【過去問研究】過去10年の経営共創基盤(IGPI)のケース面接過去問を分析し出題傾向を定量的に分析【MBB内定者による例題解説あり】

「経営共創基盤(IGPI)のケース面接って、どんな問題が出るんだろう?」
「IGPIの選考を突破するために、過去問の傾向と対策を知りたい!」

戦略コンサルティングファームの中でも、独自のポジションを築く経営共創基盤(IGPI)。その選考、特にケース面接は、ファームの特性を色濃く反映した独特のスタイルを持つと言われています。

この記事では、MBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)内定者が、過去10年分のIGPIのケース面接過去問(※筆者が独自に収集・分析した情報に基づきます)を徹底的にリサーチし、その出題傾向を定量的に分析。さらに、IGPIのファームとしての特徴、ケース面接の評価ポイントを踏まえ、具体的な例題(フェルミ推定・ビジネスケース)の解き方をステップバイステップで詳解します。

IGPIのケース面接を攻略し、戦略コンサルタントとしてのキャリアを掴み取るための、実践的かつ解像度の高い情報をお届けします。



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1. 経営共創基盤(IGPI)とは?ファームの特徴と魅力

経営共創基盤(Industrial Growth Platform, Inc.、以下IGPI)は、2007年に元産業再生機構のメンバーを中心に設立された、日本発のプロフェッショナルファームです。一般的な戦略コンサルティングファームとは一線を画す、独自のビジネスモデルと強みを持っています。

IGPIの主な特徴と魅力:

  • 「ハンズオン」での価値創造:
    IGPIの最大の特徴は、単なる戦略立案に留まらず、クライアント企業の「実行」段階まで深くコミットする「ハンズオン支援」です。時にはIGPIのメンバーがクライアント企業に常駐、あるいは役員として参画し、戦略の実行をリードします。「絵に描いた餅」で終わらせない、現場感のあるコンサルティングが強みです。
  • 「戦略 × 財務 × 実行」の統合的アプローチ:
    戦略コンサルティング、M&Aアドバイザリー、事業再生支援、さらにはPEファンドとしての投資機能までを併せ持ちます。これにより、戦略立案から資金調達、実行、そして場合によっては資本参加まで、企業の成長・再生に必要な機能をワンストップで提供できる点が大きな特徴です。
  • 「事業創造」への強い意志:
    既存事業の改善だけでなく、クライアントと共に新しい事業を「創造」することに強い情熱を持っています。大企業の新規事業開発支援から、ベンチャー企業への投資・育成まで、多様な形で事業創造に関与します。「ビジネスプロデューサー」という独自の職種名も、この思想を反映しています。
  • 多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナル集団:
    戦略コンサルタント、投資銀行出身者、会計士、弁護士、事業会社経営経験者など、極めて多様なバックグラウンドを持つ人材が集結しています。それぞれの専門性を活かし、複合的な視点から課題解決にあたります。
  • 「日本企業」への深い理解とコミットメント:
    日本経済の再活性化、日本企業の国際競争力強化への強い問題意識を持ち、特に地方の中堅・中小企業や、伝統的な大企業の変革支援に力を入れています。

これらの特徴は、IGPIのケース面接においても重要な意味を持ちます。単に論理的な戦略を提案するだけでなく、「実際にどう動かすのか」「本当に価値を生み出せるのか」といった実行可能性や、多様な専門性を組み合わせた複合的な視点が問われることになるでしょう。また、クライアントの現場に入り込み、共に汗を流す「ハンズオン」の姿勢に共感できるかどうかも、カルチャーフィットの観点から見られるポイントと言えます。

2. IGPIケース面接 過去10年の出題傾向を徹底分析!

IGPIのケース面接は、そのファームの特性を反映し、一般的な戦略コンサルティングファームとは異なる傾向が見られます。ここでは、筆者が独自に収集・分析した過去約10年分のIGPIのケース面接のお題(主に本選考で出題されたもの)を基に、その出題傾向を定量・定性の両面から分析し、IGPIならではの「問い方」に迫ります。

**(※注意:以下の分析は、筆者が収集した限定的なデータに基づくものであり、IGPIの公式な見解を示すものではありません。あくまで選考対策の一環として、傾向を把握するための参考情報として活用してください。) **

定量分析:テーマ別出題頻度

過去問をテーマ別に分類し、出題頻度を分析しました。

テーマ分類出題頻度 (推定)備考(よく見られるお題のパターン)
1. 事業戦略/売上向上約40%特定企業・事業の売上/利益向上策、成長戦略立案。クライアントの業種は製造業、小売、サービス業など多様。
2. 新規事業立案/市場参入約25%既存アセットを活用した新規事業提案、新市場への参入可否判断と戦略。地方創生や社会課題解決の文脈も含む。
3. 市場規模推定 (フェルミ推定)約15%特定の製品・サービスの市場規模推定。単独で出題されるケースと、その後のビジネスケースの導入となるケースあり。
4. 企業再生/事業再生約10%業績不振企業の再生プラン策定、不採算事業の立て直し。IGPIの強みが反映されたテーマ。
5. その他 (抽象テーマ/思考力系)約10%「〇〇とは何か?」「新しい××を考えよ」といった定義・発想系の問題、社会問題に関する考察など。

分析結果と考察:

  • 事業戦略/売上向上が最多: これは戦略コンサルティングファーム全般で見られる傾向ですが、IGPIの場合、より「実行可能性」や「クライアントの事業特性」を踏まえた具体的な施策が求められる印象です。
  • 新規事業立案/市場参入も頻出: IGPIの「事業創造」への強い意志を反映し、新しい価値を生み出すアイデアや、それを実現するための具体的な道筋を問う問題が多く見られます。特に、地方創生や社会課題といったテーマと絡めて出題されることも特徴的です。
  • フェルミ推定は標準的だが、その後の展開が重要: 市場規模推定自体は標準的な内容が多いですが、その推定結果を踏まえて「では、どうする?」というビジネスケースに繋がる流れを意識する必要があります。
  • 企業再生/事業再生はIGPIならでは: 他の戦略ファームでは比較的出題頻度が低いこのテーマは、IGPIの強みと実績を象徴しています。財務的な視点や、痛みを伴う改革への覚悟なども問われる可能性があります。
  • 抽象テーマも一定数存在: 地頭の良さや発想力を試すタイプのお題も見られます。

