【MBB内定者が解説!】高難易度フェルミ推定に挑戦!ケース面接過去問解説シリーズ②

「戦略コンサルティングファームのケース面接、特にMBBレベルでは、『経済効果』を推定するような、一見掴みどころのないフェルミ推定が出題されるって本当?」
「経済効果って、具体的に何をどう計算すればいいんだろう…? そして、その効果をさらに高める施策なんて、どう発想すればいいの?」

戦略コンサル、特にMBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)を目指す皆さんにとって、フェルミ推定とそれに続くケース面接は避けて通れない、そして思考の真価が問われる選考プロセスです。前回のシリーズ①では、海外の特定製品の生産量というニッチなテーマを扱いましたが、今回はよりマクロで、多岐にわたる要素が絡み合う「経済効果」の推定と、その向上施策という高難易度な課題に挑戦します。

この記事では、実際にMBBの内定を獲得した筆者が、過去に出題された「甲子園大会の経済効果」というテーマを取り上げ、そのフェルミ推定の考え方、経済効果の捉え方、そして具体的な向上施策の立案プロセスを、ステップバイステップで徹底解説します。

単に直接的な売上を計算するだけでなく、周辺産業への波及効果や、地域経済への貢献まで視野に入れる必要があるこの種の問題は、あなたの構造化能力、論理的思考力、そしてビジネスに対する幅広い視野を試すものです。

本記事で扱うフェルミ推定・ケース面接問題:

  1. フェルミ推定:甲子園大会の経済効果を推定せよ。
  2. ケース面接:甲子園大会の経済効果を上げる施策を教えて下さい。

目次

  1. 「経済効果」とは何か?フェルミ推定における定義とアプローチ
  2. 【フェルミ推定 解説】甲子園大会の経済効果の推定
    • 前提確認と経済効果のスコープ設定
    • 経済効果の構成要素の分解と構造化(直接効果、間接効果)
    • 各要素の数値設定ロジックと計算
    • リアリティチェックと結論のまとめ方
  3. 【ケース面接 解説】甲子園大会の経済効果を上げる施策
    • 現状の経済効果構造の再確認とボトルネックの特定
    • 施策立案の方向性(既存効果の最大化 vs 新規効果の創出)
    • 具体的な施策オプションの洗い出しと評価
    • 提案の骨子とインパクト試算の考え方
    • ディスカッションのポイント
  4. MBB面接官からの「一言アドバイス」と「差がつくポイント」
  5. まとめ:多角的視点で「効果」を捉え、創造的な施策を提言する

ここからは、まず「経済効果」という言葉の定義と、フェルミ推定におけるアプローチ方法から見ていきましょう。



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1. 「経済効果」とは何か?フェルミ推定における定義とアプローチ

ケース面接、特にフェルミ推定で「〇〇の経済効果は?」と問われた際、多くの受験者がまず戸惑うのが、「経済効果」という言葉の曖昧さです。何をどこまで含めて「経済効果」と捉えるのか、その定義とスコープを明確にすることが、推定の第一歩であり、最も重要なポイントとなります。

「経済効果」の基本的な考え方:

経済効果とは、ある事象(イベント、事業、政策など)が、経済全体にどれだけの金銭的な影響を与えるかを測るものです。一般的に、以下の3つの段階で捉えられます。

  1. 直接効果(一次効果):
    • その事象によって直接的に生み出される経済的な価値。最も分かりやすく、計算の起点となる部分です。
    • 例(甲子園の場合):入場料収入、グッズ販売売上、放映権料、広告料、大会運営に関わる直接的な支出(人件費、会場費など)。
  2. 間接効果(波及効果):
    • 直接効果によって生じた需要が、他の産業に波及していく効果。サプライチェーンを遡るイメージです。
    • 一次間接効果(第一次波及効果): 直接効果を生み出すために必要な原材料やサービスの購入によって、関連産業に生じる生産増加。
      • 例(甲子園の場合):観客が利用する交通機関の売上増、宿泊施設の売上増、飲食店での飲食費、グッズ製造業者の売上増、テレビ局が放映のために機材やスタッフを調達することによる関連企業の売上増など。
    • 二次間接効果(第二次波及効果以降): 一次間接効果によって所得を得た人々が、さらに消費を行うことで生じる効果。これは無限に連鎖する可能性があるため、フェルミ推定ではどこまで含めるかを見極める必要があります。
      • 例(甲子園の場合):交通機関や宿泊施設の従業員の所得が増え、その所得が地域で消費されることによるさらなる経済効果。
  3. 誘発効果(インカム効果):
    • 上記の直接効果・間接効果によって雇用が創出されたり、所得が増加したりした結果、家計消費が増えることによる経済効果。これも二次間接効果と近い概念ですが、よりマクロな視点での効果と言えます。

フェルミ推定における「経済効果」のスコープ設定の重要性:

限られた時間で経済効果を推定する場合、上記全てを厳密に計算することは不可能です。そのため、面接官に「どこまでの範囲を経済効果として捉えるか」を明確に宣言し、合意を得る必要があります。

