フェルミ推定対策

Strategy&のフェルミ推定対策|空飛ぶクルマの2050年国内市場規模を最後まで推定する

空飛ぶクルマの2050年の市場規模のように、まだ実績の数字がない問題を出されると、どこから手をつければよいのか迷ってしまうものです。

こうした将来予測のフェルミ推定では、市場の範囲と時点を自分で決め、仮定ごとに理由を添え、出した数字を別の方法で確かめるまでを面接官に話せるかが問われます。答えの数字を覚えるより、仮定の理由を言葉にする練習から始めましょう。

こちらでは、市場規模の範囲の決め方、仮定の置き方と計算、出した数字の確かめ方と練習の進め方について解説します。

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Strategy&の選考に向けて空飛ぶクルマの市場規模で将来予測の問題を練習する

今ある数を推定する問題に慣れた方も、空飛ぶクルマのような将来予測の問題では、自分で決める前提と面接で聞かれることが変わります。例題に入る前に、その違いを確認しましょう。

空飛ぶクルマの問題は時点と普及の段階を自分で決める将来予測のフェルミ推定になる

今ある数を推定する問題なら、答えを出した後に、公表されている数と比べられます。空飛ぶクルマの2050年の市場規模にはまだ比べる数がないため、2050年にどこまで普及しているかも、解く人が自分で決めなければなりません。

新しい事業に参入するかを考えるケースでは、その市場がどれほど大きくなりそうかをケース面接の途中で見積もるよう求められることがあります。空飛ぶクルマの問題は、こうした将来の市場を見積もる練習の題材として使えます。Strategy&の選考で同じ題が出るとは限らないので、答えの数字を覚えるより、解き方を身につける1問として解いてください。

面接では仮定の理由と結果の確かめ方を聞かれる

正解の数字がない問題では、答えの大きさを比べても良し悪しを決められません。そのため面接では、仮定ごとにその値にした理由と、出した数字の確かめ方を説明できるかが問われます。

新しい事業を始めるかを検討する初期の段階では、戦略コンサルタントも手元の限られた情報から市場の大きさを概算することがあります。クライアントがその数字をもとに判断する以上、仮定ごとの理由まで説明できることが欠かせません。この後の例題は、答えの数字より、仮定ごとに添えた理由と最後の確かめ方に注目して読み進めましょう。

計算を始める前に市場規模の範囲と2050年の使われ方を面接官と確かめる

問題を聞いてすぐ計算に入ると、何を市場に含めるかが決まらず、式を立てられません。まずは範囲と2050年の使われ方を決め、面接官に伝えましょう。

市場規模を国内で1年間に売れる機体の販売額に絞る

空飛ぶクルマの市場規模と言っても、機体の販売額だけを数えるのか、運航サービスの売上や整備・離着陸場にかかる費用まで含めるのかで、立てる式が変わります。この例題の市場規模は、2050年の1年間に日本国内で売れる機体の販売額で、運航サービスの売上や整備・離着陸場の費用は入っていません。

範囲を機体の販売額に絞ると、式は売れる機体の台数に1機の値段を掛けるだけになります。範囲を決めないまま計算を始めると、途中で運航サービスの売上を足すべきか迷い、式を立て直すことになりかねません。計算に入る前に、どこまでを市場規模に含めるかを面接官に伝え、違う範囲を想定していないかを確かめましょう。

国のロードマップの予定から2050年の空飛ぶクルマの使われ方を考える

国が示している空飛ぶクルマの予定を手がかりにすると、2050年の使われ方を仮定できます。商用運航は、2027年から2028年に一部地域で始まる予定です。2030年代前半に遠隔操縦で旅客を運ぶ運航を、2030年代後半に自動・自律運航の一部を実現する予定も示されています。

期待されている使い道には、都市部や離島・山間部での新しい移動手段、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送が挙げられています。2050年にどこまで使われているかの見方は、人によって分かれるでしょう。この例題では、事業者が旅客と物資の輸送に使い、一部の個人も機体を持っている状態を2050年の前提とします。事業者と個人の両方が機体を持つと決めたことで、次に立てる式でも、保有台数を2つに分けて考えることになります。