定性分析:お題の特徴

出題されるお題の具体的な内容や設定には、以下のような特徴が見られました。

  • クライアント設定の具体性:
    • 実在する企業名がクライアントとして提示されるケースは稀で、多くは「地方の中堅食品メーカー」「業績不振の老舗旅館」「新しい技術を持つベンチャー企業」といった、業種と規模、置かれている状況が具体的に設定される傾向があります。これにより、受験者はより現実的な課題認識を持つことが求められます。
    • 時には「あなたが〇〇の社長だったら」という当事者視点を問う設定も見られます。
  • 事業フェーズの多様性:
    • 成長期にある事業のさらなる拡大戦略だけでなく、成熟期・衰退期にある事業の再生や新規事業への転換など、事業ライフサイクルの様々なフェーズにおける課題が出題されます。
  • 制約条件のリアリティ:
    • 「限られた予算内で」「3年間で」「既存の従業員の雇用は維持しつつ」など、現実的な制約条件が付与されることが多いです。これにより、理想論ではない、地に足のついた解決策が求められます。
  • 「実行」への意識:
    • 単に戦略を提案するだけでなく、「それをどのように実行するのか」「実行上のボトルネックは何か」「関係者をどう巻き込むのか」といった、実行段階を見据えた視点が求められる問いかけがなされることがあります。これはIGPIのハンズオン支援の思想を反映しています。
  • 社会性・公共性を含むテーマ:
    • 地方創生、伝統産業の振興、環境問題への対応、医療・介護分野の課題解決など、社会性や公共性の高いテーマが比較的多く見られます。これは、IGPIが官公庁や地方自治体とのプロジェクトも多く手掛けていることを反映していると考えられます。
  • 財務的視点の重要性:
    • 企業再生案件や投資判断が絡むテーマでは、損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)の基本的な理解、キャッシュフローの概念など、財務的な視点からの分析や考察が求められることがあります。

IGPIならではの「問い方」とは?

上記のような特徴を踏まえると、IGPIのケース面接における「問い方」には、以下のような意図が込められていると考えられます。

  • 「当事者意識」を持って課題に取り組めるか?
    クライアントの状況を深く理解し、あたかも自社の問題のように真剣に考え抜けるか。
  • 「絵に描いた餅」で終わらない、実行可能な解決策を考えられるか?
    理想論だけでなく、現場の泥臭さや現実的な制約を理解した上で、具体的なアクションプランに落とし込めるか。
  • 「多面的な視点」から複雑な問題を捉えられるか?
    戦略、財務、組織、オペレーションなど、複数の視点から問題を分析し、統合的な解決策を導き出せるか。
  • 「新しい価値」を創造する意欲と発想力があるか?
    既存の枠組みにとらわれず、新しいビジネスモデルや事業の可能性を探求できるか。
  • 「社会への貢献」という視点を持っているか?
    単なる企業利益の追求だけでなく、その事業が社会にどのような影響を与え、どのような価値を提供できるのかを考えられるか。

IGPIのケース面接は、単なる思考力テストではなく、IGPIというファームが大切にしている価値観やコンサルティングスタイルへの共感を測る場でもあると言えるでしょう。過去問の傾向を理解することは、これらの「問い」に効果的に答えるための第一歩となります。

3. IGPIケース面接の評価ポイント:何が見られているのか?

IGPIのケース面接では、どのような点が特に評価されるのでしょうか。前章で分析した出題傾向やファームの特徴を踏まえ、Strategistsが考えるIGPIならではの評価ポイントを解説します。これらを意識することで、面接官に響くアウトプットが可能になります。

IGPIが重視する評価ポイント(Strategists的解釈):

  1. 「当事者意識」と「コミットメント」:
    • クライアントの課題を「自分事」として捉え、真剣に解決策を模索する姿勢は、ハンズオン支援を強みとするIGPIにおいて極めて重要です。単に客観的な分析者として振る舞うのではなく、クライアントの成功に強くコミットする熱意が感じられるかが評価されます。
    • 例: 「もし私がこの企業の社長だったら…」という視点で、腹落ち感のある課題設定や施策提案ができるか。困難な状況でも諦めずに、粘り強く解決策を考え抜く姿勢。
  2. 「実行可能性」を突き詰める思考:
    • IGPIは「絵に描いた餅」を嫌います。提案する戦略や施策が、実際に現場で実行可能か、どのようなハードルがあり、それをどう乗り越えるのかまで具体的に考えられているかが厳しく見られます。
    • 例: 施策のメリットだけでなく、デメリットやリスク、実行に必要なリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)、関係部署との調整、従業員のモチベーションといった要素まで踏み込めているか。机上の空論ではない、泥臭い部分への想像力。
  3. 「構造的思考力」と「本質を見抜く洞察力」:
    • これは戦略コンサルタントとしての基本ですが、IGPIでは特に、複雑な状況の中から本質的な課題(=本当に解決すべきこと)を見抜き、それを構造的に整理して議論を進める能力が重視されます。
    • 例: 多岐にわたる問題点を網羅的に挙げつつも、「最もインパクトが大きいのは何か」「根本原因は何か」という視点で論点を絞り込み、深掘りできるか。フレームワークに頼るだけでなく、お題に応じた独自の切り口で構造化できるか。
  4. 「財務的視点」と「事業性評価能力」:
    • 企業再生や新規事業投資にも関わるIGPIでは、戦略が財務的にどのようなインパクトをもたらすのか、事業として成立するのか(収益性、持続可能性)を評価する視点が不可欠です。
    • 例: 売上向上策だけでなく、コスト削減やキャッシュフロー改善の視点はあるか。新規事業提案の際に、初期投資、回収期間、期待リターンといった数値を意識できているか。高度な財務分析能力までは求められませんが、基本的な財務三表の理解や、定量的な感覚は重要です。
  5. 「知的好奇心」と「学習意欲」:
    • IGPIが手掛ける案件は多岐にわたり、時には未知の業界やテーマに取り組むこともあります。そのような状況でも、積極的に情報をキャッチアップし、新しいことを学ぶことを楽しめるかという知的好奇心や学習意欲は高く評価されます。
    • 例: 面接官からのフィードバックや新しい情報に対して、素直に耳を傾け、自分の思考を柔軟にアップデートできるか。ディスカッションの中で、積極的に質問し、理解を深めようとする姿勢。
  6. 「コミュニケーション能力」と「人間力」:
    • ハンズオン支援では、クライアントの経営層から現場の従業員まで、多様な立場の人々と円滑なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築する能力が不可欠です。
    • 例: 自分の考えを論理的かつ分かりやすく伝える力。相手の意見を丁寧に聞き、共感する力。プレッシャーの中でも冷静さを保ち、建設的な対話ができるか。誠実さ、謙虚さ、明るさといった人間的な魅力。
  7. IGPIの理念・価値観への共感:
    • 「日本企業の成長・再生への貢献」「ハンズオンでの価値創造」「事業創造への情熱」といったIGPIの理念や価値観に共感し、自らもそれを体現したいという想いがあるか。これは志望動機や自己PRにも繋がる重要なポイントです。