  • 一般的なアプローチ:
    • 直接効果を中心に算出し、間接効果については主要なもの(例:交通費、宿泊費、飲食費など、比較的計算しやすいもの)をいくつかピックアップして加算する。
    • 二次間接効果や誘発効果は、複雑になりすぎるため、「今回は考慮範囲外とします」と断るか、あるいは「直接効果・一次間接効果の合計額に、経済波及効果の乗数(例:1.5~2倍程度)を乗じる」といった簡略的な手法を用いる(ただし、この乗数の根拠は説明できるようにしておく)。
  • BCGのケース面接で意識すべきこと:
    • 単に直接的な売上を積み上げるだけでなく、その事象が持つ「広がり」をどれだけ構造的に捉えられるかが問われます。
    • 「今回は直接効果と、特にインパクトの大きい間接効果として〇〇と△△を考慮します。それ以外の波及効果については、時間的制約から割愛させていただきますが、本来はこれらも考慮すべき点です」といったように、思考の幅を示しつつ、現実的な落としどころを見つけるバランス感覚が重要です。

「経済効果」推定の基本的なアプローチ:

  1. 直接効果の要素分解と算出:
    • その事象から直接的に生まれる収益や支出項目を洗い出し、それぞれをフェルミ推定で算出。
    • 例(甲子園の入場料収入):1試合あたり観客数 × 平均単価 × 試合数
  2. 主要な間接効果の特定と算出:
    • 直接効果に付随して発生する、特に金額が大きそうな間接効果(例:観光客の消費)を特定。
    • それらの効果も、フェルミ推定で個別に算出。
    • 例(甲子園の遠方からの観客の宿泊費):遠方観客数 × 平均宿泊日数 × 平均宿泊単価
  3. 合計と考察:
    • 算出した各効果を合計し、全体の経済効果とする。
    • その数値の妥当性や、どの要素が経済効果に大きく寄与しているのかを考察する。

続いて、このアプローチに基づき、「甲子園大会の経済効果」を具体的に推定していきます。

2. 【フェルミ推定 解説】甲子園大会の経済効果の推定

前章で「経済効果」の基本的な考え方とアプローチ方法を確認しました。ここからは、お題である「甲子園大会の経済効果」を具体的に推定していきます。

お題:甲子園大会の経済効果を推定せよ。(制限時間:例として10~15分程度を想定。フェルミ推定としては長め)

ステップ1:前提確認と経済効果のスコープ設定(思考時間:~2分)

まず、お題の曖昧な部分を明確にし、何をどこまで経済効果として捉えるかを定義します。

  • 「甲子園大会」の定義:
    • 「選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)」と「全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)」の両方を含むか、どちらか一方か?
      • 一般的に「甲子園大会」と言えば「夏の甲子園」を指すことが多いですが、両方含む方が経済効果は大きくなります。ここでは、「夏の甲子園大会」のみを対象と仮定します(時間があれば春も同様に計算して合算)。
    • 地方大会は含むのか、本大会のみか?
      • 経済効果のインパクトが大きいのは本大会であるため、本大会のみを対象とします。
  • 「経済効果」のスコープ:
    • 直接効果: 入場料収入、グッズ販売、放映権料、広告料、関連企業からの協賛金、大会運営費(人件費、球場使用料、警備費など)。
    • 間接効果(一次波及効果): これが非常に多岐にわたるため、主要なものに絞り込む必要があります。
      • 観客の消費: 交通費、宿泊費、飲食費、周辺観光費。特に遠方からの観客による消費が大きい。
      • メディア関連消費: テレビ・ラジオ局の制作費、新聞・雑誌の取材費・印刷費。
      • 出場校関連消費: 応援団の交通費・宿泊費、滞在費、関連グッズ制作費。
      • その他: 警備会社、清掃会社、飲食サプライヤーなどへの支出。
    • 二次波及効果・誘発効果: 今回は時間的制約から、主要な直接効果と一次間接効果(特に観客消費と出場校関連消費)に絞って算出し、それ以外の効果は「その他、これらの消費活動からさらなる経済波及効果や所得増加による消費誘発効果が見込まれる」と言及するに留める、という方針を取ります。
  • 集計期間: 大会期間中およびその前後の準備・関連消費期間とします。

面接官への確認(例):
「甲子園大会の経済効果について、今回は『夏の全国高等学校野球選手権大会(本大会)』を対象とし、経済効果の範囲としては、大会運営に直接関わる『直接効果』と、特にインパクトが大きいと考えられる観客および出場校関連の『間接効果(一次波及効果)』を中心に推定したいと思います。二次波及効果やその他の間接効果については、算出が複雑になるため、今回は主要なものに絞らせていただきますが、よろしいでしょうか?」

ステップ2:経済効果の構成要素の分解と構造化(思考時間:~3分)

設定したスコープに基づき、経済効果を具体的な計算要素に分解・構造化します。

甲子園大会の経済効果 = 直接効果 + 間接効果(主要なもの)

