向を掴み、正しい方向性で努力を積み重ねれば、必ず道は拓けます。

過去問の分析や例題解説はあくまで参考です。最も大切なのは、これらを通じて得た学びを自分なりに消化し、自分自身の頭で考え抜く力を養うことです。そして、面接本番では、準備してきたことを自信を持って発揮し、面接官との対話を楽しむこと。あなた自身の個性や強みを活かし、「この人と一緒に働きたい」と思わせることができれば、内定はぐっと近づくはずです。

この記事が、アビームコンサルティングへの挑戦を目指す皆さんの一助となることを心から願っています。頑張ってください!

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我々のマンツーマン指導プログラムについて

サービス開始の2022年以来、少数精鋭ではありながら、
累計で受講生の戦コン内定率が約43% (新卒約45%/既卒約40%)
(通常、戦コン志望者のうち内定を取れるのは数%程度とされます)
という驚異的な内定者輩出実績を誇る我々Strategistsが
多数の受講生の指導や教材制作を経て蓄積・言語化してきたオリジナルのノウハウを基に、本番での評価ポイントを熟知したMBB面接官経験者の視点も組み込みながら、最強のケース対策プログラムを制作しました。

我々のプログラムの最大の特長は、
ケース面接初心者苦手意識のある方であっても
再現性高く最短距離で最高峰(内定レベル)のケース力
を習得することができる点です。

実は我々のお客様の63%は入会時点で
「一才対策はやってない」or「市販の書籍を読んだ程度」
「初心者」ないし「初級」のお客様です。

再現性高く、最短距離で、内定を取れる理由

最高のケース面接対策プログラムの設計を始めたとき、
我々のチームが最初に考えたのが
「理想的な上達プロセス」についてでした。

スポーツでも勉強でも、何か新しいことを始めるとき
「最短距離で最高峰を目指そう!」と思ったら
どういうやり方をするのが正解なのだろうか?
それについて考えるところから始まりました。

結論、我々が辿り着いた答えは
①学習する:プロから正しく学ぶ
②練習する:繰り返し練習し学んだことを自分の体に染み付かせる
③実践する:実践で到達度や課題を明確化する
→①②に戻る
というサイクルを回すことが
「理想的な上達プロセス」
なのではないか?ということでした。

そこで、この「理想的な上達プロセス」に沿う形で
さまざまな教材・トレーニングメニューを綿密に設計・用意し
「内定レベルのケース面接」を最短距離で習得できるカリキュラムが完成しました。

プログラムの全体像はこちらです。

①正しく学ぶ

Strategistsのオリジナル教材、教科書・動画講座を使って
必要な思考法や知識を体系的にインプットしていただきます。

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②反復練習で定着:課題ケース演習

厳選した良問を、自主課題としてメンターが指定。
時間制限を設けず熟考する形式で自主演習し、
さらに専用フォームに筆記ケース形式でアウトプットしていただきます。
教科書や動画講座で学んだ思考法や知識を思い返しながら
実際の過去問を題材に試行してみる。
あなたの思考力が”変わる・鍛えられる”のが
このトレーニングの役割です。

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③実践&現状把握:模擬ケース面接

専属メンターと模擬面接を実施。
詳細なフィードバックをもらうことで
現状を把握し、弱点・課題を発見できるのはもちろん
内定レベルの解答例や思考のポイントなど
1問を題材に「次に活かせる」学びを詳しく解説します。

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メンタリングの質へのこだわり

皆さんは『メンタリングの質』というものについて考えたことはありますか?我々は『問題を解き→フィードバックをもらい→模範解答を見る』というプロセスを経ての成長幅こそが『メンタリングの質』だと考えています。

『メンタリングの質』はメンターの質はもちろん、扱う問題と模範解答の質によって決まると考えており、我々のサービスでは厳選された問題からしか出題を行いません。メンタリングでの使用を構想してから実際にお客様にお出しする「デビュー」までに数ヶ月かかることも多いです。

我々はケース対策における「良問」を
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