これらの評価ポイントは、単独で評価されるというよりも、ケース面接全体のディスカッションを通じて総合的に判断されます。特にIGPIの面接では、「なぜそう考えるのか?」「具体的にはどういうことか?」「それをどう実現するのか?」といった問いが繰り返される中で、思考の深さ、具体性、実行可能性、そしてIGPIというファームへのフィット感が試されていると理解しましょう。

完璧な答えを出すことよりも、粘り強く考え抜き、面接官との対話を通じて思考を進化させ、IGPIで活躍できるポテンシャルを示すことが重要です。

4. 【フェルミ推定 例題解説】「ランニングシューズの国内年間市場規模は?」

ここからは、IGPIのケース面接で出題される可能性のある具体的な例題を用いて、思考プロセスと解答のポイントを解説していきます。まずは、多くのビジネスケースの導入や、単独でも出題される「フェルミ推定」です。IGPIの特性を踏まえ、単なる数値推定に留まらない示唆出しも意識してみましょう。

お題:日本国内におけるランニングシューズの年間市場規模(金額ベース)を推定してください。(制限時間:5分)

フェルミ推定の心構え(IGPI対策を意識して):

  • 結論(数値)を出すことが最優先: 他ファーム同様、時間内に論理的なプロセスで数値を導き出すことが基本です。
  • 構造の明確さと妥当性: 分解の軸や設定する数値の根拠を明確に示し、面接官が思考プロセスを追いやすいようにします。
  • 「なぜその仮定なのか?」への準備: 設定した数値に対して、IGPIの面接官は深掘りしてくる可能性があります。「健康志向の高まりでランニング人口は増えていると考え…」など、背景にある社会的なトレンドや消費者行動の変化に対する自分なりの考察を交えられると良いでしょう。
  • ビジネスへの接続意識: 単に数値を出すだけでなく、その市場の特性(例:成長市場か成熟市場か、高価格帯か低価格帯かなど)について簡単な示唆が出せると、後のビジネスケースに繋がる議論の質が高まります。

ステップ1:前提確認とアプローチ設定(思考時間:〜30秒)

  • 「ランニングシューズ」の定義:
    • 主にランニング用途で購入されるシューズ。ウォーキングシューズや普段履きのスニーカーとは区別する。
    • 競技用からエントリーモデルまで含む。
    • 子供用も含むか?(今回は大人=中学生以上を対象と仮定する)
  • 「国内年間市場規模」の定義:
    • 日本国内で、1年間に消費者が購入する総額(小売価格ベース)。
  • アプローチの選択:
    今回も需要ベース(消費者起点)のアプローチが考えやすいでしょう。
    市場規模 = ①ランニング人口 × ②年間平均購入足数 × ③平均単価

面接官への確認(例):
「ランニングシューズの定義は、主にランニング目的で購入される成人向け(中学生以上とします)のシューズで、小売価格ベースの国内年間総販売額を推定する、という理解でよろしいでしょうか?アプローチとしては、国内のランニング人口、1人あたり年間購入足数、平均単価を掛け合わせる需要ベースで考えます。」

ステップ2:分解と構造化(思考時間:〜1分)

需要ベースのアプローチを、より具体的な計算要素に分解します。特に「ランニング人口」と「年間平均購入足数」は、セグメントによって大きく異なりそうなので、仮説を置きやすいように分解します。

市場規模 = ( (A) コアランナー層 + (B) ライトランナー層 ) × ②年間平均購入足数 × ③平均単価
または、
市場規模 = ①対象人口 × ②年間靴平均購入足数 × ③ランニングシューズ率 × ④平均単価

今回は、ランニングの頻度でセグメント分けする前者の方が、購入足数や単価の仮説も置きやすそうなので、そちらで進めます。

  • ① ランニング人口:
    • 日本の生産年齢人口(15歳~64歳)を母数に、ランニング実施率を考慮。
    • コアランナー(週1回以上など定期的に走る層)
    • ライトランナー(月数回、健康維持目的、たまに大会に出る層)
  • ② 年間平均購入足数:
    • コアランナー:消耗が早いため購入頻度が高い。複数足所有も。
    • ライトランナー:購入頻度は低い。
  • ③ 平均単価:
    • コアランナー:高機能・高価格帯のシューズを選ぶ傾向。
    • ライトランナー:中価格帯~エントリーモデルを選ぶ傾向。