A. 直接効果

  1. 入場料収入 = 1試合あたり平均観客数 × 平均チケット単価 × 総試合数
  2. グッズ販売売上 = 来場者数 × グッズ購入率 × 平均購入単価
  3. 放映権料・広告協賛金 = (これは推定が難しいため、過去事例や一般的な大規模スポーツイベントの規模感から「〇〇億円程度」と仮定するか、今回は算出が難しいと断ることも検討)
  4. 大会運営費 = (これも算出が複雑なため、今回は主な消費行動から生まれる効果に絞り、運営側のコスト(これも経済効果の一部ではあるが)は一旦除外するか、主要項目(例:球場レンタル費、警備人件費)のみ概算するかを判断)

B. 間接効果(観客・出場校関連消費)

  1. 観客の交通費 = (日帰り観客数 × 平均往復交通費) + (宿泊観客数 × 平均往復交通費)
  2. 観客の宿泊費 = 宿泊観客数 × 平均宿泊日数 × 平均宿泊単価
  3. 観客の飲食費 = 来場者数 × 一人あたり飲食費(球場内+周辺)
  4. 出場校関連の消費 = 出場校数 × 1校あたり関連消費額(応援団交通費・宿泊費、滞在費、地元からの寄付による消費など)

思考のポイント:

  • どこまで細かく分解するかは残り時間とのバランス。
  • 各要素を算出するために必要な「元データ(パラメータ)」を洗い出す。
  • BCGの面接では、構造化の美しさよりも、本質的なドライバーを見抜くこと、そしてそれを基にした議論の深さが重視される傾向がある。

ステップ3:各要素の数値設定ロジックと計算(思考時間:~7分)

ここがフェルミ推定の腕の見せ所です。各パラメータに対して、論理的な根拠(アナロジー、一般常識、簡単な逆算など)を示しながら数値を設定し、計算を実行します。

(A. 直接効果の主要項目)

  • A-1. 入場料収入:
    • 総試合数:49校参加トーナメント ⇒ 48試合
      • 計算方法:トーナメントの場合参加チーム数ー1が試合数となる
    • 1試合あたり平均観客数:
      • 甲子園球場の収容人数 約4.7万人。人気カードや終盤戦は満員近いと想定。序盤戦や平日を考慮し、平均で3万人と仮定。
    • 平均チケット単価:
      • 席種により異なる(外野無料、内野指定席など)。平均して2,000円と仮定(子供料金なども考慮)。
    • 計算:3万人 × 2,000円/人 × 48試合 = 6,000万円 × 48 ≒ 28.8億円(約30億円と丸めても良い)
  • A-2. グッズ販売売上:
    • 総来場者数:3万人/試合 × 48試合 = 144万人
    • グッズ購入率:記念品やお土産として購入する人は一定数いる。仮に20%(5人に1人)と仮定。
    • 平均購入単価:タオル、キーホルダー、ユニフォームレプリカなど。平均3,000円と仮定。
    • 計算:144万人 × 0.2 × 3,000円/人 = 28.8万人 × 3,000円 ≒ 8.6億円(約10億円と丸めても良い)
  • A-3. 放映権料・広告協賛金:
    • 国民的関心事であり、テレビ中継も広範囲。大規模なスポーツイベント(例:プロ野球日本シリーズ、サッカーW杯予選など)を参考に、合わせて数十億円規模と推定。仮に50億円と置く。(ここは「推定が難しいため、過去事例や一般的な大規模イベントの収益構造から、主要スポンサー数×協賛金額などで概算することも可能ですが、今回は〇〇億円と仮置きします」などと断りを入れるのが良い)

(B. 間接効果の主要項目)

  • B-1 & B-2. 観客の交通費・宿泊費(遠方客を対象):
    • 総来場者144万人のうち、遠方(宿泊を伴う、あるいは新幹線・飛行機利用)からの観客の割合を推定。仮に30%が遠方客とすると、約43万人。
    • 宿泊観客数:43万人のうち、さらに宿泊する割合。日帰り可能な遠方客もいるため、仮に半分の約20万人が宿泊すると仮定。
    • 平均宿泊日数:トーナメントなので、応援するチームが勝ち進めば連泊も。平均して1.5泊と仮定。
    • 平均宿泊単価(1泊):ビジネスホテル~中級ホテルを想定し、10,000円と仮定。
    • 宿泊費合計:20万人 × 1.5泊 × 10,000円/泊 = 30億円
    • 平均往復交通費(遠方客):新幹線や飛行機利用を想定し、全国平均で30,000円と仮定。
    • 遠方客交通費合計:43万人 × 30,000円/人 = 129億円
    • 近隣からの観客(残70%=約100万人)の交通費:平均往復1,000円と仮定。
    • 近隣客交通費合計:100万人 × 1,000円/人 = 10億円
    • 交通費合計:129億円 + 10億円 = 139億円
  • B-3. 観客の飲食費:
    • 総来場者数144万人。
    • 一人あたり飲食費(球場内+球場周辺での食事等):平均2,000円と仮定。
    • 計算:144万人 × 2,000円/人 = 28.8億円(約30億円)
  • B-4. 出場校関連の消費:
    • 出場校数:49校
    • 1校あたり関連消費額:応援団(ブラスバンド、チア含む)の交通費・宿泊費、滞在中の食費、応援グッズ制作費、学校からの遠征費補助、地元からの寄付による現地での消費など。これらをまとめて、1校あたり平均5,000万円と仮定。(強豪校や遠方の学校はもっとかかる可能性)
    • 計算:49校 × 5,000万円/校 ≒ 24.5億円(約25億円)