出典:経済産業省「「空の移動革命に向けたロードマップ」を改訂しました」

市場規模を年間の販売台数と機体単価に分けて式を立てる

市場規模を機体の販売額に絞ったら、次は数字を仮定できる要素まで式を分けます。保有台数を事業者と個人のどちらから考えるかも、この段階で決めておきましょう。

年間の販売台数を保有台数と使用年数から求める

空飛ぶクルマの市場規模は、年間の販売台数に機体単価を掛けると求められます。ただ、2050年の1年間に売れる機体の数には、いきなり見当をつけられません。保有されている機体が使用年数(買い替えまでの年数)ごとに買い替えられると考えると、保有台数を使用年数で割った数が1年間に売れる台数になります。

この式は、保有台数がほぼ横ばいで、売れる機体が買い替えの分だけという前提で成り立ちます。保有台数が増え続けている段階なら、新しく買う分も販売台数に加わる点に注意が必要です。面接では、この前提を式と一緒に伝えておきましょう。

保有台数を事業者と個人に分けて考える

事業者と個人とでは、空飛ぶクルマを持つ理由も、機体の数の決まり方も違います。事業者の機体の数は運ぶ人や物の量で決まり、個人の機体の数は機体を持てる人の多さで決まるためです。そのため、保有台数を事業者と個人に分けると、それぞれに理由を添えた仮定を置けます。

事業者の機体のうち、旅客を運ぶ機体は利用回数から出せますが、救急搬送や物資輸送に使う機体は旅客の分に対する割合で考えられます。分け方を決めたら、紙に「市場規模=(事業者の保有台数+個人の保有台数)÷使用年数×機体単価」と書いてから数字を入れてください。

2050年の人口推計をもとに仮定を置いて市場規模を計算する

式ができたら、公表されている2050年の人口推計を出発点に数字を入れていきます。公表値と自分の仮定を分けて示せば、面接官もどこが仮定かを追えます。人口以外の数字はすべて練習のための仮定で、実測値や予測値ではありません。

事業者の保有台数を利用回数と1機が運べる人数から出す

例題の出発点には、2050年の日本の総人口の推計を使います。国立社会保障・人口問題研究所の出生中位(死亡中位)推計では、2050年10月1日の総人口(外国人を含む)は約1億469万人です。例題では、計算しやすいようにこれを約1億人に丸めて使います。

旅客の利用は、毎日の通勤に使うほどには広がっていないと考え、1人あたり年0.6回、つまり10人のうち6人が年に1回乗る程度と仮定します。この回数は、都市部の移動や空港へのアクセス、離島・山間部の移動、観光の遊覧を合わせた数です。1億人に0.6回を掛けると、旅客の利用は年6,000万回です。

機体は少人数を乗せて何度も往復すると考え、旅客用の1機は1日10便、年300日飛び、1便に平均2人を乗せると仮定します。10便に300日と2人を掛けると、1機が1年間に運べる人数は6,000人です。年6,000万回の利用を6,000人で割ると、旅客用の機体は1万機になります。

救急搬送や物資輸送に使う機体は、旅客ほど需要が多くないと考え、旅客用の2割と仮定します。1万機に2割を掛けた2,000機を足すと、事業者の保有台数は1.2万機です。面接では、割合を仮定するたびにこうした理由を1文で添えて話しましょう。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2026年版)表1-5 総人口,人口増加,性比および人口密度の将来推計:2020~70年」

個人の保有台数を人口に占める割合から仮定する

空飛ぶクルマを個人で持つ人は、小型の航空機を個人で持つ人が限られていることから、ごく少ないと考えられます。例題では、1万人に1人が機体を持つと仮定します。約1億人を1万人で割ると、個人の保有台数は1万機です。

事業者の1.2万機と個人の1万機を足すと、2050年の保有台数は2.2万機になります。個人の分は保有台数の半分近くを占めるため、1万人に1人とした理由は面接官から尋ねられることがあります。裕福な世帯の数から考えるなど、別の理由でも同じ割合を説明できるかを確かめてください。

使用年数と機体単価を仮定して2050年の市場規模を計算する

機体の使用年数は、車や航空機と同じく何年も使い続ける乗り物だと考え、10年と仮定します。2050年には保有台数がほぼ横ばいで、売れる機体は買い替えの分だけとします。2.2万機を10年で割ると、年間の販売台数は2,200機です。

機体単価は、機体メーカーの公式の価格を確かめられないため、練習のために1機2億円と仮定します。2,200機に2億円を掛けると、2050年の市場規模は4,400億円になります。この4,400億円は仮定を重ねて出した一つの推定で、正しい値として示すものではありません。