ステップ3:数値設定と計算(思考時間:〜2分30秒)

各要素に具体的な数値を設定し、計算を進めます。

  • ① ランニング人口:
    • 日本の生産年齢人口(15~64歳):約7500万人(総人口1.25億人の6割と仮定)
    • このうち、ランニングを行う人の割合を仮に10%とすると、750万人。
      • (参考:スポーツ庁の調査では成人の週1回以上の運動実施率は約50-60%だが、ランニングに限定するともっと低い。健康志向で増えている可能性も考慮。)
    • コアランナー層: 全ランナーの20%と仮定 → 750万人 × 20% = 150万人
      • (週に数回、本格的に取り組んでいるイメージ)
    • ライトランナー層: 全ランナーの80%と仮定 → 750万人 × 80% = 600万人
      • (健康のため、たまに走るイメージ)
  • ② 年間平均購入足数:
    • コアランナー層: 年に1.5足購入と仮定。
      • (本格的なランナーは半年に1足買い替える人もいる。複数用途で2足持ちなど。)
    • ライトランナー層: 2年に1足、つまり年に0.5足購入と仮定。
  • ③ 平均単価:
    • コアランナー層: 高機能モデルが多い。平均15,000円と仮定。
    • ライトランナー層: エントリー~ミドルモデル。平均8,000円と仮定。

計算実行:

  • コアランナー層の市場規模:
    150万人 × 1.5足/人・年 × 15,000円/足
    = 1,500,000 × 1.5 × 15,000
    = 2,250,000 × 15,000
    = 33,750,000,000 円 = 約338億円
  • ライトランナー層の市場規模:
    600万人 × 0.5足/人・年 × 8,000円/足
    = 6,000,000 × 0.5 × 8,000
    = 3,000,000 × 8,000
    = 24,000,000,000 円 = 240億円
  • 合計市場規模:
    338億円 + 240億円 = 578億円

ステップ4:リアリティチェックと結論(思考時間:〜1分)

  • 他の市場規模との比較:
    • 例えば、ゴルフ用品市場(クラブ除く)が数千億円、スポーツウェア市場全体が1兆円近いことを考えると、ランニングシューズ単独で578億円は、桁感としてありえなくはない範囲か。
    • 大手スポーツメーカー(アシックス、ナイキなど)のランニングシューズカテゴリーの売上高などが分かれば、そこから市場シェアを逆算して検証できる。
  • パラメータの妥当性再検証:
    • ランニング人口750万人はやや多いか?もう少し絞るべきか?(例えば5%なら375万人、結果は半減する)
    • コアランナーの単価や購入足数は妥当か?

面接官への報告(例):
「はい、国内のランニングシューズの年間市場規模は、約580億円と推定しました。
算出にあたり、まずランニング人口をコア層とライト層に分けました。日本の15~64歳人口を7500万人とし、そのうち10%にあたる750万人がランニングを行っていると仮定しました。
その中で、コアランナー層を20%の150万人、ライトランナー層を80%の600万人と設定しました。
年間平均購入足数は、コア層が1.5足、ライト層が0.5足。平均単価は、コア層が15,000円、ライト層が8,000円と仮定しました。
これらの結果、コア層の市場規模が約338億円、ライト層が約240億円となり、合計で約578億円、概算で約580億円と推定いたしました。
(可能であれば)健康志向の高まりや大規模マラソン大会の人気などから、今後も一定の需要が見込まれる市場だと考えます。」

ディスカッションのポイント(IGPIを意識して):

  • 「ランニング人口の定義や、その数値をどう考えましたか?何か参考にしたデータはありますか?」
    →単なる勘ではなく、健康意識の高まり、スポーツイベントの状況など、背景にあるトレンドを交えて説明できると良い。
  • 「コア層とライト層で、シューズに求める機能やKBF(購買決定要因)はどう違うと思いますか?」
    →後のビジネスケースに繋がる可能性のある質問。単価や購入頻度の違いだけでなく、機能性重視か、デザイン・価格重視か、といった質的な違いに言及できると良い。
  • 「この市場は今後、成長すると思いますか?縮小すると思いますか?その理由は?」
    →IGPIは事業再生だけでなく成長戦略にも関わるため、市場の将来性に対する自分なりの見解が求められる。高齢化の影響、新しい技術(スマートシューズ等)の影響なども論点になりうる。
  • 「もしあなたがスポーツシューズメーカーの社長なら、この市場でどう戦いますか?」
    →フェルミ推定からシームレスにビジネスケースに移行する典型的なパターン。推定結果から得られた示唆(例:コア層は単価が高いが人口は少ない、ライト層は人口が多いが購入頻度が低い)を踏まえて、戦略の方向性を考え始める。

IGPIのフェルミ推定では、数値の精度そのものよりも、その数値を導き出すまでの論理、仮定の背景にある考察、そしてそこからビジネス的な示唆をどれだけ引き出せるかが重要視される傾向にあります。

5. 【ケース面接 例題解説】「スポーツシューズメーカーのランニングシューズの売り上げ向上策(3年)」

フェルミ推定で市場規模を把握した上で、次は具体的なビジネスケースの解説に移ります。IGPIが重視する「実行可能性」や「事業性」を意識しながら、戦略を立案していきましょう。

お題:あなたは中堅スポーツシューズメーカーA社の経営企画担当です。主力のランニングシューズ部門の売上が伸び悩んでいます。3年間でランニングシューズ部門の売上を現在の1.2倍にするための具体的な施策を提案してください。(制限時間:ディスカッション含め20~25分程度)