ステップ4:合計とリアリティチェック、結論のまとめ方(思考時間:~3分)

算出した各項目を合計し、全体の経済効果を算出。その数値の妥当性を検証します。

  • 経済効果の合計(概算):
    • 直接効果:約30億円(入場料) + 約10億円(グッズ) + 50億円(放映権等) = 約90億円
    • 間接効果:約139億円(交通費) + 30億円(宿泊費) + 約30億円(飲食費) + 約25億円(出場校関連) = 約224億円
    • 推定経済効果(主要項目合計) = 約90億円 + 約224億円 = 約314億円
  • リアリティチェック:
    • 過去に発表された類似のイベント(例:他の大規模スポーツ大会、音楽フェスなど)の経済効果と比較。桁感が大きくずれていないか?
    • 考慮しきれていない要素の大きさをイメージ(例:大会運営費の大きな部分、メディア関連の詳細な支出、ボランティアの機会費用など)。これらを含めると、さらに数十億~百億円単位で上乗せされる可能性。
    • 「乗数効果」を考慮すると、最終的な経済全体へのインパクトはこれの1.5~2倍程度になる可能性にも言及できると良い。

面接官への報告(例):
「夏の甲子園大会の経済効果は、主要な直接効果と間接効果を積み上げると、約310億円~320億円程度になると推定しました。

主な内訳としましては、
まず直接効果として、入場料収入が約30億円、グッズ販売売上が約10億円、放映権料や広告協賛金などを合わせて約50億円、合計で約90億円と試算しました。
次に間接効果として、観客の交通費が約140億円、宿泊費が約30億円、飲食費が約30億円、そして出場校関連の消費が約25億円、これらを合計して約225億円と試算しました。
これらを合わせ、約315億円となります。

この数値には、大会運営費の詳細やメディア関連のより細かな支出、さらにはこれらの経済活動がもたらす二次波及効果や所得誘発効果は含んでおりませんので、経済全体へのインパクトはさらに大きくなるものと考えられます。例えば、一般的に言われる経済波及効果の乗数(1.5倍など)を考慮すると、450億円を超える規模になる可能性もございます。
特に、遠方からの観客による交通費や宿泊費が大きな割合を占めていることが特徴的だと感じました。」

ディスカッションのポイント:

  • 前提とスコープの再確認: 「なぜ夏の大会に絞ったのですか?春の大会も含めるとどうなりますか?」
  • 各パラメータの妥当性: 「観客の宿泊率を50%と置いた根拠は?」「出場校の関連消費5000万円はどのように考えましたか?」
  • 考慮漏れの指摘と対応: 「メディアの制作費そのものも大きな経済効果では?」「ボランティアの貢献はどう評価しますか?」→ 素直に認めつつ、どう組み込むか、あるいはなぜ今回は含めなかったかを説明。
  • 経済効果の「質」: 金額だけでなく、地域への貢献度、雇用の創出、文化的な価値など、質的な側面にも議論が及ぶ可能性。

このフェルミ推定では、複雑な要素をいかに構造的に整理し、論理的な仮定を積み重ねて現実的な数値を導き出せるか、そしてその結果を多角的に考察できるかが重要になります。


続いて、この経済効果の推定を踏まえ、「甲子園大会の経済効果を上げる施策」というケース面接に進みます。

3. 【ケース面接 解説】甲子園大会の経済効果を上げる施策

フェルミ推定で甲子園大会の経済効果の構造と規模感を把握した上で、次はその経済効果を「さらに上げる」ための施策を考えるケース面接です。ここでは、現状分析に基づいた課題特定、創造的かつ実現可能なアイデアの発想、そしてそれらを構造化して提案する能力が問われます。

お題:甲子園大会の経済効果を上げる施策を教えて下さい。(制限時間:例として15~20分程度を想定)

ステップ1:現状の経済効果構造の再確認とボトルネック/機会領域の特定(思考時間:~3分)