面接では、答えの数字を言った後に、使用年数を10年、単価を2億円とした理由まで続けて話しましょう。

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計算した市場規模を別の方法と仮定の動かし方で確かめる

市場規模を出したら、その数字が大きく外れていないかを確かめます。将来の実績とは比べられないので、別の方法で計算し直した数や調査会社の予測と比べ、見直す仮定を絞り込みましょう。

離着陸場の数から旅客用の機体数を出し直して比べる

旅客用の機体の数を別の方向から出し直すと、利用する人の数から出した1万機が大きくずれていないかを確かめられます。例題では需要側から機体の数を出したので、今度は機体が拠点を置く離着陸場の側から数え直してみましょう。離着陸場が全国に2,000か所あり、1か所に5機が拠点を置くと仮定します。

2,000か所に5機を掛けると1万機で、需要側から出した旅客用の1万機とそろいます。ただし、2,000か所や5機も練習のための仮定で、数がそろったことが正しさを示すわけではありません。別の方法で出した数が大きくずれていれば、そのずれが、利用回数と1機が運べる人数のどちらかの仮定を見直す手がかりになります。

仮定を1つずつ2倍にして結果を大きく動かす仮定を見つける

仮定を1つずつ2倍にして市場規模の変わり方を比べると、面接で理由を詳しく話せるようにしておく仮定が分かります。使用年数と機体単価は値を半分にした場合で比べると、結果は次のとおりです。

  • 使用年数を10年から5年にした場合は年4,400機で8,800億円(2倍)
  • 機体単価を2億円から1億円にした場合は2,200億円(半分)
  • 利用回数を1.2回にした場合は保有台数3.4万機で6,800億円(約55%増)
  • 個人の保有を2万機にした場合は保有台数3.2万機で6,400億円(約45%増)

使用年数と機体単価は市場規模を出す式に直接入る値なので、変えた幅がそのまま結果に出ます。利用回数を1.2回にしても、旅客用は2万機、旅客以外は4,000機で、個人の1万機を足した保有台数は3.4万機にとどまります。利用回数と個人の保有は保有台数の一部にしか関わらないので、2倍にしても結果の増え方は約55%と約45%です。

結果を最も大きく動かす使用年数と機体単価については、なぜその値にしたかを特に詳しく話せるようにしておきましょう。

2050年も保有台数が増えているなら新しく買う分を足す

例題では2050年の保有台数をほぼ横ばいと仮定しましたが、その頃もまだ機体が増え続けているという見方もできます。保有台数が年5%ずつ増えていると仮定すると、2.2万機に5%を掛けた1,100機が新しく買われる分です。買い替えの2,200機に1,100機を足すと年3,300機で、市場規模は6,600億円になります。

保有台数が横ばいか増え続けているかという前提も、使用年数や機体単価と同じく、市場規模を大きく左右する仮定に数えられます。

調査会社の世界市場の予測と比べるときは対象と地域をそろえる

例題の4,400億円を調査会社の予測と比べるときは、予測が何を数え、どの地域の値なのかを先に確かめましょう。矢野経済研究所は、空飛ぶクルマの世界市場規模が、安定期と考えられる2050年頃に180兆円を超えると予測しています。この予測はメーカー販売金額ベースの機体のみの値で、操縦士が乗る機体も含んでいます。

機体のみを数える点は例題の範囲とそろっていても、予測は世界全体の値なので、そのままでは例題と比べられません。日本が世界の機体市場に占める比率を3%と仮定すると、180兆円に3%を掛けた5.4兆円が日本の分になります。例題の4,400億円と比べると、約12倍の差があります。

差の原因は、例題で利用回数や1機の1日の便数、機体単価を低く仮定したことにあるのかもしれません。日本の比率を3%とした仮定が低すぎる可能性もあります。どれが正しいかを決めるより、どの仮定を疑うかとその理由を面接官に説明する練習に使いましょう。

出典:矢野経済研究所「空飛ぶクルマ世界市場に関する調査を実施(2023年)」

仮定の理由を聞かれても答えられるように例題を解き直す

面接では、仮定の理由を聞かれたらその場で自分の言葉で答えなければなりません。まずは一人で解き直して理由を言えるか確かめ、その後に第三者に質問してもらう練習をしましょう。

仮定ごとの理由を1文で声に出して言えるか確かめる

例題の仮定を1つ自分の数字に替えて解き直すと、自分が仮定の理由を言えるかどうかが分かります。解き直すときは市場規模の範囲を決めるところから始め、仮定を置くたびに「なぜその値か」を1文で声に出して録音しましょう。