1. 前提設定、問題の背景の言語化

  • クライアント: 中堅スポーツシューズメーカーA社。
    • 主力はランニングシューズ部門だが、他にも複数のスポーツシューズ(例:テニス、バスケットボール)やアパレルも展開していると想定。
    • ブランド力は大手(ナイキ、アディダス、アシックス等)には劣るが、一定の品質と技術力、固定ファンを持つと仮定。
    • 販売チャネルは、スポーツ量販店、自社ECサイト、一部直営店など。
    • 経営状況:ランニングシューズ部門の売上が伸び悩み、会社全体の成長の足かせになっている可能性がある。
  • 対象: ランニングシューズ部門の売上。
  • 期間: 3年間。
  • 目標: 売上1.2倍。これは年平均成長率約6.3%であり、成熟市場においてはチャレンジングだが達成不可能な目標ではない。
  • 市場環境:
    • ランニングシューズ市場は、健康志向の高まりやマラソンブームで一定の需要はあるものの、競争は激化。
    • 大手グローバルブランドのシェアが高い。
    • 技術革新(カーボンプレート搭載シューズなど)が相次ぎ、製品のコモディティ化は進んでいないが、開発競争も激しい。
    • 顧客ニーズは多様化(初心者向け、シリアスランナー向け、ファッション性重視など)。
    • オンライン販売の比率が上昇。
  • 課題の背景(推定):
    • ブランド認知度・訴求力の不足(大手との差)。
    • 特定の顧客セグメントにしかリーチできていない。
    • 製品ラインナップやマーケティング戦略が市場の変化に対応しきれていない。
    • 販売チャネルの非効率性やEC対応の遅れ。

面接官への確認(例):
「メーカーA社は、ランニングシューズ以外にも複数のスポーツ用品を展開し、一定の技術力とブランドを持つものの、大手には及ばない中堅企業という理解でよろしいでしょうか?また、売上1.2倍という目標は、主に国内市場を対象として考えてよいでしょうか?海外展開の状況や、現在のランニングシューズの具体的な製品ラインナップ、ターゲット顧客層について、もう少し詳しく教えていただけますか?(あるいは、こちらで仮定を置いてもよろしいでしょうか?)」

2. 仮説創出のための業界・商材の特徴分析

  • スポーツシューズ業界の特性:
    • ブランドビジネス: 機能性だけでなく、ブランドイメージ、デザイン、トップアスリートの着用などが購買に大きく影響。
    • 技術開発競争: クッション性、反発性、軽量性、安定性など、常に新しい技術が求められる。研究開発投資が重要。
    • チャネル戦略: スポーツ量販店、専門店、自社EC、直営店など多様なチャネル。D2C(Direct to Consumer)の流れも。
    • マーケティング: アスリートへのスポンサーシップ、ランニングイベントへの協賛、SNS活用など。
  • ランニングシューズ(商材)の特性:
    • 機能性重視: 目的(レース、トレーニング、ジョギング)、レベル(初心者、中級者、上級者)、足型(幅広、扁平足など)によって求められる機能が異なる。
    • 消耗品: 走行距離に応じて買い替え需要が発生。
    • 試し履きの重要性: フィット感が重要であり、オンライン購入でも返品・交換の利便性が求められる。
    • 高価格帯も許容: シリアスランナーはパフォーマンス向上のためなら高価格帯も受け入れる。
  • メーカーA社の強み・弱み(推定):
    • 強み(仮): 特定の技術(例:独自のクッション素材、日本人の足型に合わせた設計)、ニッチ市場での評価、品質管理。
    • 弱み(仮): ブランド認知度(特に若年層やライト層)、マーケティング予算、大手ほどの製品開発力、グローバルな販売網。

3. 論点の構造化、◎⚪︎△×でのイシュー絞り込み(論拠含む)

売上向上を「国内既存事業深化」と「新規展開」で大きく分け、それぞれを要素分解する。3年で1.2倍という目標から、現実的には国内既存事業のテコ入れが中心になると考えられる。

  • 国内既存ランニングシューズ事業の深化
    • 客数増加
      • 新規顧客獲得 (◎):
        • 論拠: 既存のブランド力ではリーチできていないセグメント(例:ランニング初心者、健康志向のライト層、特定のニーズを持つニッチ層)を開拓することが、売上増の最も大きなドライバーとなりうる。A社の強みを活かせる未開拓の「土俵」を見つけることが鍵。
      • 既存顧客の購入頻度向上/離反防止 (⚪︎):
        • 論拠: 一度A社の製品を選んだ顧客のロイヤリティを高め、継続購入を促すことは重要。特に中堅メーカーにとっては、限られた顧客基盤を大切に育てる必要がある。ただし、シューズの耐久性を考えると、購入頻度を「飛躍的に」上げるのは難しい。
    • 客単価向上
      • 高価格帯製品へのシフト/アップセル (⚪︎):
        • 論拠: A社が持つ技術力を活かした高機能・高付加価値モデルを開発し、既存顧客や新規のシリアスランナー層に訴求できれば、客単価向上が期待できる。市場全体でも高価格帯シューズの需要は存在する。
      • 関連商品とのクロスセル(アパレル、アクセサリー等) (△):
        • 論拠: ランニングアパレルやソックス、インソールなども手掛けていれば可能性はあるが、シューズ本体の売上向上への直接的な貢献度は限定的か。3年での1.2倍達成のメインドライバーにはなりにくい。
  • 新規展開
    • 海外市場への本格展開 (×→△):
      • 論拠: 3年で成果を出すには時間と投資が大きく、リスクも高い。既に一部進出していて足がかりがあるなら別だが、ゼロからであれば優先度は低い。ただし、長期的な成長のためには検討すべき。
    • ランニング以外のスポーツシューズへの注力 (×):
      • 論拠: お題は「ランニングシューズ部門」の売上向上であり、スコープ外。
    • D2Cチャネル強化/新規チャネル開拓 (⚪︎):
      • 論拠: 自社ECの強化や、新しいコンセプトの直営店展開(例:試し履き特化型、ランニングコミュニティ併設型)は、ブランド発信と顧客接点強化に繋がり、客数・客単価双方に貢献しうる。