まず、前段のフェルミ推定で明らかになった経済効果の構造を再確認し、どこに「伸びしろ(機会領域)」があり、どこに「課題(ボトルネック)」があるのかを特定します。

  • 経済効果の主要構成要素(再掲):
    • 直接効果:入場料、グッズ、放映権料・広告協賛金
    • 間接効果:観客消費(交通、宿泊、飲食)、出場校関連消費
  • 現状の強みと機会:
    • 国民的関心事としての高い注目度: 放映権料や広告協賛金の基盤。
    • 遠方からの集客力: 交通費や宿泊費といった広域的な経済効果を生み出している。
    • 高校野球ブランド: グッズ販売や関連消費のポテンシャル。
  • 現状の課題と改善機会(仮説ベース):
    • 直接効果の限界:
      • 入場料:球場キャパシティの制約、チケット価格の上げにくさ(高校スポーツとしての公共性)。
      • グッズ:伝統的な商品が中心で、多様なニーズへの対応や単価アップの余地あり?
      • 放映権料・広告:地上波中心で、デジタル展開や新たなマネタイズポイントの開拓余地あり?
    • 間接効果の最大化:
      • 観客消費:滞在時間の短さ、周辺地域への経済波及の限定性(甲子園周辺に集中?)。
      • 出場校関連消費:応援団の負担軽減や、より広範な地域からの応援誘致の余地あり?
    • 未開拓な経済効果:
      • デジタル領域での新たな収益機会(オンライン配信、バーチャルグッズ、ファンコミュニティなど)。
      • グローバル展開(海外ファンへの訴求、海外での放映など)。
      • 高校野球の持つ教育的価値や地域活性化への貢献を、より経済的な価値に転換できていない可能性。

論点設定の方向性:
経済効果を「上げる」ためには、
(A) 既存の経済効果のパイをさらに大きくする(例:観客数増、単価アップ、新規スポンサー獲得)
(B) 新たな経済効果の源泉を創出する(例:デジタル事業、関連イベント、地域連携事業)
という2つの大きな方向性が考えられます。

面接官への確認(例):
「甲子園大会の経済効果を上げる施策についてですね。先ほどの推定で、主な経済効果は入場料、グッズ、放映権・広告、そして観客や出場校関連の消費から成り立っていると理解しました。経済効果を上げる方向性としては、これらの既存の要素をさらに伸ばすこと、そして新たな経済効果を生み出すことの双方から考えていきたいと思います。特に、デジタル化の進展や、高校野球の持つ教育的・文化的価値を活かした新しい取り組みに大きな可能性があるのではないかと考えていますが、この方向性で進めてよろしいでしょうか?」

ステップ2:施策立案の方向性(構造化)とアイデア発想(思考時間:~7分)

設定した方向性に基づき、経済効果を構成する各要素、または新たな要素に対して、具体的な施策アイデアを発想していきます。ここでは、「誰に対して」「どのような価値を提供し」「どのように経済効果に繋げるか」を意識すると、アイデアが具体化しやすくなります。

施策の構造化案(例):

  1. コアファン(来場者・視聴者)エンゲージメント最大化による直接・間接効果向上
  2. ライトファン・潜在ファンの開拓による新たな経済効果創出
  3. 「甲子園ブランド」を活用した多角的事業展開
  4. 地域経済との連携強化による波及効果拡大

各構造における施策アイデア例:

(1) コアファンエンゲージメント最大化

  • チケット戦略の高度化:
    • ダイナミックプライシング導入(人気カード、時期による価格変動)。
    • 付加価値の高いプレミアムシート(解説付き、食事付きなど)の導入。
    • リセールプラットフォームの公式化(転売防止と収益化)。
  • グッズ展開の多様化・高付加価値化:
    • 出場校ごとのオリジナルグッズ強化(受注生産、パーソナライズ対応)。
    • OB選手や有名デザイナーとのコラボグッズ開発。
    • 高品質な記念品、コレクションアイテムの展開。
  • 球場内体験の向上:
    • 飲食メニューの質向上と多様化(地元グルメ、選手プロデュースメニュー)。
    • キャッシュレス決済の完全導入。
    • AR/VR技術を活用した新しい観戦体験の提供(例:選手目線映像)。
  • デジタルコンテンツ配信強化:
    • 全試合高品質オンラインライブ配信(有料オプション、海外向け配信)。
    • 過去の名試合アーカイブ配信サービス。
    • 選手インタビューやドキュメンタリーなど、独自コンテンツの制作・配信。

(2) ライトファン・潜在ファン開拓

  • 初心者向けコンテンツ・企画:
    • ルール解説、注目選手紹介、観戦ガイドなどの情報発信強化(Web、SNS、アプリ)。
    • 親子向け野球体験イベント、女性向け観戦ツアーの企画。
  • エンタメ要素の強化:
    • 試合前後のイベント(音楽ライブ、トークショー、OB戦など)開催。
    • eスポーツ大会(野球ゲーム)との連携。
  • 海外ファンへのアプローチ:
    • 多言語対応の公式サイト・SNS運営。
    • 海外の野球ファン向け観戦ツアーの企画・販売。
    • 海外メディアへの映像提供・連携。

(3) 「甲子園ブランド」活用

  • ライセンスビジネスの拡大:
    • アパレル、食品、ゲームなど、多様な企業とのライセンス契約。
    • 「甲子園」ブランドを活用した教育プログラムや教材の開発・販売。
  • 「甲子園歴史館」の魅力向上と全国展開(サテライト展示など):
    • 企画展の充実、体験型コンテンツ導入。
  • 指導者向けセミナー・育成プログラムの事業化:
    • 高校野球の指導ノウハウを体系化し、国内外の指導者向けに提供。

