「フェルミ推定」という言葉は聞いたことがあっても、具体的に何を問われ、面接官は何を見ているのかがわかっていない状態では、対策の方向を誤りがちです。
本記事では、フェルミ推定の定義と解き方の型・評価軸・例題での実演、そして「どのファームで何を問われるか」「独学でどこまで対策できるか」まで、戦略コンサル志望者に必要な情報を整理して紹介します。
- 本番形式で模擬ケース面接を実施
- 現状のレベル・改善点をフィードバック
- 内定への戦略がわかる
※少数精鋭での運営のため、枠が埋まり次第締め切ります。
フェルミ推定は数えられない数量を式に分けて概算する問題
フェルミ推定は、知識を問う筆記試験とは答えの出し方も選考での出され方も違います。まずはその違いを確かめておきましょう。
フェルミ推定とは
フェルミ推定とは、実際に数えたり調べたりするのが難しい数量を、見当をつけやすい要素に分けて論理的に組み立て、短い時間で概算する考え方です。お題の種類は、大きく次の3つです。
- 台数や人数を問うお題(日本のタクシーの台数、東京の美容院の数など)
- 市場規模を問うお題(国内のカップめんの年間売上など)
- 1つの店や施設の売上や利用者数を問うお題(駅前のカフェの1日の売上など)
たとえば「日本にタクシーは何台あるか」というお題なら、人口や1人あたりの利用回数といった要素から全体の台数を組み立てます。
答えの数字は統計ではなく自分で置いた前提と仮定から出す
面接の場では統計を調べられないので、要素ごとの数字は自分で仮定して置きます。置く数字は人によって違うため、同じお題でも答えの数字は変わります。
それでも、どんな前提を置き、どう式に分けたかを説明できれば、どこで差が出たのかを相手と話し合えるでしょう。面接でも、この説明ができるかが問われています。
コンサルの選考ではケース面接の途中でも数量を見積もる
コンサルの選考では、フェルミ推定が単独のお題として出されるほか、ケース面接の途中で市場規模などの数量を見積もる場面もあります。ケース面接は、提示された企業の課題を分析し、結論や打ち手を考える面接です。
どちらも数字を扱いますが、フェルミ推定では見積もった数量そのものが答えになり、ケース面接ではその数量を材料に結論を出します。練習は、まずフェルミ推定を単独のお題として解き切れるようにし、次にケース面接の中で、見積もった数量を使って結論まで話せるかを確かめましょう。
フェルミ推定対策について詳しく知りたい方は、Strategistsが無料で公開しているフェルミ推定の教科書をご覧ください。
タクシー台数の例題で解き方の流れをたどる
フェルミ推定の手順は、一問を最後まで解いてみるとつかめるので、タクシー台数の例題で試してみましょう。例題の人口は計算しやすく丸めた値で、利用率や件数は練習のための仮定なので、どれも実際の統計ではありません。
数える対象を保有車両と決めて乗車件数から式を立てる
「日本全国のタクシー台数」と聞かれても、ある時刻に走っている台数を答えるのか、事業者が持っている車両の総数を答えるのかで、数は大きく変わります。そこで計算に入る前に、何を数えるのかを決めておきましょう。この例題では、一般の法人タクシーと個人タクシーの保有車両数を答えとし、ハイヤーは対象外とします。
式は、人口という見当のつく数字から計算を始められるように、タクシーを利用する側から組み立てましょう。人口に、毎月利用する人の割合と1人あたりの月間乗車件数を掛けると、1か月の乗車件数が出ます。これを日数で割り、さらに1台が1日にこなす乗車件数で割れば、その日に必要な稼働台数になります。
乗客の人数と乗車の件数を混ぜると、相乗りした分だけ数がずれるため、式を書いたら各項に単位も書き添えておきましょう。「人×件/人=件」「件÷件/台=台」となれば、答えが台数になっていると確かめられます。
分からない数字に仮定を置いて稼働台数を計算する
人口のように大まかな値を知っている数字は、計算しやすい値に丸めて使えば十分です。利用率のように分からない数字には、仮定を置いて計算を進めましょう。
対象人口を便宜的に1億人とし、その2割が毎月タクシーを使い、利用する人の月間乗車件数を2件と仮定すると、1か月の乗車は1億人×2割×2件で4,000万件です。1か月を30日とすると1日あたり約133万件で、稼働中の1台が1日にこなす乗車を10件と仮定すれば、必要な稼働台数は約13.3万台になります。
