戦略コンサルのケース面接で「〇〇の市場規模を推定してください」と言われた瞬間、何から手をつければよいか迷ってしまう方は少なくないのではないでしょうか。
市場規模のフェルミ推定は、基本の解法手順に加えて「市場規模ならではの型」を持っておくと、迷わず組み立てられるようになります。需要側と供給側のどちらから攻めるか、市場をどの粒度で定義するかによって、進め方も検証のしやすさも大きく変わるためです。
この記事では、需要側・供給側アプローチの使い分け、商材タイプ別の分解パターン、市場の定義と粒度の考え方を軸に、実際の統計値と照合する例題まで交えて解説します。
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※少数精鋭での運営のため、枠が埋まり次第締め切ります。
1. フェルミ推定で「市場規模」が問われる理由
戦略コンサルのケース面接で市場規模が問われるのは、単に計算力を測るためではありません。面接官が何を評価しているのか、市場規模というお題がビジネスの現場でどう使われているかを押さえると、対策すべきポイントが具体的になります。
面接官が見ているのは「構造化力」
面接官は、限られた手がかりから市場をどう定義し、どんな要素に分解して数値を組み立てるかという構造化力を見ています。電卓が使えれば解ける問題であれば、ケース面接でわざわざ出題する意味がありません。答えの定まっていない対象に、自分なりの切り口で輪郭を与えられるかどうかを試す題材として、市場規模というお題が使われています。
新規事業検討や海外展開における位置づけ
市場規模の推定は、新規事業への参入検討や海外展開の初期段階で使われる分析の入り口です。フェルミ推定のなかでも市場規模系の問題は、概算の練習にとどまらず、コンサルタントとしての基礎体力を測る問題として位置づけられます。
実務でも、案件の初期フェーズでまず市場規模のアタリをつけてから詳細な分析に進む場面は珍しくありません。面接での出題は、こうした実務の入り口を疑似的に体験する機会でもあります。
評価を分けるのは「前提の置き方」
面接で評価されるのは、最終的な数値の正確さよりも、前提の置き方と分解の筋の良さです。同じお題でも、需要側から攻めるか供給側から攻めるかで、思考の見せ方は大きく変わります。この判断軸をどう使い分けるかが、市場規模のフェルミ推定における最初の分かれ道になります。
フェルミ推定対策について詳しく知りたい方は、Strategistsが無料で公開しているフェルミ推定の教科書をご覧ください。
2. 市場規模推定の2大アプローチ|需要側と供給側の使い分け
戦略コンサルの市場規模推定では、需要側アプローチと供給側アプローチという2つの型を使い分けます。それぞれの考え方と、どちらを選ぶべきかの判断軸を解説します。
需要側アプローチ|利用者数と単価から積み上げる
需要側アプローチは、その商品・サービスを使う人の数と、1人あたりの利用量・単価を掛け合わせて市場規模を積み上げる方法です。人口統計を起点にできるため、国内市場全体のようなマクロな対象を推定するときに使いやすいアプローチです。人口や世帯数といった統計は公的機関の数値を引用しやすく、仮定の根拠を面接官に説明しやすい点も需要側アプローチのメリットです。
供給側アプローチ|事業者数と供給量から積み上げる
供給側アプローチは、その商品・サービスを提供する事業者の数と、1事業者あたりの供給量・売上を掛け合わせる方法です。店舗数や事業者数といった供給側の統計が手に入りやすい、ミクロな対象を推定するときに向いています。特定エリアの店舗数や、業界内の事業者数が把握しやすいお題では、需要側よりも精度の高い仮定を置きやすくなります。
使い分けの判断軸|マクロなら需要側、ミクロなら供給側
どちらを選ぶかの判断軸は単純です。マクロな市場規模を問われたら需要側、店舗単位や特定エリアなどミクロな対象を問われたら供給側を軸に組み立てると、分解の筋が良くなります。両方のアプローチで概算し、数値を突き合わせて検証する進め方も有効です。
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3. 市場規模を解く5つのステップ|前提確認から検証まで
市場規模のフェルミ推定は、行き当たりばったりに数字を当てはめるのではなく、決まった手順で組み立てると精度と説得力が上がります。ここでは基本となる5つのステップを解説します。
ステップ1. 前提確認
「市場規模」というお題を受け取ったら、いきなり計算に入る前に、対象範囲をどこまでとするかを面接官とすり合わせましょう。国内か海外か、上流の原材料まで含むか、隣接するサービスは含むかといった対象範囲の確認が、後の分解の精度を左右します。