(4) 地域経済との連携強化

  • 「甲子園ふるさと納税」のような仕組みの導入:
    • 大会収益の一部を、出場校の地元地域活性化プロジェクトに寄付。
  • 出場校の地元物産展の同時開催:
    • 甲子園球場周辺やオンラインで、出場校の地元の特産品を販売。
  • スポーツツーリズムの推進:
    • 甲子園観戦と組み合わせた兵庫県・大阪府周辺の観光ツアーを企画。

ステップ3:具体的な施策オプションの評価と提案の骨子(思考時間:~5分)

洗い出した施策オプションの中から、特にインパクトが大きく、実現可能性が高く、かつ甲子園大会の理念(高校生の健全な育成など)と親和性の高いものをいくつか選択し、それらを組み合わせた戦略として提案します。

評価軸(例):

  • 経済効果へのインパクト(売上規模、波及範囲)
  • 実現可能性(コスト、期間、関係者の合意形成)
  • 甲子園ブランドとの整合性・持続可能性
  • 新規性・独自性

提案の骨子(例):
「甲子園大会の経済効果をさらに向上させるためには、『伝統と革新の融合による、ファンエンゲージメントの最大化と新たな価値創出』を基本戦略とすべきです。具体的には、以下の3つの柱で施策を展開します。

  1. デジタルトランスフォーメーションによる観戦体験の進化と収益機会の拡大:
    • 高品質な全試合オンライン配信(国内外向け、有料オプション含む)と、過去試合のアーカイブサービスを提供し、新たな視聴者層を開拓するとともに放映権料・配信料収入を拡大します。
    • AR/VR技術を活用した没入型観戦体験や、ファン参加型のデジタルコンテンツ(例:オンライン応援、選手へのメッセージ投稿)を導入し、エンゲージメントを高めます。
  2. 「コト消費」化によるリアル体験価値の向上と単価アップ:
    • 入場チケットに、記念グッズや球場内グルメクーポン、近隣施設割引などを組み合わせた「体験パッケージ」を導入し、チケット単価と満足度を向上させます。
    • 出場校の地元物産展や文化紹介イベントを甲子園周辺で同時開催し、観戦以外の消費機会を創出、地域経済への波及効果を高めます。
  3. 「甲子園ブランド」を活用したライセンスビジネスと教育事業の展開:
    • アパレル、ゲーム、食品メーカー等との積極的なライセンス契約により、ブランド価値を収益化します。
    • 高校野球の持つ教育的価値を活かし、国内外の青少年や指導者向けのオンライン野球教室やリーダーシップ育成プログラムを開発・提供し、新たな事業の柱を育てます。

これらの施策を通じて、既存の経済効果を深化させるとともに、デジタル領域や教育領域といった新たな収益源を開拓し、甲子園大会の持続的な発展と経済効果の向上を目指します。」

ディスカッションのポイント:

  • 各施策の具体的な実行ステップや、想定される課題・リスク。
  • 施策間の優先順位付けとその理由。
  • ステークホルダー(高野連、学校、地域住民、ファン、メディア、スポンサーなど)との合意形成の進め方。
  • 経済効果の定量的なインパクト試算の考え方(フェルミ推定の応用)。

このケース面接では、現状分析力、構造化能力、発想力に加え、多様なステークホルダーへの配慮や、大会の理念との整合性まで考慮した、バランスの取れた戦略を描けるかが重要になります。


続いて、これらの高難易度フェルミ推定・ケース面接全体を通じて、MBB面接官がどのような点を評価し、どこで差がつくのかをまとめて解説します。

4. MBB面接官からの「一言アドバイス」と「差がつくポイント」

「甲子園大会の経済効果」のような、一見壮大で多岐にわたるテーマのフェルミ推定とケース面接では、面接官はあなたの思考のスケール感、構造化能力、そしてビジネスに対する本質的な理解度を試そうとしています。ここでは、MBBの面接官がどのような視点で評価を行い、どこで他の受験者と「差がつく」のか、具体的なアドバイスを交えて解説します。