ただし、約13.3万台はその日に走っている車両の数で、まだ保有台数ではありません。点検や休みで動いていない車両もあるので、保有車両の8割が1日に稼働すると仮定して0.8で割ると、約16.7万台、概数で約17万台になります。
公表されている車両数と比べて見直す仮定を選ぶ
推定の約17万台を、公表されている車両数と比べてみましょう。全国ハイヤー・タクシー連合会が国土交通省の調べとして公表している表によると、2025年3月31日時点で、一般の法人タクシーは167,404両、個人タクシーは25,009両です。
この表の法人タクシーにはハイヤーと福祉輸送限定の車両が含まれていないので、例題と同じ対象で比べられます。2つを足すと192,413両で、例題の約17万台は少なめだったことが分かります。ただし、この合計は2つの欄を足して出した数で、表に載っている値ではありません。
公表されている車両数には、例題と対象が違うものもあります。国土交通省の別の統計にある223,984両は、2024年度末のハイヤーとタクシーの合計で、ハイヤーを含んでいます。例題の答えと比べるなら、こうした数は避け、対象がそろった数を選びましょう。
例題の式では、利用する人の割合や1人あたりの乗車件数を大きく置くか、1台が1日にこなす乗車件数や稼働率を小さく置くと、台数が増えます。推定が少なめに出たときは、実際とずれている仮定がないかを、この4つから順に確かめましょう。
出典:全国ハイヤー・タクシー連合会「都道府県別事業者数及び車両数(令和7年3月31日現在)」、国土交通省「数字でみる自動車2026」
例題でたどった手順は別のお題でも同じ順で使う
別のお題でも、対象を決め、式を立て、仮定を置き、答えを確かめる順で解けます。手順ごとに、つまずきやすい点と防ぎ方を確かめておきましょう。
対象と期間を最初に決めて面接官に伝える
「コンビニの売上」とだけ言われても、1店舗の1日の売上なのか、全国の1年間の売上なのかで、立てる式はまったく変わります。そのため、何を数えるのか、どの時点や期間の数なのかを、計算を始める前に決めておく必要があります。
お題に指定がなければ、自分で決めた対象と期間を面接官に伝えてから解き始めましょう。そうしておけば、途中で対象がずれたときに、面接官も自分も気づけます。
式は単位をそろえて抜けと重なりを確かめる
1日あたりの数と1か月あたりの数をうっかり掛け合わせると、答えは本来の何倍にも膨らんでしまいます。こうした取り違えは、要素ごとに単位を書き出しておくと防げます。例題で「人×件/人=件」と書き添えたように、式の横に単位を書き、計算の結果が求める数量の単位になっているかを確かめてください。
単位がそろっていても、同じ利用を2つの要素で数えていたり、ある利用者の層がどの要素にも入っていなかったりすれば、答えはずれます。式の要素をすべて書き出したら、抜けや重なりがないかを一度見直しましょう。
仮定の数字には理由を一言で言える値を置く
面接では、「その割合はなぜその値にしたのですか」と、仮定の数字の理由を尋ねられることもあるでしょう。仮定の数字を置くたびに、なぜその程度だと考えたのかを一言で言えるようにしておけば、こうした質問にも落ち着いて答えられます。
例題のように掛け算と割り算だけでできた式では、どの仮定を倍にしても、答えは同じ割合で変わります。そのため、根拠を先に固める数字は、理由を説明しにくいものから選びましょう。
答えが出たら単位と対象を読み直して検算する
例題の途中で出た約13.3万台をそのまま答えにすると、点検や休みで動いていない車両の分だけ、保有台数を少なく見積もってしまいます。計算の途中で、稼働台数から保有台数へと求める数量が切り替わるお題では、こうした取り違えが起こりがちです。答えを述べる前に、求めた数量の単位と最初に決めた対象を読み直してください。
検算では、答えを公表されている数や自分の実感と比べると、桁が違っていれば気づけます。桁がずれていたら、仮定の値を直す前に、対象と式の組み立てに誤りがないかを見直しましょう。
面接では答えの数字より考えの筋道が見られる
同じ手順で解いても、答えだけを述べるか、途中の考えまで話すかで、面接官への伝わり方は変わります。ボストン コンサルティング グループ(BCG)とマッキンゼー・アンド・カンパニーの面接案内をもとに、面接で見られる点を確かめておきましょう。
数量の見当をつける力は戦略コンサルタントの仕事にも通じる