ステップ2. 要素分解
対象範囲が定まったら、需要側または供給側のアプローチに沿って、市場規模を掛け算の形に分解します。人口×利用率×単価のように、掛け算の式として表現できる形に落とし込むことが、この工程のゴールです。
ステップ3. 仮定設定
分解した各要素に、根拠のある数値を当てはめましょう。人口や世帯数など公的統計で裏付けられる数値は積極的に使い、感覚に頼る部分は「〇〇程度と仮定します」と明示すると、根拠のある数値であることが面接官に伝わりやすくなります。
ステップ4. 計算
設定した仮定値を掛け合わせ、実際に数値を算出しましょう。桁数を都度声に出して確認する手順を挟むと、計算ミスによる大きなズレを防げます。
ステップ5. 検証・回答
最後に、算出した数値が常識的な水準から大きく外れていないかを確認しましょう。既知の統計値や身近な感覚と照らし合わせる検証の一手間が、フェルミ推定の説得力を大きく左右します。
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4. 商材タイプ別・市場規模の分解パターン
需要側・供給側という大枠を押さえたうえで、商材のタイプによって使いやすい分解の型は変わります。商材タイプ別に、分解パターンを4つ紹介します。
消費財(缶ジュース・洗剤など)
日常的に消費されるモノは、利用者数×消費頻度×単価という需要側の式で分解します。人口や世帯数を起点に、対象となる消費者層の割合を掛け合わせると、市場規模の骨格ができます。
耐久財(自動車・家電など)
自動車や家電のように長期間使われるモノは、保有台数×買い替えサイクル、または新規購入と買い替えを分けて分解する方法が使いやすくなります。年間の新規需要は、保有台数を平均使用年数で割ることでも近似できます。
サービス(美容室・フィットネスなど)
役務提供型の商材は、利用者数×利用頻度×客単価で分解します。店舗単位で考える場合は供給側アプローチに切り替え、店舗数×1店舗あたりの売上で積み上げる方法も有効です。
BtoB商材(法人向けシステムなど)
法人向けのシステムやサービスは、個人の人口ではなく対象となる企業数を起点に分解します。業界内の企業数×導入率×契約単価という式に落とし込むと、法人特有の市場構造を反映できます。
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5. 市場の「定義」と「粒度」で答えが変わる|TAM/SAM/SOMの視点
市場規模のフェルミ推定でつまずきやすいのは、計算そのものよりも「どこまでを市場と定義するか」という粒度の設定です。同じお題でも、市場の範囲の取り方次第で答えは桁単位で変わります。粒度をとらえる枠組みと、面接での使い方を解説します。
TAM・SAM・SOMとは|市場の粒度をとらえる枠組み
この粒度の考え方を整理する枠組みとして、マーケティングの分野で使われるTAM・SAM・SOMがあります。
- TAM(Total Addressable Market):理論上の最大市場
- SAM(Serviceable Available Market):最大市場のなかで実際に狙えるターゲット市場
- SOM(Serviceable Obtainable Market):自社が現実的に獲得できる市場
3つの階層は、範囲を広くとるほど数値が大きくなり、狭くとるほど数値が小さくなるという関係にあります。市場規模のお題で人によって答えの桁が変わってしまうのは、多くの場合この階層のどこを計算しているかがずれているためです。
ケース面接での使い方|略語より「どの粒度か」を示す
ケース面接でこの3つの略語を使うこと自体が評価されるわけではありません。重要なのは、「市場規模」という問いに対して、自分がどの粒度の市場を計算しているかを面接官に示せるかどうかです。対象範囲を曖昧にしたまま計算を進めると、後の検証段階で数値のズレの原因を説明できなくなります。
「国内全体を対象に計算します」のように、自分がどの階層を対象にしているかを一言添えるだけで、分解の見通しの良さが伝わりやすくなります。
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6. 例題で見る解答プロセス|推定値と実際の統計を照合する
需要側アプローチを使った2つの例題を通じて、推定値と実際の統計値を照合するプロセスを確認しましょう。
例題1. 国内の新車販売台数
国内の新車販売台数を、需要側アプローチで概算します。日本の世帯数を仮に5000万世帯と仮定し、そのうち8割の世帯が自動車を保有すると仮定すると、保有世帯数は4000万世帯になります。平均使用年数を8年と仮定すると、年間の新規需要は4000万世帯÷8年で500万台程度と概算できます。