MBB面接官からの「一言アドバイス」

  • 「『経済効果』の定義、本当にそれで十分ですか?見落としている『価値』はありませんか?」
    • 経済効果を単なる「お金の動き」として捉えるだけでなく、それがもたらす無形の価値(例:地域ブランドの向上、コミュニティの活性化、青少年の健全育成、スポーツ文化の振興など)にも目を向けることが重要です。そして、それらの無形の価値が、巡り巡って将来的な経済効果にどう結びつくのか、という長期的な視点を持てると評価が高まります。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な連想ではなく、論理的な繋がりを意識しましょう。
  • 「その施策、誰のための、何のための施策ですか?(ステークホルダーと目的意識)」
    • 甲子園大会には、選手、学校、保護者、地域住民、ファン、高野連、メディア、スポンサー企業など、非常に多くのステークホルダーが存在します。提案する施策が、これらの多様なステークホルダーにどのような影響を与え、誰のどのような課題を解決し、最終的に甲子園大会全体の価値向上にどう貢献するのかを明確に意識することが不可欠です。単なる思いつきのアイデアではなく、目的意識に基づいた戦略的な打ち手かどうかが問われます。
  • 「『甲子園らしさ』をどう活かし、どう守りますか?(ブランドと理念)」
    • 甲子園大会は、単なるスポーツイベントではなく、日本の高校野球文化の中心であり、教育的な意義も持つ特別な存在です。経済効果を追求するあまり、その「甲子園らしさ」や「理念(例:高校生のひたむきさ、教育の一環)」を損なうような施策は本末転倒です。新しい取り組みを提案する際には、常にこのブランド価値や理念との整合性を考慮し、それをどう守り、あるいはどう進化させていくのかという視点を持つことが重要です。
  • 「そのアイデア、本当に『新しい』ですか?他のイベントや業界から学べることは?」
    • 経済効果向上のための施策を考える際、全くのゼロから独創的なアイデアを生み出すことは容易ではありません。他の大規模スポーツイベント(プロ野球、Jリーグ、オリンピックなど)、音楽フェス、地域振興イベント、あるいは全く異なる業界の成功事例などから、甲子園大会に応用できるヒントや本質的なメカニズムを抽出し、それを独自の形で昇華させる能力が求められます。アナロジー思考や水平思考を意識しましょう。
  • 「『絵に描いた餅』で終わらせない、実現への『道筋』は見えていますか?」
    • どんなに魅力的な施策も、実現できなければ意味がありません。提案する施策について、誰が主体となって進めるのか、どのようなリソースが必要か、どのような障害が予想され、それにどう対応するのかといった、実行面でのリアリティが問われます。特に、高野連や学校関係者など、多くの関係者との合意形成が必要なテーマであることを理解しておく必要があります。

高難易度フェルミ推定・ケース面接で「差がつく」ポイント

上記の「一言アドバイス」を踏まえ、特に今回の「甲子園大会の経済効果」というお題で、他の受験者と差をつけるための具体的なポイントを挙げます。

  1. 経済効果の「構造的かつ網羅的」な捉え方:
    • 直接効果だけでなく、間接効果(波及効果)の範囲を論理的に定義し、MECEに分解する。例えば、観客の消費を「地元客 vs 遠方客」「日帰り vs 宿泊」でセグメント化し、それぞれの消費行動の違いを考慮する。
    • 単に項目を列挙するだけでなく、各要素が経済全体に与えるインパクトの「大きさ」を意識し、優先順位をつけて推定・議論する。
  2. 数値設定における「納得感のあるロジック」:
    • フェルミ推定の各パラメータ設定において、「なぜその数値を置いたのか」という根拠を、アナロジー(他のイベントのデータ、一般的な消費行動など)や常識的な推論に基づいて説明できる。
    • 例えば、「遠方からの観客の割合」を推定する際に、「過去の類似イベントのデータでは…」「出場校の地理的分散を考えると…」といった、何かしらの足掛かりを示す。
  3. 施策提案における「独自性」と「甲子園文脈」の融合:
    • 一般的なイベント集客策やグッズ販売戦略に留まらず、「甲子園だからこそできる」「高校野球の価値を活かした」独自の施策を提案する。
    • 例:「OB/OGネットワークを活用したクラウドファンディング型の応援システム」「高校生のキャリア教育と連携したインターンシッププログラムの併設」「AR技術を使った甲子園歴史体感コンテンツの開発」。
  4. 「負の側面」や「リスク」への目配り:
    • 経済効果を追求するあまり生じうる負の側面(例:過度な商業主義化による理念の希薄化、地域住民への環境負荷、選手への過度な負担)や、提案施策のリスクにも目を向け、それらに対するバランスの取れた見解や対策を示すことができると、思考の成熟度が伝わる。
  5. ディスカッションにおける「知的誠実さ」と「建設的姿勢」:
    • 自分の知らないことや考慮漏れを指摘された際に、それを素直に認め、そこから何を学び、どう思考を修正・発展させられるかという建設的な姿勢を示す。
    • 面接官を単なる評価者ではなく、共に問題を解決するパートナーとして捉え、積極的に意見を求めたり、アイデアをぶつけたりする対話力。

「経済効果」というテーマは、数字の扱い(フェルミ推定)と戦略的思考(ケース面接)の両方が高いレベルで求められる、まさにコンサルタントの腕の見せ所です。日頃から社会の出来事や経済ニュースに関心を持ち、その「裏側」にある構造やメカニズムを考える習慣が、こうした高難易度なお題への対応力を養います。

最後に、本記事のまとめとして、高難易度フェルミ推定・ケース面接を制し、思考の深さを示すための総括を行います。

5. まとめ:多角的視点で「効果」を捉え、創造的な施策を提言する

これまでの章で、高難易度フェルミ推定・ケース面接の代表例として「甲子園大会の経済効果の推定と向上施策」を取り上げ、その思考プロセス、分析のポイント、そしてMBB面接官が注目する点について詳しく解説してきました。

「経済効果」というテーマは、単に数値を計算する能力だけでなく、複雑な事象を多角的に捉え、構造化し、本質を見抜き、創造的かつ実現可能な解決策を導き出すという、戦略コンサルタントに求められる核心的な能力を総合的に試すものです。