聞き返すと、理由を言えずに黙った箇所や、説明が飛躍した箇所に気づけます。範囲を決めずに計算を始めた箇所や、検算を省いた箇所がないかも、同じ録音で確かめてください。

第三者に仮定の理由を質問してもらい答える練習をする

一人で録音を聞き返しても、面接官がどの仮定に疑問を持つかまでは確かめられません。仮定をいくつも重ねる問題では、理由の弱い仮定ほど本人には自然な数字に思えてしまいます。そこでStrategistsは、面接官役の質問に答えながら実戦形式で解き、その場で客観的なフィードバックを受ける練習を勧めています。

経験者や友人に面接官役を頼み、例題を声に出して解きながら、仮定ごとに「なぜその値なのか」と質問してもらいましょう。結果を大きく動かす使用年数と機体単価の理由に質問を重ねてもらうと、理由が足りない箇所に気づけます。答えに詰まった質問は書き出し、次に解き直すまでに、その質問に答えられる理由を考えておいてください。

その他のフェルミ推定対策のコツや押さえておくべきポイントは、Strategistsが無料で公開しているフェルミ推定の教科書でご確認ください。

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別の新しい乗り物の題材でも前提の確認から検算まで解く

例題の手順が身についたら、新しい乗り物やサービスの市場規模も1問解いてみましょう。自動運転のタクシーや配送用のドローンのように、まだ広く使われていない題材なら、空飛ぶクルマと同じく時点と普及の段階を自分で決める必要があります。今どこで試験的に使われているかなど、その分野の基本的な情報を知っているほど、仮定の理由を具体的に言えるでしょう。

新しい題材でも、範囲を決め、式を分け、仮定ごとに理由を添え、最後に別の方法と仮定を2倍にする方法で確かめる順に解いてください。

まとめ

将来の市場規模を問うフェルミ推定では、どの数字も仮定から出るため、答えの大きさより、結果を大きく左右する仮定を自分で見つけられるかで説明の説得力が変わります。空飛ぶクルマの例題でも、4つの仮定を変えて比べるだけで、理由を固めておく仮定を使用年数と機体単価に絞れました。

使用年数か機体単価を自分で決めた値に替え、その理由を声に出しながら市場規模を計算し直してみましょう。正解のない問題だからこそ、仮定の理由を自分の言葉で話せることが面接官を納得させる材料になります。

本記事のテーマを頭で理解しても、実際のケース面接で使いこなせるかどうかは別問題です。
「示唆が出せない」「分析が浅い」といった課題は独学では気づきにくく、放置すると本番まで改善されないまま終わることも少なくありません。

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再現性高く、最短距離で、内定を取れる理由

最高のケース面接対策プログラムの設計を始めたとき、我々のチームが最初に考えたのが「理想的な上達プロセス」についてでした。

スポーツでも勉強でも、何か新しいことを始めるとき「最短距離で最高峰を目指そう!」と思ったらどういうやり方をするのが正解なのだろうか?それについて考えるところから始まりました。

結論、我々が辿り着いた答えは
①学習する:プロから正しく学ぶ
②練習する:繰り返し練習し学んだことを自分の体に染み付かせる
③実践する:実践で到達度や課題を明確化する
→①②に戻る
というサイクルを回すことが「理想的な上達プロセス」
なのではないか?ということでした。

そこで、この「理想的な上達プロセス」に沿う形でさまざまな教材・トレーニングメニューを綿密に設計・用意し「内定レベルのケース面接」を最短距離で習得できるカリキュラムが完成しました。

プログラムの全体像はこちらです。

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Strategistsのオリジナル教材、教科書・動画講座を使って必要な思考法や知識を体系的にインプットしていただきます。

教科書・動画講座による体系的インプット

②反復練習で定着:課題ケース演習

厳選した良問を、自主課題としてメンターが指定。時間制限を設けず熟考する形式で自主演習し、さらに専用フォームに筆記ケース形式でアウトプットしていただきます。教科書や動画講座で学んだ思考法や知識を思い返しながら、実際の過去問を題材に試行してみる。あなたの思考力が”変わる・鍛えられる”のが、このトレーニングの役割です。

課題ケース演習の流れ

③実践&現状把握:模擬ケース面接

専属メンターと模擬面接を実施。詳細なフィードバックをもらうことで現状を把握し、弱点・課題を発見できるのはもちろん、内定レベルの解答例や思考のポイントなど、1問を題材に「次に活かせる」学びを詳しく解説します。

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