実際の2024年の国内新車販売台数は、登録車と軽自動車を合わせて約442万台です。世帯当たりの保有率と買い替えサイクルという分解の骨格は、概算値と実際値が近い水準にあることから、大きく外れていないと確認できます。
例題2. 国内のスマートフォン出荷台数
同様に需要側アプローチで、国内のスマートフォン出荷台数を概算します。日本の人口を仮に1億2000万人と仮定し、スマートフォン保有率を8割とすると、保有台数は9600万台になります。平均の買い替えサイクルを4年と仮定すると、年間の新規需要は9600万台÷4年で2400万台程度と概算できます。
実際の2024年の国内スマートフォン出荷台数は、約2800万台から3000万台程度とされます。概算値の2400万台程度と近い水準にあり、人口×保有率÷買い替えサイクルという分解が有効なことがわかります。
出典:MM総研 国内携帯電話端末出荷統計/IDC Japan プレスリリース
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7. 市場規模推定でよくある失敗と減点ポイント
市場規模のフェルミ推定では、同じような失敗パターンが繰り返し見られます。代表的な失敗を型として押さえておくと、本番での減点を避けやすくなります。
市場の定義をすり合わせずに計算へ進んでしまう
まず押さえておきたいのは、「市場規模」というお題を受け取った直後、対象範囲を面接官とすり合わせないまま計算に入ってしまう失敗です。
対象範囲の設定を曖昧にしたまま数値を組み立てると、後になって「その市場はどこまで含むのか」と問われたときに答えに詰まってしまいます。国内か海外か、隣接領域を含むかといった前提は、計算に入る前の数秒で面接官とすり合わせておきます。
需要側・供給側の数値を突き合わせずに結論を出してしまう
需要側と供給側のどちらか一方だけで計算し、突き合わせをせずに結論としてしまう失敗もあります。
片方のアプローチだけで押し通すと、仮定の置き方に偏りがあっても気づきにくくなります。両方のアプローチで概算し、数値の水準が近いかどうかを確認する一手間が、説得力を大きく左右します。
根拠のない仮定を勢いで当てはめてしまう
仮定の数値に根拠を示さず、勢いだけで数字を当てはめてしまう失敗も見られます。
人口や世帯数のように公的統計で裏付けられる数値を使わずに、感覚だけで仮置きしてしまうと、面接官から「その数字はどこから来たのか」と問われたときに答えに窮してしまいます。
検証をせずに数値をそのまま回答してしまう
算出した数値の妥当性を確認しないまま、そのまま回答としてしまうケースもあります。
既知の統計値や身近な感覚と照らし合わせる検証の一手間を省くと、桁違いの数値であっても気づけないまま面接官に伝えてしまいます。これら4つの失敗に共通するのは、分解の根拠を面接官に説明できていない点です。数値そのものよりも、なぜその仮定を置いたか、なぜその式で分解したかを言葉にできるかどうかが、評価の分かれ目になります。
その他のフェルミ推定対策のコツや押さえておくべきポイントは、Strategistsが無料で公開しているフェルミ推定の教科書でご確認ください。
8. 独学の限界と実戦練習|口頭で市場規模を説明しきる力
市場規模のフェルミ推定は、型を理解するだけでは面接本番で再現できるとは限りません。1人で練習していると、自分の分解が本当に筋が良いのか、仮定の置き方が甘くないかを客観的に判断しにくいという壁にぶつかります。
本番のケース面接は、紙に書いて提出する試験ではなく、面接官と対話しながら思考過程を口頭で説明しきる場です。自分では気づきにくい説明の飛躍や仮定の甘さは、第三者からのフィードバックを受けてはじめて見えてくることが多くあります。
模擬面接を通じて実戦形式で練習を重ねると、限られた時間のなかで前提確認から検証までを一通り説明しきる感覚が身についていきます。
まとめ
市場規模のフェルミ推定は、需要側と供給側というアプローチの使い分け、商材タイプ別の分解パターン、市場の定義・粒度という3つの視点を押さえると、体系的に対策できます。本記事で紹介した5つのステップと例題を土台に、実際に手を動かして練習してください。頭で理解した型を、口頭で説明しきる力に変えていくことが、本番での得点につながります。
本記事のテーマを頭で理解しても、実際のケース面接で使いこなせるかどうかは別問題です。
「示唆が出せない」「分析が浅い」といった課題は独学では気づきにくく、放置すると本番まで改善されないまま終わることも少なくありません。
Strategistsでは、MBB内定者・出身者によるマンツーマンの模擬ケース面接指導を提供しています。