【絞り込み結果】
IGPIのケースでは「実行可能性」と「クライアントの特性を活かす」視点が重要。3年という期間と中堅メーカーという立場を考慮すると、①新規顧客セグメントの開拓(特にA社の強みが活きるニッチ市場や、成長が期待できるライト層)を最重要イシュー(◎)とし、次いで②既存顧客のロイヤリティ向上と高価格帯製品への誘導(アップセル)、および③顧客接点としてのチャネル戦略の見直し(特にD2C強化)を重要イシュー(⚪︎)として設定する。

4. 打ち手

絞り込んだイシューに対する具体的な施策案。

  • 新規顧客セグメント開拓(◎)施策:
    • ターゲットセグメントの明確化と製品開発:
      • 例1:「快適性重視の健康志向型シニアランナー」: クッション性と安定性に特化し、足腰への負担が少ないモデルを開発。デザインも落ち着いたものを。販路として、健康食品店やシニア向け通販との提携も検討。
      • 例2:「ファッション性も重視する女性ライトランナー」: 日常使いもできるデザイン性の高いモデルを開発。フィットネスクラブやアパレルセレクトショップとのコラボ。インフルエンサーマーケティング。
      • (IGPI的視点)実行可能性: A社の既存技術で対応可能か、小ロット生産でも採算が合うか、ターゲットに響くマーケティングチャネルは何かを具体的に検討。
    • ランニング初心者向けエントリープログラムの提供:
      • 購入者向けに、専門家監修のランニング教室やオンラインコーチングサービスを安価または無料で提供。シューズの正しい選び方、走り方、ケア方法などを啓蒙し、ランニング継続をサポート。
      • (IGPI的視点)ハンズオン: 単に商品を売るだけでなく、顧客のランニングライフ全体をサポートする姿勢を示す。
  • 既存顧客ロイヤリティ向上と高価格帯製品への誘導(⚪︎)施策:
    • CRM導入とパーソナライズドコミュニケーション: 購入履歴や走行データ(アプリ連携等)に基づき、適切なタイミングで買い替え促進や新製品情報、メンテナンス情報を提供。
    • 上位モデル体験プログラム: 既存顧客向けに、新発売の高機能モデルを試せるイベントやレンタルサービスを実施。アップグレードの魅力を体感させる。
    • 「A社ファン」コミュニティ形成支援: オンラインフォーラムや、A社主催の小規模ランニングイベントなどを通じて、顧客同士や顧客と社員の繋がりを強化。
  • チャネル戦略の見直し(D2C強化)(⚪︎)施策:
    • 自社ECサイトのUX改善と機能拡充: サイズ選びアシスト機能(AIレコメンド、バーチャル試着)、詳細な製品情報、ユーザーレビュー、専門家による解説コンテンツなどを充実。
    • 体験型フラッグシップストアの展開(都市部限定): 足型測定、ランニングフォーム分析、カスタマイズインソール作成サービスなどを提供。ブランドの世界観を体感できる空間。
    • (IGPI的視点)事業性: EC強化や店舗展開の投資対効果を試算。既存チャネル(量販店)とのカニバリゼーションも考慮。

5. 学びの抽象化、今回の問題を通じて伝えたいこと

  • 中堅メーカーの戦い方: 大手と同じ土俵で真っ向勝負するのではなく、自社の強みが活きるニッチ市場や、大手が見過ごしている顧客ニーズを捉え、選択と集中を行うことが重要。
  • 「モノ」から「コト」へ: 単に機能的な製品を提供するだけでなく、顧客のランニング体験全体を豊かにするサービスやコミュニティを提供することで、ブランドへの愛着とLTVを高める。
  • 実行を見据えた具体性: 施策を提案する際は、「誰に、何を、どのようにして、なぜそれが有効なのか」を具体的に説明し、実現への道筋を示すことが求められる。特にIGPIではこの具体性が重視される。
  • データドリブンと顧客理解: 顧客データ分析に基づいたセグメンテーションやパーソナライズドマーケティングの重要性。

6. 差がつくポイント、元面接官からのコメント(IGPIを意識して)

  • 「ハンズオン感」のある提案: 提案する施策が、あたかもクライアントの内部に入り込んで一緒に汗を流しながら実行していくような、具体的なアクションプランや実行体制にまで言及できているか。
  • 「事業プロデューサー」としての視点: 単なる分析屋・提案屋ではなく、事業を成功に導くプロデューサーとして、市場の機会、自社の強み、リスク、そして何よりも「儲かるか(事業性)」という視点をバランス良く持てているか。
  • 財務的な示唆への意識: 売上向上だけでなく、その施策に必要な投資、コスト、利益への影響といった財務的な側面についても、最低限の考察(「この施策は初期投資が大きいですが、長期的なブランド価値向上に繋がります」など)ができると良い。
  • IGPIの価値観との整合性: 「日本企業の成長に貢献したい」「現場に入り込んで変革を推進したい」といった、IGPIの理念に共鳴するような熱意やスタンスが、提案の端々から感じられるか。
  • ディスカッションにおける粘り強さと建設性: 面接官からの厳しいツッコミや反対意見に対しても、冷静に受け止め、論理的に反論したり、あるいは柔軟にアイデアを修正したりしながら、一緒により良い結論にたどり着こうとする姿勢。

IGPIのケース面接は、単なる頭の体操ではなく、あなたが将来IGPIのコンサルタントとして、クライアントと共に困難な課題を乗り越え、具体的な成果を生み出せる人材かどうかを見極める場です。この点を強く意識して対策に臨んでください。