高難易度フェルミ推定・ケース面接(経済効果編)突破のための総括ポイント:

  1. 「定義」と「スコープ」で土俵を固める:
    • 「経済効果」という言葉が何を指し、どこまでの範囲を対象とするのかを冒頭で明確に定義し、面接官と合意形成することが、その後の議論の質を決定づけます。曖昧さを排除し、全員が同じ土俵で議論できる状況を作り出すことが第一歩です。
  2. 「構造化」で全体像を把握し、論点を整理する:
    • 経済効果を「直接効果」「間接効果(一次・二次)」「誘発効果」といったフレームで捉えたり、ステークホルダー(観客、出場校、地元経済、メディア、スポンサーなど)ごとに影響を分解したりと、MECEかつ意味のある切り口で構造化することで、複雑な事象も整理され、思考の抜け漏れを防ぎ、議論の優先順位付けが可能になります。
  3. 「仮定」にリアリティと論拠を持たせる:
    • フェルミ推定における数値設定は、アナロジー、一般常識、公開情報からの推論など、何かしらの「論理的な足掛かり」に基づいて行い、その根拠を説明できるようにします。「なぜその仮定を置いたのか?」という問いに常に備える意識が重要です。
  4. 「施策」は多角的視点と独自性のバランスで:
    • 経済効果向上のための施策は、既存効果の最大化と新規効果の創出の両面から、そして多様なステークホルダーの視点を考慮して幅広く洗い出します。その上で、「甲子園らしさ」や「高校野球の理念」といった文脈を踏まえた、独自性のある、かつ実現可能な提案に昇華させることが求められます。
  5. 「インパクト」を意識し、実現への道筋を示す:
    • 提案する施策が、経済効果全体にどの程度のインパクトを与える可能性があるのか、定量的な感覚(概算でも可)を持つことが重要です。また、誰が、何を、どのように実行していくのか、実現への道筋や乗り越えるべきハードルについても言及できると、提案の説得力が増します。
  6. 「ディスカッション」で思考を進化させ、共創する:
    • 面接官からの質問やフィードバックは、あなたの思考を試すだけでなく、新たな視点や気づきを与えてくれる貴重な機会です。指摘を真摯に受け止め、それを基に思考を深め、面接官と共に結論を創り上げていくという「共創」の姿勢が、BCGのようなディスカッションを重視するファームでは特に評価されます。

「経済効果」のケースは、あなたの社会への関心とビジネス構想力を示す舞台

「甲子園大会の経済効果」のようなテーマは、単なるビジネスケースを超えて、あなたの社会に対する関心の深さや、文化・教育といった側面まで含めた複合的な価値をどう捉え、それをどう経済的な成長に結びつけていくかという、より大きなスケールでのビジネス構想力を示す絶好の機会です。

日頃から、

  • 大規模イベント(スポーツ、文化、地域振興など)が地域経済に与える影響に関心を持つこと。
  • ある事象が、直接的な効果だけでなく、どのような波及効果を生み出しているのか、その構造を想像してみること。
  • 社会的な価値と経済的な価値を両立させるビジネスモデルについて考えてみること。

こうした習慣が、高難易度な経済効果系のケース面接で、他の受験者と一線を画す深い洞察と創造的な提案を生み出す力となるでしょう。

Strategistsでは、このような複雑なテーマに対しても、本質を見抜くための思考法、構造化のテクニック、そして説得力のあるコミュニケーション戦略まで、徹底的にサポートしています。

この記事が、皆さんの戦略コンサルタントへの挑戦、そして未来の社会をより豊かにするための知的な冒険の一助となることを心より願っています。


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再現性高く、最短距離で、内定を取れる理由

最高のケース面接対策プログラムの設計を始めたとき、
我々のチームが最初に考えたのが
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「最短距離で最高峰を目指そう!」と思ったら
どういうやり方をするのが正解なのだろうか?
それについて考えるところから始まりました。

結論、我々が辿り着いた答えは
①学習する:プロから正しく学ぶ
②練習する:繰り返し練習し学んだことを自分の体に染み付かせる
③実践する:実践で到達度や課題を明確化する
→①②に戻る
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そこで、この「理想的な上達プロセス」に沿う形で
さまざまな教材・トレーニングメニューを綿密に設計・用意し
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プログラムの全体像はこちらです。

①正しく学ぶ

Strategistsのオリジナル教材、教科書・動画講座を使って
必要な思考法や知識を体系的にインプットしていただきます。

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②反復練習で定着:課題ケース演習

厳選した良問を、自主課題としてメンターが指定。
時間制限を設けず熟考する形式で自主演習し、
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教科書や動画講座で学んだ思考法や知識を思い返しながら
実際の過去問を題材に試行してみる。
あなたの思考力が”変わる・鍛えられる”のが
このトレーニングの役割です。

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③実践&現状把握:模擬ケース面接

専属メンターと模擬面接を実施。
詳細なフィードバックをもらうことで
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内定レベルの解答例や思考のポイントなど
1問を題材に「次に活かせる」学びを詳しく解説します。

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