戦略コンサルタントの仕事では、限られた情報をもとに前提を置き、市場の大きさや売上の規模を見積もって判断の材料にすることがあります。そのため面接でも、足りない情報をどう補ったかを説明できるようにしておきましょう。前提を置いた理由を一言添えて話せば、仕事の場面でも同じように考えられることを面接官に示せます。
BCGとマッキンゼーの面接案内では考えの進め方が評価の対象になる
BCGのクライアント対応職のケーススタディ面接では、課題への取り組み方と思考の質が重要です。その面接では、アプローチの組み立てや質問、データ分析、簡単な計算なども求められます。マッキンゼー・アンド・カンパニーも、多くのクライアント対応職で行う問題解決面接にビジネスケースを使い、分析的な考え方と複雑な問題への取り組み方を評価しています。
これらはケース面接についての案内で、フェルミ推定だけの評価基準を示したものではありません。それでも、フェルミ推定のお題を解くときも、ケース面接の途中で数量を見積もるときも、何を対象にし、どう式を分け、どの数字をなぜそう置いたかを、順に話せるように練習しておきましょう。
出典:BCG Careers「ケース面接の準備」、McKinsey & Company「Interviewing at McKinsey」
出題の形式は応募する職種の採用案内で確かめる
出題の形式は、ファームや応募する職種によって違うことがあります。応募する職種の面接案内で、数量の見積もりを単独のお題として求めているのか、ケース面接の中で計算を求めているのかを確かめましょう。
単独のお題として求める記載があればフェルミ推定を単独で練習する時間を多めに取り、ケース面接の中で計算を求める記載が中心なら、ケースの途中で見積もる練習を増やすと効率よく準備できます。公式の採用ページに練習用の例題が載っていれば、タクシー台数の例題の次に解く素材として使えます。
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独学では解いた記録と録音した説明から弱点を探す
解き方を読んだだけでは、考えの筋道を声に出して示せるかどうかまでは確かめられません。一人で練習するときは、解いた過程を書き残し、説明を声に出して録音して、自分がどこで止まるのかを確かめましょう。
解答を見ずに一問を解いて前提と仮定を書き残す
最初の練習では、タクシー台数の例題を、解答を見ずにもう一度解いてみましょう。解きながら、何を数えると決めたか、どう式を分けたか、仮定した数字とその理由、最後に何を確かめたかを記録に残します。
解き終えたら記録を見返し、理由を書けなかった仮定に印をつけておきましょう。次のお題では、印をつけた仮定と同じ種類の数字の根拠を先に考えると、同じところで手が止まりにくくなります。
解き方を声に出して録音し説明が止まる箇所を探す
紙の上では式が成り立っていても、声に出して説明してみると、仮定の理由が言えずに止まってしまう箇所が見つかることがあります。何を数えるかから始め、式、仮定、答え、検算の順に、式を見ていない相手にも伝わるように話してみましょう。
練習相手がいなければ、説明を録音して聞き返す方法もあります。聞き返すときは、対象が途中で変わっていないか、人数と件数を混ぜていないかを確かめ、気づいた点を一つ書き出しておきましょう。
一人で見つけられない弱点は第三者に指摘してもらう
記録や録音を見返していても、同じ前提の置き方を繰り返していると、自分では弱点に気づけないことがあります。Strategistsは、独学で基礎を固めたら実戦形式の練習を重ね、第三者から客観的なフィードバックを受けて、思考の癖を具体的に指摘してもらうのがよいと考えています。
書き残した解答と録音した説明を経験者に見てもらい、対象の決め方や式の抜け、仮定の理由、説明の伝わり方について指摘を受けましょう。
その他のフェルミ推定対策のコツや押さえておくべきポイントは、Strategistsが無料で公開しているフェルミ推定の教科書でご確認ください。
まとめ
フェルミ推定の練習では、答えが合っていたかどうかより、推定がずれた理由を前提と式と仮定から説明できることが大切です。タクシー台数の例題でも、対象を保有車両にそろえて公表されている数と比べると推定が少なめだと分かり、見直す仮定を4つに絞れました。
例題の約17万台と192,413両との差を、自分の置いた仮定のどれで説明できるかを書き出してみましょう。一問ごとに仮定の理由を言葉にしていけば、面接でも考えの筋道を迷わず示せるようになります。