6. IGPIケース面接突破のための効果的な対策法

これまで見てきたIGPIのファーム特性、過去問の傾向、評価ポイントを踏まえ、具体的にどのような対策を行えば選考を突破できるのか、効果的な準備方法を解説します。

1. IGPIというファームへの深い理解:

  • 企業理念・価値観の共感: IGPIのウェブサイト、書籍(特に創業メンバーの著作)、現役社員やOB/OGのインタビュー記事などを読み込み、「ハンズオン支援」「事業創造」「日本企業への貢献」といったキーワードに、自分がなぜ共感するのかを具体的に語れるように準備します。これは志望動機の核となります。
  • ビジネスモデルの理解: 戦略コンサルティング、M&Aアドバイザリー、投資機能を併せ持つIGPI独自のビジネスモデルが、どのようにクライアントへの価値提供に繋がっているのかを理解します。
  • プロジェクト事例の研究: IGPIが過去に手掛けたプロジェクト事例(公開されている範囲で)をいくつか調べ、どのような業界で、どのような課題に対し、どのようなアプローチで価値を提供してきたのかを把握します。これにより、ケース面接で問われる「IGPIらしさ」のある提案に繋がります。

2. ケース面接の基礎体力向上:

  • 構造化思考の徹底訓練:
    • あらゆるお題に対して、MECE(モレなくダブりなく)かつ意味のある切り口で分解・整理する練習を繰り返します。
    • 「なぜその構造なのか?」を常に自問自答し、構造化の意図を明確に言語化できるようにします。
  • 仮説構築力の養成:
    • 限られた情報から「筋の良い仮説」を立てる訓練。Strategistsの「赤木式分析法」(3C分析、ビジネス特性分析、事例・施策ストックの活用)などを参考に、再現性のある仮説構築プロセスを身につけます。
    • 日常的にニュースやビジネス記事に触れ、「なぜこの企業は成功したのか?」「この社会課題の根本原因は何か?」といった問いを立て、自分なりの仮説を考える癖をつけます。
  • フェルミ推定の反復練習:
    • 典型的なお題(市場規模、個数推定など)で、時間内に論理的に数値を導き出す練習をします。
    • 数値設定の根拠を明確にする訓練、リアリティチェックの習慣化が重要です。
    • IGPIではフェルミ推定単独よりも、その後のビジネスケースへの繋がりが意識されるため、推定結果からどのような示唆が得られるかを考える練習も行いましょう。

3. IGPIの出題傾向に特化した対策:

  • 「実行可能性」を意識した施策立案:
    • 提案する施策が「誰が」「いつまでに」「どのように」実行するのか、具体的なアクションプランまで落とし込む練習をします。
    • 施策実行上のボトルネック(例:組織の抵抗、リソース不足、技術的課題)を予測し、その対策まで考えられると理想的です。
  • 「財務的視点」の取り込み:
    • 売上向上策だけでなく、コスト削減、利益率改善、投資対効果といった視点を意識的に取り入れる練習をします。
    • 基本的な財務諸表(P/L、B/S)の構造や主要な経営指標(売上総利益率、営業利益率、ROA、ROEなど)を理解しておくと、議論に深みが増します。
  • 「社会性・公共性」のあるテーマへの対応:
    • 地方創生、SDGs、DXによる社会変革など、IGPIが関心を持つ可能性のあるテーマについて、現状の課題や先進的な取り組み事例などを事前にインプットしておくと役立ちます。
    • これらのテーマでは、多様なステークホルダーの利害を調整し、持続可能な仕組みを構築する視点が重要になります。

4. ディスカッション能力の向上:

  • 結論ファーストと論理的な説明: 自分の考えを、まず結論から述べ、その後に理由や根拠を構造的に説明する練習を徹底します。
  • 「なぜ?」への深掘り耐性: 自分の意見や仮説に対して、常に「なぜそう言えるのか?」という問いを繰り返し、論理の穴や曖昧な点を潰しておく訓練をします。
  • 建設的な対話力:
    • 面接官の質問やフィードバックの意図を正確に汲み取り、的確に応答する。
    • 自分の考えに固執せず、相手の意見を尊重し、議論を通じてより良い結論に到達しようとする姿勢。
    • 模擬面接を積極的に活用し、多様な面接官との対話を通じて、コミュニケーションスタイルを磨きます。

5. 情報収集と模擬面接:

  • OB/OG訪問や説明会への参加: 可能であれば、IGPIの社員から直接話を聞き、ファームの雰囲気や仕事内容、選考のポイントについて理解を深めます。
  • 質の高い模擬面接の実施: IGPIのケース面接の傾向を理解している経験者(Strategistsの講師など)に面接官役を依頼し、本番さながらの環境で実践練習を繰り返します。フィードバックを真摯に受け止め、改善に繋げることが重要です。

IGPI対策で特に意識すべきこと(Strategistsからのアドバイス):

  • 「自分自身の言葉で語る」ことの重要性: IGPIは、個々のコンサルタントの主体性や当事者意識を重視します。借り物の言葉やフレームワークの丸暗記ではなく、自分の頭で考え抜き、自分の言葉で情熱を持って語ることが、面接官の心を動かします。
  • 「泥臭さ」への覚悟と共感: ハンズオン支援は、華やかな戦略立案だけでなく、地道な現場改善や関係者調整といった泥臭い仕事も伴います。そうしたIGPIのスタイルへの理解と共感が求められます。
  • 「学び続ける姿勢」のアピール: IGPIで活躍するためには、常に新しい知識やスキルを吸収し、成長し続ける意欲が不可欠です。これまでの経験から何を学び、今後IGPIでどのように成長していきたいかを具体的に語れるように準備しましょう。

IGPIのケース面接は、付け焼き刃の対策では通用しない、思考の体力と深さが問われる選考です。しかし、ファームの特性と評価ポイントを正しく理解し、的確な対策を積み重ねることで、必ず道は拓けます。

7. まとめ:IGPI内定を掴むために

経営共創基盤(IGPI)は、その独自の「ハンズオン支援」と「事業創造」への強いコミットメントにより、日本のコンサルティング業界において特異なポジションを確立しています。IGPIへの入社は、単に戦略コンサルタントになるというだけでなく、事業の当事者として変革をドライブし、社会に新たな価値を生み出すという、他では得難い経験を積むチャンスを意味します。

その選考プロセス、特にケース面接は、IGPIの理念と価値観を色濃く反映したものであり、受験者には深い洞察力、実行可能性を見据えた思考力、そして何よりもクライアントと社会に対する真摯なコミットメントが求められます。

本記事で解説したIGPIのファームとしての特徴、ケース面接の出題傾向、評価ポイント、そして具体的な例題解説と対策法は、皆さんがIGPIの選考を突破するための羅針盤となるはずです。

IGPI内定を掴むための最終チェックポイント:

  • あなたはIGPIの「ハンズオン」の精神に真に共感できますか?
  • 「絵に描いた餅」ではなく、実行可能な「生きた戦略」を考え抜く覚悟がありますか?
  • 複雑な現実の中から本質を見抜き、多様なステークホルダーを巻き込んで変革を推進する自信がありますか?
  • 財務的な視点も持ち合わせ、事業の成長と再生に本気でコミットできますか?
  • 常に学び続け、新しい価値を創造することに情熱を燃やせますか?