初回メンタリング(60分)は無料で受講可能です。
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我々のマンツーマン指導プログラムについて
2025年4月〜2026年3月の入塾者100名以上のうち、受講を修了して転職活動を実施した方の戦略コンサル転職成功率は61%。そのうち8割が外資戦略ファームTier1・2(McK/BCG/Bain/Kearney/S&/ADL/RB)への転職を実現しています。(通常、戦コン志望者のうち内定を取れるのは数%程度とされます)
※戦略コンサル転職成功率61%は、2025年4月〜2026年3月の入塾者100名以上のうち、受講を修了し転職活動を実施した方を対象とした数値です(当社調べ)。
支援範囲は未経験からの転職からMUPまで幅広く、新卒向けの戦略コンサル特化就活塾においても業界トップレベルの実績を挙げています。
こうした実績を積み重ねてきた我々Strategistsが、多数の受講生の指導や教材制作を経て蓄積・言語化してきたオリジナルのノウハウを基に、本番での評価ポイントを熟知したMBB面接官経験者の視点も組み込みながら、最強のケース対策プログラムを制作しました。
我々のプログラムの最大の特長は、
・ケース面接初心者や苦手意識のある方であっても
・再現性高く、最短距離で、最高峰(内定レベル)のケース力
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実は我々のお客様の63%は入会時点で
「一切対策はやってない」or「市販の書籍を読んだ程度」
の「初心者」ないし「初級」のお客様です。
再現性高く、最短距離で、内定を取れる理由
最高のケース面接対策プログラムの設計を始めたとき、我々のチームが最初に考えたのが「理想的な上達プロセス」についてでした。
スポーツでも勉強でも、何か新しいことを始めるとき「最短距離で最高峰を目指そう!」と思ったらどういうやり方をするのが正解なのだろうか?それについて考えるところから始まりました。
結論、我々が辿り着いた答えは
①学習する:プロから正しく学ぶ
②練習する:繰り返し練習し学んだことを自分の体に染み付かせる
③実践する:実践で到達度や課題を明確化する
→①②に戻る
というサイクルを回すことが「理想的な上達プロセス」なのではないか?ということでした。
そこで、この「理想的な上達プロセス」に沿う形でさまざまな教材・トレーニングメニューを綿密に設計・用意し「内定レベルのケース面接」を最短距離で習得できるカリキュラムが完成しました。
プログラムの全体像はこちらです。
①正しく学ぶ
Strategistsのオリジナル教材、教科書・動画講座を使って必要な思考法や知識を体系的にインプットしていただきます。

②反復練習で定着:課題ケース演習
厳選した良問を、自主課題としてメンターが指定。時間制限を設けず熟考する形式で自主演習し、さらに専用フォームに筆記ケース形式でアウトプットしていただきます。教科書や動画講座で学んだ思考法や知識を思い返しながら、実際の過去問を題材に試行してみる。あなたの思考力が”変わる・鍛えられる”のが、このトレーニングの役割です。

③実践&現状把握:模擬ケース面接
専属メンターと模擬面接を実施。詳細なフィードバックをもらうことで現状を把握し、弱点・課題を発見できるのはもちろん、内定レベルの解答例や思考のポイントなど、1問を題材に「次に活かせる」学びを詳しく解説します。

メンタリングの質へのこだわり
皆さんは『メンタリングの質』というものについて考えたことはありますか?我々は『問題を解き→フィードバックをもらい→模範解答を見る』というプロセスを経ての成長幅こそが『メンタリングの質』だと考えています。
『メンタリングの質』はメンターの質はもちろん、扱う問題と模範解答の質によって決まると考えており、我々のサービスでは厳選された問題からしか出題を行いません。メンタリングでの使用を構想してから実際にお客様にお出しする「デビュー」までに数ヶ月かかることも多いです。
我々はケース対策における「良問」を
・得られる学びが深くて多い
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・これまでのお題とも次回以降のお題とも被らない新たな学びがある
と定義しています。各問題が単に「マッキンゼー対策」「公共系」のような表面的なジャンル分けにとどまらず、「BSとPLの構造理解」「”実現可能性とインパクト”の落とし穴」「サブスク事業のキードライバー」など裏テーマが設定してあります。
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