本記事のテーマを頭で理解しても、実際のケース面接で使いこなせるかどうかは別問題です。
「示唆が出せない」「分析が浅い」といった課題は独学では気づきにくく、放置すると本番まで改善されないまま終わることも少なくありません。
Strategistsでは、MBB内定者・出身者によるマンツーマンの模擬ケース面接指導を提供しています。
初回メンタリング(60分)は無料で受講可能です。
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我々のマンツーマン指導プログラムについて
2025年4月〜2026年3月の入塾者100名以上のうち、受講を修了して転職活動を実施した方の戦略コンサル転職成功率は61%。そのうち8割が外資戦略ファームTier1・2(McK/BCG/Bain/Kearney/S&/ADL/RB)への転職を実現しています。(通常、戦コン志望者のうち内定を取れるのは数%程度とされます)
※戦略コンサル転職成功率61%は、2025年4月〜2026年3月の入塾者100名以上のうち、受講を修了し転職活動を実施した方を対象とした数値です(当社調べ)。
支援範囲は未経験からの転職からMUPまで幅広く、新卒向けの戦略コンサル特化就活塾においても業界トップレベルの実績を挙げています。
こうした実績を積み重ねてきた我々Strategistsが、多数の受講生の指導や教材制作を経て蓄積・言語化してきたオリジナルのノウハウを基に、本番での評価ポイントを熟知したMBB面接官経験者の視点も組み込みながら、最強のケース対策プログラムを制作しました。
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・ケース面接初心者や苦手意識のある方であっても
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を習得することができる点です。
実は我々のお客様の63%は入会時点で
「一切対策はやってない」or「市販の書籍を読んだ程度」
の「初心者」ないし「初級」のお客様です。
再現性高く、最短距離で、内定を取れる理由
最高のケース面接対策プログラムの設計を始めたとき、我々のチームが最初に考えたのが「理想的な上達プロセス」についてでした。
スポーツでも勉強でも、何か新しいことを始めるとき「最短距離で最高峰を目指そう!」と思ったらどういうやり方をするのが正解なのだろうか?それについて考えるところから始まりました。
結論、我々が辿り着いた答えは
①学習する:プロから正しく学ぶ
②練習する:繰り返し練習し学んだことを自分の体に染み付かせる
③実践する:実践で到達度や課題を明確化する
→①②に戻る
というサイクルを回すことが「理想的な上達プロセス」なのではないか?ということでした。
そこで、この「理想的な上達プロセス」に沿う形でさまざまな教材・トレーニングメニューを綿密に設計・用意し「内定レベルのケース面接」を最短距離で習得できるカリキュラムが完成しました。
プログラムの全体像はこちらです。
①正しく学ぶ
Strategistsのオリジナル教材、教科書・動画講座を使って必要な思考法や知識を体系的にインプットしていただきます。

②反復練習で定着:課題ケース演習
厳選した良問を、自主課題としてメンターが指定。時間制限を設けず熟考する形式で自主演習し、さらに専用フォームに筆記ケース形式でアウトプットしていただきます。教科書や動画講座で学んだ思考法や知識を思い返しながら、実際の過去問を題材に試行してみる。あなたの思考力が”変わる・鍛えられる”のが、このトレーニングの役割です。

③実践&現状把握:模擬ケース面接
専属メンターと模擬面接を実施。詳細なフィードバックをもらうことで現状を把握し、弱点・課題を発見できるのはもちろん、内定レベルの解答例や思考のポイントなど、1問を題材に「次に活かせる」学びを詳しく解説します。

メンタリングの質へのこだわり
皆さんは『メンタリングの質』というものについて考えたことはありますか?我々は『問題を解き→フィードバックをもらい→模範解答を見る』というプロセスを経ての成長幅こそが『メンタリングの質』だと考えています。
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