これらの問いに力強く「Yes」と答えられるよう、日々のインプットとアウトプット、そして質の高いケース面接対策を積み重ねてください。

Strategistsは、あなたのIGPIへの挑戦を心から応援しています。本記事で得た知識と視点を武器に、自信を持って選考に臨み、輝かしいキャリアをその手で掴み取ってください。


戦略コンサルへの入社/転職を成功させるケース面接対策法

ここまで読んでくれたあなたは、

「ケース面接でライバルに差をつけたい!」
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してほしくないと我々は考えています。

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入社後も活躍したいのであれば、
プロからケース面接の正しい考え方や知識
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独学でもある程度のレベルには達するかもしれませんが
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また我々のプログラムはマンツーマンのケース指導に加えて
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我々のマンツーマン指導プログラムについて

サービス開始の2022年以来、少数精鋭ではありながら、
累計で受講生の戦コン内定率が約43% (新卒約45%/既卒約40%)
(通常、戦コン志望者のうち内定を取れるのは数%程度とされます)
という驚異的な内定者輩出実績を誇る我々Strategistsが
多数の受講生の指導や教材制作を経て蓄積・言語化してきたオリジナルのノウハウを基に、本番での評価ポイントを熟知したMBB面接官経験者の視点も組み込みながら、最強のケース対策プログラムを制作しました。

我々のプログラムの最大の特長は、
ケース面接初心者苦手意識のある方であっても
再現性高く最短距離で最高峰(内定レベル)のケース力
を習得することができる点です。

実は我々のお客様の63%は入会時点で
「一才対策はやってない」or「市販の書籍を読んだ程度」
「初心者」ないし「初級」のお客様です。

再現性高く、最短距離で、内定を取れる理由

最高のケース面接対策プログラムの設計を始めたとき、
我々のチームが最初に考えたのが
「理想的な上達プロセス」についてでした。

スポーツでも勉強でも、何か新しいことを始めるとき
「最短距離で最高峰を目指そう!」と思ったら
どういうやり方をするのが正解なのだろうか?
それについて考えるところから始まりました。

結論、我々が辿り着いた答えは
①学習する:プロから正しく学ぶ
②練習する:繰り返し練習し学んだことを自分の体に染み付かせる
③実践する:実践で到達度や課題を明確化する
→①②に戻る
というサイクルを回すことが
「理想的な上達プロセス」
なのではないか?ということでした。

そこで、この「理想的な上達プロセス」に沿う形で
さまざまな教材・トレーニングメニューを綿密に設計・用意し
「内定レベルのケース面接」を最短距離で習得できるカリキュラムが完成しました。

プログラムの全体像はこちらです。

①正しく学ぶ

Strategistsのオリジナル教材、教科書・動画講座を使って
必要な思考法や知識を体系的にインプットしていただきます。

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②反復練習で定着:課題ケース演習

厳選した良問を、自主課題としてメンターが指定。
時間制限を設けず熟考する形式で自主演習し、
さらに専用フォームに筆記ケース形式でアウトプットしていただきます。
教科書や動画講座で学んだ思考法や知識を思い返しながら
実際の過去問を題材に試行してみる。
あなたの思考力が”変わる・鍛えられる”のが
このトレーニングの役割です。

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③実践&現状把握:模擬ケース面接

専属メンターと模擬面接を実施。
詳細なフィードバックをもらうことで
現状を把握し、弱点・課題を発見できるのはもちろん
内定レベルの解答例や思考のポイントなど
1問を題材に「次に活かせる」学びを詳しく解説します。

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メンタリングの質へのこだわり

皆さんは『メンタリングの質』というものについて考えたことはありますか?我々は『問題を解き→フィードバックをもらい→模範解答を見る』というプロセスを経ての成長幅こそが『メンタリングの質』だと考えています。

『メンタリングの質』はメンターの質はもちろん、扱う問題と模範解答の質によって決まると考えており、我々のサービスでは厳選された問題からしか出題を行いません。メンタリングでの使用を構想してから実際にお客様にお出しする「デビュー」までに数ヶ月かかることも多いです。

我々はケース対策における「良問」を
・得られる学びが深くて多い
・抽象化して次に活かせる普遍性がある
・これまでのお題とも次回以降のお題とも被らない新たな学びがある

と定義しています。各問題が単に「マッキンゼー対策」「公共系」のような表面的なジャンル分けにとどまらず、「BSとPLの構造理解」「”実現可能性とインパクト”の落とし穴」「サブスク事業のキードライバー」など裏テーマが設定してあります。

ケース対策は量よりも圧倒的に質です。
質の高いメンター×体系的な基礎インプット×良問での演習確実に内定をGETするなら我々にお任せください。

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扱った問題のポイントや解答例をまとめた資料をご共有。
復習にご活用いただけます
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単なる”模範解答例”ではなく、問題のポイントや次に活かせる学びをまとめています。

我々の初回メンタリングはありがちなサービス勧誘・営業の場ではなく
本プログラムの 『0講目』の扱いですから、
「これがStrategistsのクオリティか」とご実感いただける機会になることをお約束します。

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